「治療を受けたいけど、お金のことが心配…」
「働けなくなって、生活が成り立たない」
「支援制度があるって聞くけど、どれを使えばいいのか分からない」
うつ病と向き合っているとき、経済的な不安は心への大きなプレッシャーになります。
特に、通院や薬代がかさむ、収入が減る、家族の理解が得られないといった悩みを一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。
この記事では、うつ病とお金の関係、治療費や生活費を支える制度、安心して相談できる窓口について、わかりやすくまとめてご紹介します。
うつ病治療にかかる主な費用とは?
項目 | 目安の金額(自己負担3割の場合) |
---|---|
初診(心療内科・精神科) | 約3,000〜5,000円程度 |
再診(1ヶ月あたり) | 約2,000〜4,000円程度 |
薬代 | 約1,000〜5,000円/月(薬の種類・量により変動) |
カウンセリング(保険外) | 1回5,000〜10,000円以上も |
☞ 月1〜2回の診察+薬代で、毎月5,000〜10,000円程度が目安。
状況によってはこれ以上かかる場合もあり、継続が必要なうつ病治療にとって大きな負担になり得ます。
経済的な負担を軽くする公的制度・支援まとめ
◆ ① 自立支援医療制度(精神通院)
通院・薬代が原則1割負担になる制度。
【対象】精神科・心療内科に通院している方
【メリット】
- 医療費が最大9割軽減される
- 指定医療機関・薬局で使える
- 年間負担上限あり(所得により変動)
☞ 申請は市区町村の窓口(障害福祉課など)へ。
◆ ② 傷病手当金(会社員・公務員向け)
働けない間の収入の一部を補償する制度。
【条件】
- 社会保険加入者(被保険者)
- 連続3日以上仕事を休み、4日目以降も働けない
- 医師の診断書が必要
【支給額】
標準報酬日額の約2/3 × 日数分(最長1年6ヶ月)
☞ 会社の人事・総務部に申請書類を提出。
休職中の金銭的な支えとして非常に重要です。
◆ ③ 障害年金(うつ病による長期の働けない状態)
【対象】うつ病などの精神疾患で生活や仕事に著しい制限がある方
【等級と支給額の目安(令和6年度)】
- 2級:約月66,000円前後(国民年金)
- 3級:約月59,000円前後(厚生年金)
- 障害手当金(一時金)のケースもあり
【申請のポイント】
- 初診日がいつか、記録が必要
- 医師の診断書(障害年金用様式)が必要
- 社労士など専門家のサポートも視野に
➡ 関連記事:うつ病と回復期の過ごし方|元気に見える時期こそ無理しないためのコツとは?
◆ ④ 生活保護・生活困窮者自立支援制度
生活に困窮している方に対する最後のセーフティネット。
【生活保護】
最低限度の生活を保障し、医療費も自己負担なし。
精神疾患を理由に働けない場合も対象になる可能性があります。
【生活困窮者自立支援制度】
- 家賃・生活資金の貸付
- 就労支援や家計相談
- 一時的な支援で生活立て直しを支援
☞ 各自治体の「福祉事務所」「社会福祉協議会」へ相談を。
「申請がめんどう」「誰かに頼るのが怖い」ときは…
◆ ① 支援制度=“遠慮なく使っていい権利”
税金や保険料を払ってきた人が受けられる制度です。
「困ったときはお互いさま」と考えてOKです。
◆ ② 窓口相談が不安なときは…
- ピアサポート団体(同じ経験者による支援)
- NPO法人・精神保健福祉センター
- 医療機関のソーシャルワーカー
☞ 書類の書き方や制度の選び方も丁寧に教えてもらえます。
➡ 関連記事:うつ病と人間関係のストレス|距離の取り方と心を守るコツ
まとめ
うつ病と経済的不安は、切っても切れない関係です。
でも、公的制度や支援を正しく知り、使うことは「弱さ」ではなく「生きるための力」です。
- 自立支援医療で通院負担を軽くする
- 傷病手当金で生活を安定させる
- 必要なら障害年金や生活支援制度を活用する
あなたには、受け取っていい支援があります。
困ったときは、遠慮せず、まず“知る”ことから始めてみてください。
この記事がその第一歩になればうれしいです。
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