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鍼灸小話
鍼灸師のための内臓解剖学⑫:心肺の連携 ― 呼吸と循環がつくる生命リズム
はじめに 心臓と肺は胸腔内で隣接し、生命維持に欠かせない呼吸と循環の二大システムを構築しています。肺は外界から酸素を取り入れ、心臓はその酸素を含む血液を全身へ送り出す。この二つの臓器は絶えず協調し、「息」と「血流」という […] -
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鍼灸師のための内臓解剖学⑪:肝脾の連携 ― 「血」と「気」のバランスを保つ内臓の調和機構
はじめに 肝臓と脾臓は、東洋医学において「気血の調整」を担う二大臓器として密接に連動しています。肝は「疏泄(そせつ)」を司り、気の流れを調え、情緒を安定させる働きを持ちます。脾は「運化(うんか)」を司り、飲食物から気血を […] -
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鍼灸師のための内臓解剖学⑩:脾臓と消化吸収 ― 「気血生化の源」を支える臓器構造
はじめに 東洋医学において「脾」は“気血生化の源”とされ、飲食物から得た栄養をエネルギー(気)と血液に変換する臓器です。現代解剖学でいう脾臓(spleen)は、左上腹部・胃の背後に位置する小臓器で、免疫・造血・古い赤血球 […] -
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鍼灸師のための内臓解剖学⑨:肺と呼吸器系 ― 酸素と「気」を巡らせる呼吸の臓
はじめに 肺は、呼吸を通じて酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出する臓器であり、東洋医学では「気を司る臓」として全身のエネルギー循環に深く関わります。 現代解剖学では、肺は胸腔の左右に位置し、心臓を囲むように配置されています […] -
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鍼灸師のための内臓解剖学⑧:心臓と循環器系 ― 「気血」を巡らせる生命のポンプ
はじめに 心臓は、全身に血液を送り出す「気血の中心」であり、東洋医学でも“心は神を蔵す”とされ、精神活動や情動と深く関わる臓器です。 現代解剖学的には、心臓は横隔膜のすぐ上、縦隔の中央に位置し、一日に約10万回拍動しなが […] -
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鍼灸師のための内臓解剖学⑦:膀胱と尿路系 ― 排泄と防衛を担う「水の経路」を読み解く
はじめに 膀胱と尿路系は、腎臓で生成された尿を体外へ排出する「水の出口」であり、体内の恒常性を維持するために欠かせない機構です。同時に、骨盤内臓器のなかでは構造が比較的浅く、鍼灸施術での安全性にも注意が必要な領域でもあり […] -
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鍼灸師のための内臓解剖学⑥:腎臓と副腎の構造 ― 生命力とホルモンバランスを支える臓器
はじめに 腎臓と副腎は、東洋医学における「腎」としてまとめて語られることが多いですが、実際の解剖学的構造と機能を知ることで、その重要性をより立体的に理解できます。 腎臓は血液をろ過し、老廃物を排泄するだけでなく、水分・電 […] -
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鍼灸師のための内臓解剖学⑤:小腸と大腸の構造 ― 吸収と排泄を支える「第二の脳」の理解
はじめに 小腸と大腸は、単なる「消化の通り道」ではありません。近年の研究では、腸が免疫・神経・ホルモンの機能を担う“第二の脳(セカンドブレイン)”であることが明らかになっています。鍼灸臨床でも、腹部の張り・便秘・下痢・ガ […] -
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鍼灸師のための内臓解剖学④:膵臓と十二指腸の構造 ― 消化と内分泌をつなぐ「体内の交差点」
はじめに 膵臓と十二指腸は、人体のなかでも“消化と代謝の交差点”ともいえる臓器群です。膵臓は胃の背後、腹部の深い位置に横たわり、消化酵素を分泌する外分泌機能と、血糖を調整する内分泌機能という二つの役割を同時に担っています […] -
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鍼灸師のための内臓解剖学③:肝臓と胆嚢の構造 ― 代謝と循環を支える「沈黙の臓器」を理解する
はじめに 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、症状が現れにくく、それでいて人体最大の化学工場ともいえる働きを担っています。右上腹部の横隔膜直下にあり、約1.5kgの重量を持ち、血液の約13%が常にここを流れています。その […]
