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鍼灸小話
鍼灸師のための内臓解剖学⑥:腎臓と副腎の構造 ― 生命力とホルモンバランスを支える臓器
はじめに 腎臓と副腎は、東洋医学における「腎」としてまとめて語られることが多いですが、実際の解剖学的構造と機能を知ることで、その重要性をより立体的に理解できます。 腎臓は血液をろ過し、老廃物を排泄するだけでなく、水分・電 […] -
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鍼灸師のための内臓解剖学⑤:小腸と大腸の構造 ― 吸収と排泄を支える「第二の脳」の理解
はじめに 小腸と大腸は、単なる「消化の通り道」ではありません。近年の研究では、腸が免疫・神経・ホルモンの機能を担う“第二の脳(セカンドブレイン)”であることが明らかになっています。鍼灸臨床でも、腹部の張り・便秘・下痢・ガ […] -
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鍼灸師のための内臓解剖学④:膵臓と十二指腸の構造 ― 消化と内分泌をつなぐ「体内の交差点」
はじめに 膵臓と十二指腸は、人体のなかでも“消化と代謝の交差点”ともいえる臓器群です。膵臓は胃の背後、腹部の深い位置に横たわり、消化酵素を分泌する外分泌機能と、血糖を調整する内分泌機能という二つの役割を同時に担っています […] -
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鍼灸師のための内臓解剖学③:肝臓と胆嚢の構造 ― 代謝と循環を支える「沈黙の臓器」を理解する
はじめに 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、症状が現れにくく、それでいて人体最大の化学工場ともいえる働きを担っています。右上腹部の横隔膜直下にあり、約1.5kgの重量を持ち、血液の約13%が常にここを流れています。その […] -
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鍼灸師のための内臓解剖学②:胃と膵臓の構造と位置 ― 消化と代謝の要を立体的に理解する
はじめに 鍼灸臨床で腹部の施術を行うとき、最も意識すべき臓器が「胃」と「膵臓」です。どちらも消化機能の中心であり、内臓のなかでも特に血流が豊富で、神経支配も複雑です。また、胃は鍼灸で最も頻用されるツボ群の直下に位置し、中 […] -
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鍼灸師のための内臓解剖学①:胸腹部の臓器配置と腹膜構造 ― 安全な刺鍼のために「内側の地図」を描く
はじめに 鍼灸師にとって、筋肉や経穴の位置関係を把握することはもちろん重要ですが、実際の臨床では「その下に何があるのか」を理解しているかどうかが、安全性を大きく左右します。 胸腹部の刺鍼では、呼吸運動に伴う横隔膜の可動性 […] -
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鍼灸師のための解剖学入門㊿:下肢後面筋群(ハムストリングス・下腿三頭筋)とツボ ― 立位安定・循環・冷え性改善への鍼灸アプローチ
はじめに 下肢後面筋群は、身体の「裏の支柱」として、姿勢保持・歩行・血液循環に深く関わる重要な領域です。主にハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)と下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)から構成され、股関節・膝関節・ […] -
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鍼灸師のための解剖学入門㊾:下肢前面筋群(大腿四頭筋・腸腰筋)とツボ ― 歩行・姿勢・冷え・疲労に関わる鍼灸的アプローチ
はじめに 下肢前面筋群は、体幹から脚へと力を伝える“前方の支柱”として、歩行・立位・姿勢保持を支える極めて重要な筋群です。代表的な筋には大腿四頭筋(大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋)と腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)があり […] -
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鍼灸師のための解剖学入門㊽:骨盤筋群(大臀筋・中臀筋・梨状筋など)とツボ ― 歩行安定・坐骨神経痛・骨盤バランスへの鍼灸アプローチ
はじめに 骨盤筋群は、身体の重心を支え、上半身と下半身をつなぐ「要(かなめ)」の領域です。大臀筋・中臀筋・小臀筋・梨状筋・大腿方形筋などがこのグループに属し、骨盤と股関節の安定、歩行動作の推進力、姿勢の維持に大きく関わり […] -
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鍼灸師のための解剖学入門㊼:腰背筋群(広背筋・脊柱起立筋・多裂筋)とツボ ― 姿勢保持・血流改善・慢性腰痛への鍼灸アプローチ
はじめに 腰背筋群は、姿勢を支え、呼吸・循環・運動の土台を形成する「身体の要(かなめ)」です。特に広背筋・脊柱起立筋・多裂筋は、背面の中心に位置し、体幹を安定させると同時に、上肢や下肢の動作を支える重要な役割を果たします […]