世間と鍼灸を
学問する
日本鍼灸大学(仮

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日本鍼灸大学(仮)
とは

日本鍼灸大学(仮)は「世間と鍼灸を学問する」をコンセプトに有志の鍼灸師とセイリン株式会社が立ち上げたWebとYouTubeチャンネルです。普段、世間話と鍼灸学のお話しを井戸端会議的に気軽に楽しめる内容に仕立て日本鍼灸の奥深さを鍼灸学生に向けて提供します。
※当サイトは学校教育法に則った大学施設ではありません。文部科学省の指導の元、名称を使用しています。

STORY

日本鍼灸のお話

鍼灸とは

鍼灸医学は、陰陽五行などの東洋思想をベースに発達した医学である東洋医学の代表格です。鍼あるいは灸を用いて生体に微細な物理的エネルギーを経穴などの特定部位に作用させる事で整体の機能的な歪みを是正し、疾病の予防および治療を行う医学です。東洋医学には、鍼灸以外に、漢方・あん摩マッサージ指圧などがあります。超高齢化やストレスの多い現代の社会問題を背景に古くて新しい医学・医療として非常に注目されています。日本・中国・韓国・ベトナムなどのアジア圏だけではなく欧米などでも活用されています。近年では、鍼灸系大学や医学部の研究所で難病への効果や、そのエビデンス・メカニズムの研究が進められています。

鍼灸の起源は?

鍼灸の起源は石器時代の中国にあります。日本に伝わったのは奈良時代。中国の僧侶が仏典とともに鍼灸の医学書を携えてやってきたとされています。その中で丹波康頼により記載された医心方(国宝、御室仁和寺所蔵)は現存する最古の医学書です。平安から室町時代にかけて、鍼灸や漢方が日本社会に定着し、江戸時代に入ると、鎖国の影響もあり、鍼灸は日本の伝統医学として独自の進化を遂げました。その後、江戸時代中期以降に『解体新書』が登場し、明治維新後は政府の西洋化政策によって、西洋医学が台頭しました。一時は鍼灸の廃止論なども出ましたが、その効果を評価いただいていた国民からの強い支持を得て、現在では不定愁訴や慢性疼痛などに対して再認識されています。現在、全国の医学部や大学附属病院などでも日本鍼灸は臨床研究や診療、治療に用いられています。また、日本国以外にも多くの国で注目がされています。

国家資格はり師・きゆう師の資格について

はり師・きゆう師はあん摩マッサージ指圧師と共に厚生労働大臣指定登録機関である東洋療法研修試験財団(理事長:奈良信雄、常務理事:坂本歩)により年1回(例年2月末)行われる試験に合格した者に与えられる資格です。一般的に鍼灸師と呼称されますが、正式には、はり師ときゆう師の2つの資格からなります。受験資格としては、鍼灸師養成校の大学では4年間・専門学校では3年間・盲学校などの理療科の履修済み・卒業見込みの者に受験資格が与えられます。また、例外として明治鍼灸大学(現:明治国際医療大学)のみ在学中の3年時に受験資格が与えられます。

日本鍼灸の鍼術灸術の特徴と杉山和一

日本鍼灸は伝来依頼、世界で唯一歴史が途絶える事なく今日まで続く伝統医学です。

鍼術

主に、毫鍼(ゴウシン)と呼ばれる毛よりも細いステンレス製の鍼を使用します。現在、日本では、主に直径0.10~0.20mm程度の鍼。日本鍼灸の最大の特徴は、鍼を刺入時に鍼管と呼ばれる筒を用いて行う管鍼法という方法を用いる事です。この管鍼法を広めたのが杉山和一(1610〜94)日本鍼灸に影響を与えたといわれています。1674年(延宝4年)に発刊された「鍼灸抜粋」に紹介されており広く行われていたと思われます。
この管鍼法について、入江流の書に記載がありますが創設者についての記載がないです。一説には、杉山和一が江ノ島で松葉が竹管に入っていたところから思いついたといわれています。
管鍼法以外にも、撚鍼法や打鍼法など鍼管を使わない方法があります。
英語では鍼管の事をGuide tube(ガイドチューブ)と呼ぶ事があります。また、世界で初めて使い捨て鍼(ディスポーザブル鍼灸鍼)の開発を行なったのは静岡に拠点を置く日本メーカーのセイリン株式会社(創立者:鈴木毅)です。

灸術

「お灸を据える」など、イメージのわるい事が多いお灸の原材料はヨモギです。灸術の方法には、もぐさを直接皮膚の上に乗せて着火させる直灸と、生姜やニンニク、味噌などを切って皮膚との間をあけて行う間接灸などがあります。間接灸は、熱の緩衝材になるものを入れたりして熱さを和らげます。また、緩衝材になる素材の効果などもあり気持がよいものです。この他にも、箱にお灸を詰める箱灸や鍼の先端に親指ぐらい大きさのもぐさを取り付けて点火する灸頭鍼などもあります。お灸は薬局などで購入でき近年はセルフケアの1つとして人気が高まっています。

小児鍼

乳幼児を対象にして行う施術を総称にて小児鍼と呼びます。小児への鍼灸は古来中国でもありましたが、日本で発達した特殊鍼法です。一般的な皮膚に刺入する鍼とは違い、ヘラや棒状の形のもので軽度に摩擦刺激を与える事が多い施術です。夜泣きや食欲不信、不機嫌などのいわゆる癇の虫などの症状に対して行う事が多くあります。江戸時代より大阪を中心に発達しました。現在も大阪府内には平安時代より一子相伝の小児鍼をつたえる中野のはりがございます。また、最寄りの駅には近鉄電車「針中野」という駅名があります。

鍼灸の効果について

鍼灸の効果をイメージされる場合、肩こり、腰痛、膝痛などの痛みを頭に浮かべる方が多いと思いますが、実際に鍼灸が得意とする疾患は、自律神経やホルモンバランスの調節、血液循環など内科的な疾患です。1997年11月5日にアメリカ合衆国 国立衛生研究所(通称:NIH)により発表された鍼灸に関する合意声明書(NIH Panel Issues Consensus Statement on Acupuncture)と鍼灸療法の病気に対する効果とその科学的根拠を認める見解が発表されています。

アメリカ合衆国 国立衛生研究所(通称:NIH)では、以下の疾患に対して鍼灸の有効性があげられています。

神経系疾患

神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー

運動器系疾患

関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)

循環器系疾患

心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ

呼吸器系疾患

気管支炎・喘息・風邪および予防

消化器系疾患

胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾

代謝内分秘系疾患

バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血

生殖、泌尿器系疾患

膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎

婦人科系疾患

更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊

耳鼻咽喉科系疾患

中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎

眼科系疾患

眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい

小児科疾患

小児神経症・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善

他国でも、英国では2000年のBuritish Medical Journalにて英国医師会(BMA)が背部通や歯痛、嘔気や嘔吐、片頭痛に鍼灸が有効であると承認しました。また、近年では、術後疼痛やCOPD、繊維性筋痛症への効果も評価されています。

経穴(ツボ)とは?

鍼灸専門用語では経穴(けいけつ)とよばれます。
東洋医学の考えでは、全身を気と血・水が循環しているといわれています。気血の通り道は経絡と呼ばれます。その経絡上にあるポイントが経穴(ツボ)です。鍼灸医学では経絡が何らかの作用で滞ってしまうと病に至るといわれ、これを改善するために、経穴に鍼や灸を使って気血の流れをスムーズにします。

経穴は長い歴史の中で地域ごとの名称や部位に違いが生じていました。
そのためWHOが主幹となり1989年に名称が統一され、2006 年の国際会議で361 穴の位置が決まりました。2008 年5 月には「WHO 標準経穴部位公式版」が発刊されました。これにより世界的規模で鍼灸のエビデンスやメカニズム研究、臨床研究ための座標を整えたということになります。
近年では、経穴になる部位は他の組織部分より神経や血管の密度が高いともいわれています。人によって経穴の部位は若干かわります。その経穴を指先の繊細な感覚で見つけるのが鍼灸師の技量の見せ所の1つです。

余談ですが、動物の経穴は人間の経穴とは位置や名称が違うものがあります。

最新日本鍼灸研究の社会的実績

近年、日本では鍼灸学の研究は、鍼灸学系大学だけでなく、医学部や医科系大学などでも研究が進んでおります。公益社団法人全日本鍼灸学会では活発な議論が行われております。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

WHO世界保健機構の発表により2030年には世界の死亡順位の第3位になると予測されているのがCOPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:慢性閉塞性肺疾患)です。COPDは慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称で、タバコの煙を主とする有害物質を長期間吸入することによって生じる「肺」の病気です。この病気は、肺の内部が破壊されたり気管支が狭くなって通常の呼吸が困難となり、息苦しさ、とくに息を吐き出しにくいという症状や、せきやたんが長く続くという症状も見られます。この疾患に対して2012年当時京都大学より鈴木雅雄氏(鍼灸師、現:福島県立医科大学 教授)らによりCOPDの労作時の息切れに鍼治療が有効である事が証明され世界五大医学雑誌の1つである「Archives of Internal Medicine」に掲載されました。

線維筋痛症

線維筋痛症(FMもしくはFMS:Fibromyalgia Syndrome)とは、全身のさまざまな場所に激しい痛みが出る病気です。具体的な原因は現時点では分かっていません。そのため、病院で行われる検査では異常が出ないことが多く、正しい診断をすることが難しいとされています。近年では、世界的歌手であるレディーガガ女史が公表し注目されました。日本でも約200万人が疾患をかかえているといわれています。2010年代、明治国際医療大学 教授 伊藤和憲氏らのグループが中心となり研究が進められ効果が検証されました。現在、線維筋痛症のガイドラインにも鍼灸が掲載されています。

他にも日本鍼灸の研究については別途ご紹介いたします。

鍼灸の読み方

よく質問されるのが鍼灸の読み方です。鍼灸は鍼(はり)と灸(きゅう)と書いて「しんきゅう」と読みます。また、「はりきゅう」と読む場合もあります。また、針灸は同意語です。

日本鍼灸大学(仮)の趣旨

日本鍼灸大学(仮)は、学校教育基本法上の大学、教育施設ではございません。大学名称の仕様に関しましては文部科学省にご相談の上使用しています。
鍼灸師の先生と日本鍼灸大学は鍼灸鍼の製造メーカーであるセイリン株式会社とで、近代の日本鍼灸の整理と次の2,000年に継ぐための鍼灸学の土台を考え、「世間と鍼灸を学問する」をテーマにしつつ、日本で初めての大学である明治鍼灸大学(現:明治国際医療大学)の創立者である谷口健蔵先生・盲人でありながら鍼灸師として初めて医学博士になられた東京教育大学(現:筑波大学)芹澤勝助先生たち先人が求めた「鍼灸師に学問を通して心の豊かさ」を考えてまいりたいと思っております。鍼灸にご興味のあるすべての皆様どうぞよろしくお願いします。

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