セルフケアで取り入れる経絡治療|お灸・ツボ押しの正しいやり方とコツ

「鍼灸院に通う時間がなかなか取れない…」
「不調を自分でもケアしたい」

そんな方におすすめなのが、経絡治療の考え方を応用したセルフケアです。
経絡上にある“ツボ(経穴)”を、自分の手や市販のお灸でやさしく刺激することで、気血の流れを整え、日常の不調を予防・改善することができます。

この記事では、誰でもできる「お灸・ツボ押し」のやり方と効果的なコツを、東洋医学の視点でご紹介します。


なぜセルフケアに「経絡治療」が効くのか?

経絡治療の目的は、体質を整えて、自然治癒力を高めることにあります。
鍼灸師の施術だけでなく、日々の生活の中でのケアが体質改善の鍵となります。

特にツボへの軽い刺激は、次のような効果があります:

  • 血行促進
  • 自律神経の調整
  • 疲労回復・睡眠改善
  • 内臓機能の活性化
  • メンタルバランスの安定

▶ 経絡とツボの基本 → 経絡とツボの基本|十二経脈・奇経八脈をやさしく解説


ツボ押しの基本|初心者でもすぐにできるやり方

✅ 用意するもの

  • 自分の指(中指や親指の腹がおすすめ)
  • ツボの位置がわかる図(スマホ・冊子でもOK)

✅ 押し方のコツ

  1. 息を吐きながら3〜5秒押す
  2. 指の腹を使い、垂直にゆっくり圧をかける
  3. “イタ気持ちいい”程度が目安
  4. 1箇所につき3回×1日1~2回を目安に

💡 特に疲れているツボは「押すと痛い」傾向があります。


お灸の基本|市販品でできる体質改善ケア

✅ お灸の種類と選び方

種類特徴初心者向け?
せんねん灸皮膚に直接置かず、温かさがマイルド
台座灸灸がシール付き台座に乗っていて使いやすい
灰灸(はいきゅう)熱量が高く、上級者・専門家向け

✅ お灸のポイント

  • 火傷しないよう低温タイプからスタート
  • 空腹時・満腹時・発熱時は避ける
  • リラックスした時間に行う(入浴前後は避ける)

よく使われるツボとセルフケアの目的別リスト

症状ツボ経絡位置と効果
肩こり肩井胆経肩の中間点/筋肉の緊張緩和
ストレス太衝肝経足の甲/気の巡り・情緒安定
胃の疲れ足三里胃経膝下3寸/胃腸の働きを助ける
不眠百会・神門督脈・心経頭頂・手首内側/精神安定
冷え性三陰交脾・肝・腎内くるぶしの上/女性の不調にも◎

▶ もっと知りたい方はこちら → 鍼灸で使われる代表的なツボ50選


よくある質問(セルフケアQ&A)

Q. 毎日やってもいいですか?

→ はい、1日1〜2回であればOKです。ただしやりすぎは逆効果です。

Q. 妊娠中でも使えますか?

→ 一部のツボは避ける必要があります(例:合谷、三陰交など)。必ず専門家に確認を。

Q. 火を使うお灸が怖いのですが…

→ 「温灸器」や「せんねん灸太陽(火を使わないタイプ)」などがおすすめです。


まとめ|“毎日の整え”が未来の不調を防ぐ

鍼灸や経絡治療は、一度受ければ終わり、という治療ではなく、生活習慣とセットで成り立つ療法です。
だからこそ、自分でツボを押したり、お灸を据える習慣がとても効果的なのです。

「なんとなく不調」を感じたら、
今日から1日5分だけ、ツボに意識を向けてみませんか?
体は、ちゃんと応えてくれます。


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