鍼灸で使われる代表的なツボ50選|部位別・症状別にわかりやすく解説

「肩こりに効くツボは?」「不眠を改善する経穴が知りたい」──
そんな声に応えるべく、この記事では鍼灸でよく使われる代表的なツボを厳選して50個紹介します。

経絡治療では、体の気の流れを整える“経絡”の上に存在するツボ(経穴)を活用し、体質改善や症状の緩和を目指す施術が行われます。

今回は、ツボを部位別+症状別に分類して、セルフケアにも使いやすい形でご紹介します。


ツボの基本|経絡上に存在する「反応点」

ツボ(経穴)は、経絡上に点在する“気の出入り口”であり、鍼や灸を施すことで気血の巡りを調整する場所です。
ツボは全身に361カ所以上存在しますが、その中でも特によく使われる定番のツボを中心にピックアップしています。

▶ ツボと経絡の基本はこちら → 経絡とツボの基本|十二経脈・奇経八脈をやさしく解説


部位別:鍼灸でよく使うツボ【全身マップ】

🧠 頭・顔にあるツボ

ツボ名効果・適応症状
百会(ひゃくえ)不眠、頭痛、自律神経調整、精神安定
太陽(たいよう)こめかみの痛み、眼精疲労
印堂(いんどう)鼻づまり、不眠、イライラ
攅竹(さんちく)目の疲れ、眉間の痛み
合谷(ごうこく)※手のツボだが顔面に効く顔面神経痛、歯痛、頭痛

💪 上半身(首・肩・腕)

ツボ名効果・適応症状
肩井(けんせい)肩こり、首の緊張、頭重感
天柱(てんちゅう)首こり、眼精疲労、不眠
曲池(きょくち)肘の痛み、皮膚トラブル、高血圧
内関(ないかん)乗り物酔い、不安感、胃の不調
手三里(てさんり)肩こり、腕の疲れ、テニス肘

🦵 下半身(脚・足)

ツボ名効果・適応症状
足三里(あしさんり)胃腸虚弱、全身疲労、免疫力アップ
三陰交(さんいんこう)冷え性、生理痛、更年期症状
陰陵泉(いんりょうせん)膝のむくみ、尿トラブル
太渓(たいけい)腎機能、足腰の冷え、精力低下
太衝(たいしょう)肝の不調、イライラ、不眠、PMS

🧍 体幹(胸・背中・腹部)

ツボ名効果・適応症状
中脘(ちゅうかん)胃痛、胃もたれ、消化不良
気海(きかい)下腹部の冷え、元気不足
関元(かんげん)不妊、生理不順、疲労回復
大椎(だいつい)風邪予防、発熱、首肩こり
膻中(だんちゅう)胸の圧迫感、息苦しさ、情緒不安定

症状別:ツボのおすすめ組み合わせ

🎯 肩こり

  • 肩井、合谷、手三里、天柱

🎯 頭痛・眼精疲労

  • 百会、太陽、印堂、攅竹、内関

🎯 不眠・ストレス

  • 百会、太衝、内関、三陰交、神門

🎯 胃腸の不調

  • 足三里、中脘、内関、気海

🎯 冷え性・むくみ

  • 三陰交、陰陵泉、太渓、関元

ツボ刺激のポイント|自宅でできる簡単ケア

  • ゆっくりと3〜5秒かけて押し、5秒キープ
  • 指の腹を使い、痛気持ちいい程度の力加減で
  • 毎日1〜2回、無理のない範囲で続けるのがコツ

💡 市販のお灸や温熱器具を併用するのもおすすめです。


まとめ|ツボの力を日常に取り入れる

ツボは、私たちの身体に備わった「自分で自分を整えるポイント」です。
経絡治療では、こうしたツボを活用しながら、鍼灸師が全体のバランスを見て施術を行いますが、日常生活でもセルフケアとして取り入れることで不調の予防や改善が可能です。

まずは、気になる症状に対応したツボをひとつ覚えて、今日から自分のケアを始めてみてください。


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