鍼灸院開業に必須!構造設備基準と法律上のポイントをわかりやすく解説
鍼灸院を開業する際には、保健所に届け出を行う必要があります。その際に必ずチェックされるのが、「構造設備基準」です。これは厚生労働省や各自治体によって定められており、開業時に満たしていなければ許可が下りません。
この記事では、鍼灸院の開業前に確認すべき7つの構造設備基準と、名称の注意点についてわかりやすく解説します。これから鍼灸院を始める方は、ぜひチェックしておきましょう。
鍼灸院の構造設備基準:7つのポイント
① 専用施術室の確保(6.6㎡以上)
施術を行う部屋は、最低6.6平方メートル(約4畳)以上の専用スペースが必要です。他の用途と兼ねた空間では認められません。
② 待合室の設置(3.3㎡以上)
患者が待機するための待合室は3.3平方メートル(約2畳)以上必要です。施術室とは分けて設ける必要があります。
③ 換気設備の要件
施術室には室面積の1/7以上に相当する外気開放部分が必要ですが、代替として適切な換気装置(換気扇・空気清浄機等)があれば問題ありません。
④ 消毒・滅菌設備の設置
消毒設備は必須であり、特に「はり」を行う場合は以下の対応が求められます:
- 再使用の鍼を使う場合:オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)や乾熱滅菌器などを設置
- ディスポ鍼(使い捨て)の場合:使用済み鍼の安全な保管と廃棄方法が必要
⑤ 構造上の独立性
鍼灸院の施術室は、住居や店舗とは構造的に独立していなければなりません。たとえば、出入口を別にする、壁でしっかり区画するなどの対応が求められます。
⑥ 施術室と待合室の完全区画
施術室と待合室は、上下左右すべてを固定された壁で仕切る必要があります。カーテンやパーティションでは不十分と判断されます。
⑦ 複数ベッドの配置とプライバシー確保
施術ベッドを2台以上置く場合は、カーテンなどでしっかりと区切り、患者のプライバシーに配慮する必要があります。
都道府県によって異なる追加基準も
一部自治体では、以下のような追加基準が設けられていることがあります:
- 室内の照度(照明の明るさ)
- 防音・遮音の設備
- 洗面所の有無 など
各自治体の保健所に事前相談しておくことが、トラブルを避けるためのポイントです。
鍼灸院の名称にも注意!使えない名前の例
近年では、施術所の名称にも厳格な判断がされています。特に、医療機関と誤認されるような名称は不可とされています。
❌ 使用が制限される名称の例:
- ○○治療院、○○治療所
- ○○鍼療所
- 「はり科」「きゅう科」など、「科」を含む表記
名称によっては、保健所から修正の指導を受ける場合もありますので、開業前に必ず確認しましょう。
まとめ|構造基準の確認は開業成功の第一歩
鍼灸院の開業には、施術技術や集客だけでなく、法律に基づいた構造設備基準の順守が不可欠です。「6.6㎡の施術室」「消毒設備」「構造の独立性」など、細かな要件を満たさないと、開業の許可が下りない可能性もあります。
さらに、施術所の名称にも注意を払い、保健所に相談しながら準備を進めることで、スムーズな開業につながります。法律に基づいた安心・安全な鍼灸院づくりをめざしましょう。
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