「赤ちゃんはうれしいけれど、心が不安定になる…」
「理由もなくイライラしたり、涙が出たりする」
「妊娠中って、こんなに気持ちが揺れるものなの…?」
そんなふうに感じている妊婦さんは、とても多くいらっしゃいます。
妊娠中のメンタル不調は、決して特別なことではなく、ホルモンの変化・体調の不安・環境の変化が重なることで自然に起こる反応でもあります。
この記事では、東洋医学の視点から妊娠期の心の変化をとらえながら、香り(アロマ)やセルフケアの力を借りて心をやさしく守る方法をご紹介します。
妊娠中の心の揺らぎと東洋医学の考え方
東洋医学では、妊娠中の心の不安定さを「血と気の不足」「肝の気の高ぶり」ととらえます。
◆ 妊娠中の“気血”バランス
- 赤ちゃんに多くの血を送り続ける → 母体の「血」が不足しがち
- 身体的負担・睡眠不足 → 「気」が消耗しやすくなる
- ホルモン変化 → 感情の起伏や焦燥感が増える
これらが重なることで、不安感・情緒不安定・気分の落ち込みといった「うつ状態」に近い症状が出やすくなります。
妊娠中でも安心な“香り”のセルフケアとは?
香りは脳の感情をつかさどる部分(大脳辺縁系)にダイレクトに届くため、心を落ち着かせたり、気分を明るくしたりする効果が期待されます。
ただし、妊娠中は使ってよいアロマと避けた方がよいアロマがあります。
妊娠中におすすめのやさしいアロマ精油(※適切な濃度で)
精油名 | 効果 | 特徴 |
---|---|---|
ラベンダー(真正) | リラックス・安眠 | 妊娠中でも比較的安全。就寝前に◎ |
オレンジ・スイート | 明るい気分・食欲アップ | 甘くやさしい香り。気持ちを元気に |
ネロリ | 不安・緊張を和らげる | 高価だが、妊婦の心に寄り添う香り |
ローズウッド | 感情の安定・安心感 | 肌にもやさしく、深いリラックス感を |
妊娠中に避けたほうがいい精油(例)
- クローブ、シナモン、ローズマリー(刺激が強い)
- ジャスミン、クラリセージ(子宮収縮の可能性)
- ペパーミント(刺激が強く、吐き気が悪化する可能性)
💡 ポイント:
妊娠中は芳香浴(香りを嗅ぐだけ)がおすすめ。肌に塗る・お風呂に入れるなどは避け、1滴だけ使うなどごく少量から始めましょう。
使い方のおすすめアイデア
◆ マグカップアロマ
お湯を入れたマグカップに精油を1滴。
テーブルに置いて、深呼吸しながら香りを感じるだけでOK。
◆ アロマハンカチ・シール
- ハンカチの端に1滴たらす
- アロマシールで服の内側や枕元に貼る
→ 外出先や寝室でもやさしく香らせられます。
◆ 香りと一緒に“やさしい儀式”を
- 白湯を飲みながら香りを感じる
- おなかをさすりながら呼吸を整える
→ 五感に働きかけることで、「今ここ」に心が戻ってきます。
妊娠中の心を守る生活のヒント(東洋医学的視点)
- おなか・足首・腰を冷やさない(「腎」を守る)
- 甘いものや冷たい飲み物を控えめに(「気」を乱す)
- 感情を溜め込まない。話す・書く・泣くも大切
- 「できない自分」を責めず、「今日は休む日」でOK
まとめ|香りとともに“今の自分”をやさしく受け止めて
妊娠中は、体も心もいつもとは違う状態にあります。
その中で感じる不安や沈んだ気持ちは、とても自然な反応です。
東洋医学では、そんな時期こそ「ゆっくり整えていくこと」を大切にします。
香りを味方に、自分の心と対話する時間を少しだけ作ってみませんか?
- 香りを深く吸い込む
- 今の気持ちを、否定せずに感じる
- 小さな心地よさを、自分に許す
それだけで、心が少しだけ軽くなる日がやってきます。
あなたは、ちゃんとがんばっています。
だからこそ、自分に「やさしいひと呼吸」を届けてあげてくださいね。
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