うつ病の原因とは?ストレス・脳内物質・性格傾向など複合的な要因を解説

「なぜ自分がうつ病になったのだろう?」と悩んでいる方は少なくありません。
うつ病の原因はひとつではなく、ストレス・脳内の神経伝達物質・性格傾向・環境要因など、さまざまな要素が複雑に絡み合って発症します。

この記事では、うつ病の原因について、医学的な視点と日常生活の背景からわかりやすく解説します。正しい知識を得ることで、うつ病の理解が深まり、再発予防やセルフケアにもつながります。


うつ病は「心の弱さ」ではない|原因は複数ある

まず大前提としてお伝えしたいのは、うつ病は心が弱いから起こるものではないということです。
これは医学的にも明らかであり、脳の働きや生理的な変化が大きく関係しています。
「気の持ちよう」「甘え」などといった考え方は誤解であり、当事者をさらに苦しめてしまう原因にもなります。

うつ病は、多くの場合、以下の3つの要因が複合的に関与して発症すると考えられています。


1. 生物学的要因|脳内物質の働きとホルモンバランス

うつ病では、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れることが確認されています。主に以下の物質が関与しています。

◆ セロトニン

感情の安定や睡眠リズムに関わる神経伝達物質。分泌が減少すると、イライラや不安感、睡眠障害が起こりやすくなります。

◆ ノルアドレナリン

意欲や集中力に影響を与える物質。不足すると、やる気が出ない、思考力が低下するといった症状が現れます。

◆ ドーパミン

快楽や達成感に関与。減少すると、何をしても楽しいと感じられなくなります(アネドニア)。

これらの物質がうまく分泌されないことにより、脳内の感情コントロール機能が低下し、うつ状態に陥るのです。

➡ 詳しくは:うつ病とは?症状・原因・治療法をやさしく徹底解説


2. 心理的要因|思考パターンや性格傾向が影響することも

うつ病の発症には、考え方の癖や性格的傾向も関係すると言われています。特に、以下のようなタイプは注意が必要です。

◆ 責任感が強い・頑張り屋

真面目で完璧主義な人は、無理をしてでも頑張ろうとする傾向があります。その結果、心が悲鳴を上げるまで我慢してしまうことも。

◆ 自己評価が低い・他人の期待に応えようとする

「自分なんて…」「迷惑をかけてはいけない」と思い込み、自分の感情を抑え込んでしまいがちです。

◆ 否定的思考・ネガティブ思考

失敗を必要以上に引きずったり、「どうせうまくいかない」と未来を悲観したりする癖があると、心に負担がかかりやすくなります。

ただし、これらの性格傾向は病気そのものの原因ではなく、ストレス耐性を低下させる一因として作用するという位置づけです。

➡ 関連記事:うつ病の症状とは?身体・精神に現れるサイン一覧


3. 環境的要因|ライフイベント・人間関係・生活習慣

生活環境や日常的なストレスも、うつ病の重要な発症要因です。たとえば以下のような状況が挙げられます。

◆ 職場でのストレス

  • 長時間労働・過重責任
  • 上司・同僚との人間関係のトラブル
  • パワハラ・セクハラなどのハラスメント

◆ 家庭でのストレス

  • 育児・介護の負担
  • パートナーとの不和
  • 経済的な不安

◆ ライフイベントによる影響

  • 離婚、転職、引っ越し、病気など生活の変化
  • 喜ばしい出来事(結婚・昇進・出産)もストレスになり得ます

◆ 生活リズムの乱れ

  • 不規則な睡眠
  • 食生活の乱れ
  • 運動不足

これらの要因は自分では気づかぬうちに蓄積していくストレスでもあるため、「気づいた時には限界を越えていた」というケースも少なくありません。

➡ 関連記事:うつ病に効果的なセルフケア5選|心を整える日常習慣


「複合的な原因」がうつ病を引き起こす

うつ病は、「ストレスが原因」と単純に語られることもありますが、実際はさまざまな要素が組み合わさって発症します。
つまり、「あの時これさえなければ」と特定の出来事を責める必要はありません。

特に注意したいのは、「自分には原因が見当たらないのに、なぜつらいのか分からない」と感じるケースです。
それは、目に見えない負荷が積み重なっている証拠かもしれません。

自分では「まだ大丈夫」と思っていても、脳や心は限界に達していることもあります。
だからこそ、症状を感じた時点で、うつ病セルフチェック|簡単な質問で心の状態を確認しようなどを活用し、心の状態を客観的に確認することが大切です。


まとめ

うつ病の原因は、ストレスだけではなく、脳内の働き・性格的傾向・生活環境など、さまざまな要因が複雑に関係しています
「原因がわからないから対処できない」と悩む方も多いですが、うつ病は誰にでも起こり得る病気であり、特別な理由がなくても発症することがあります。
まずは「自分を責めないこと」、そして正しい知識を身につけて、早期の気づきと対処につなげることが回復への第一歩です。


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