鍼灸院の道具は、鍼や灸だけでなく、手指衛生、皮膚の消毒、使用済み鍼の廃棄、ベッド・リネンの管理まで一組で準備します。小さく持ち運べることよりも、安全に使い、処理できることを優先しましょう。
特にレンタルサロンを利用する場合は、持ち運びがしやすく、衛生管理を徹底できる備品選びが重要です。道具をそろえることと、法令上その場所で施術できることは別に確認します。
施術に使う基本の道具
- 鍼:全日本鍼灸学会のガイドラインは、滅菌済みの単回使用鍼を推奨しています。鍼管なども含め、施術方法に合うものを選びます。
- お灸:もぐさ、台座灸など、施術内容と環境に合うものを用意します。台座灸でも煙・におい・熱傷の確認が必要です。
- 補助用品:清潔な鍼皿など、必要な器具を用意し、使い捨てか再処理が必要かを確認します。
再使用を前提とする器具は、用途に応じた洗浄・消毒・滅菌が必要です。器具を滅菌パックに入れるだけで滅菌されるわけではありません。単回使用の製品を再使用しないでください。
手指衛生・皮膚の消毒・廃棄の用品
- 手指衛生:石けんと流水、ペーパータオル、手指用の消毒製剤など、必要な衛生用品を準備します。
- 施術野の消毒:皮膚への用途が適切な消毒薬と消毒綿などを用意します。精製水は消毒薬ではなく、消毒の代用品にしません。
- 使用済み鍼:耐貫通性のある堅牢な専用容器を、施術中に安全に捨てられる位置へ用意します。
- 廃棄物の管理:感染性廃棄物の容器、保管場所、回収・処理方法を決めておきます。施設側が処理するか、利用者が手配するかも確認します。
手指用、皮膚用、環境表面用の製品を一括して「何でも消毒できるもの」と扱いません。用途、使用方法、期限、アレルギーなどを確認してください。
ベッド・クッション・リネン
施術ベッド、フェイスクッション、枕やタオル、シーツなどは、体位を保ちやすく、清掃・交換しやすいものを選びます。折りたたみベッドを使う場合は、重量だけでなく、設置時の安定性やメーカーが示す使用条件も確認します。
リネンは清潔なものを使い、使用後のものと分けて管理します。ベッド周囲やよく触れる部分も清掃します。消臭スプレーを使うだけで、清掃・消毒・換気を済ませたことにはなりません。
問診・記録・予約管理の用品
問診票、説明・同意の記録、施術録、予約管理の道具などを用意します。紙でも電子でも、誰が閲覧できるか、持ち運び時に紛失しないか、保管方法は適切かを考えます。患者情報を共有の受付や施術スペースに置き忘れないようにしましょう。
持ち運び・レンタルサロンでの確認
キャリーケースや収納ボックスは、未使用の清潔な備品、使用後の器具、廃棄物を区別できるものを選びます。小分けしても、製品名、用途、使用期限がわからなくならないように管理します。
- 利用規約で鍼灸が認められ、設備・衛生管理の条件を満たせるか
- 手洗い、清掃、換気、清潔な物品の保管ができるか
- お灸の火気・煙・においの扱いと、防火上のルール
- 使用済み鍼や廃棄物を安全に処理できるか
- 準備・片付け・清掃まで予約時間内に行えるか
煙の少ない製品でも、火気や煙の使用が自動的に許可されるわけではありません。電気式の温熱機器も、添付文書・説明書と施設のルールを確認します。
契約前には、開設・出張の扱いや必要な届出について所在地を管轄する保健所へ相談してください。詳しい確認点は、レンタルサロンで鍼灸院を開業する際の注意へ。進路を検討している方は、社会人からの資格取得と学校選びもご覧ください。






