「なかなか眠れない」「夜中に何度も目が覚める」「眠りすぎて起きられない」——
こうした睡眠の悩み、もしかするとうつ病と関係しているかもしれません。
実際、うつ病の患者の8割以上がなんらかの睡眠障害を抱えているとも言われています。
この記事では、うつ病と睡眠障害の関係、代表的な症状(不眠・過眠)とその原因、そして対策方法をわかりやすく解説します。
うつ病と睡眠障害の深い関係
うつ病は、脳内の神経伝達物質(セロトニン・メラトニンなど)の乱れによって引き起こされるため、睡眠リズムにも大きな影響を与えます。
睡眠障害はうつ病の「結果」であると同時に、症状を悪化・再発させる要因にもなり得るため、早期の対応がとても重要です。
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うつ病でよく見られる睡眠のトラブル
◆ ① 入眠困難(寝つけない)
布団に入っても1〜2時間眠れない、考え事が止まらず眠気が来ない。
◆ ② 中途覚醒(夜中に目が覚める)
夜中に何度も起きてしまい、そのたびに不安や焦燥感が強まる。
◆ ③ 早朝覚醒(朝早く目が覚めてしまう)
必要以上に早く目覚め、その後眠れなくなる。
これはうつ病に特有の症状の一つとされています。
◆ ④ 過眠(寝ても寝ても眠い)
特に若年層のうつ病では、過眠傾向(12時間以上寝てしまうなど)が現れることもあります。
なぜ、うつ病は睡眠に影響を与えるのか?
◆ 1. セロトニン・メラトニンの分泌異常
セロトニンは心の安定に関与し、夜になると睡眠ホルモン「メラトニン」へ変化します。
うつ病ではこのバランスが崩れ、眠気が来なかったり、夜中に目覚めやすくなったりします。
◆ 2. 自律神経の乱れ
交感神経(活動)と副交感神経(休息)の切り替えがうまくいかず、夜になってもリラックスモードに入れない。
◆ 3. 不安・抑うつ感による思考の暴走
「また眠れなかったらどうしよう」「明日も仕事なのに」など、不安な思考が脳を活性化させ、眠れなくなる悪循環が生じます。
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睡眠障害への具体的な対策5選
◆ 対策①:起きる時間を一定にする
眠れなかった日でも朝は決まった時間に起きることが大切。これにより、体内時計(概日リズム)が整いやすくなります。
◆ 対策②:朝の光を浴びる
朝起きたらカーテンを開け、日光を浴びる習慣を。
メラトニンの分泌が止まり、体内時計がリセットされます。
◆ 対策③:就寝前のスマホ・カフェインを避ける
- スマホやPCのブルーライトは脳を覚醒させる作用あり
- カフェイン(コーヒー・緑茶など)は就寝3〜4時間前から控える
◆ 対策④:寝る前の“儀式”を決める
- 音楽を聴く
- ハーブティーを飲む
- ストレッチや深呼吸
こうした習慣を毎晩繰り返すことで、脳に「これから寝る時間だよ」と信号を送る効果があります。
◆ 対策⑤:不眠にこだわらない考え方を持つ
「眠らなきゃ」と焦るほど眠れなくなります。
「横になっているだけでも脳は休まっている」と考えることで、リラックスしやすくなります。
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医療機関での治療も有効
◆ 抗うつ薬による調整
一部の抗うつ薬には、不眠改善作用や眠気を促す副作用があるため、医師の判断で適切な薬を選択することが可能です。
◆ 睡眠導入剤の併用(短期的に)
必要に応じて、安全性の高い睡眠薬を短期間使用し、睡眠の質を回復させることもあります。
◆ 認知行動療法(CBT-I)
不眠の原因となる思考のクセや生活習慣を見直す心理療法で、根本的な改善を目指します。
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まとめ
うつ病と睡眠障害は密接に関係しており、眠れないこと・寝すぎてしまうことは、単なる生活の乱れではなく、心からのSOSであることもあります。
睡眠の質を改善することは、うつ病の回復・再発予防に大きな効果があるとされています。
「最近眠りが浅い」「昼間も眠い」「寝つきが悪い」——そんな変化に気づいたら、できることから生活を整え、必要に応じて医療機関に相談することをおすすめします。
毎晩の眠りが、少しずつ「安心できる時間」になりますように。
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