うつ病は適切な治療によって回復が見込める病気ですが、再発しやすい傾向があることも大きな特徴です。
実際、うつ病経験者の約50〜60%が再発を経験するとも言われています。
せっかく回復したのに、また同じ苦しみを味わうのは避けたいもの。
この記事では、うつ病が再発しやすい理由と、日常生活で取り入れられる予防のポイントをわかりやすく解説します。
うつ病が再発しやすい理由とは?
◆ 原因①:ストレス要因が解消されていない
うつ病のきっかけとなった仕事・人間関係・生活環境などが、根本的に変わっていないと、再発のリスクは高まります。
◆ 原因②:治療を途中でやめてしまう
症状がよくなると、自己判断で薬を中止したり、通院をやめてしまうケースが多く見られます。
しかし、うつ病は「よくなった」と思ってからも再発防止の維持治療が必要です。
◆ 原因③:思考のクセが変わっていない
うつ病の背景には、「自分を責めやすい」「ネガティブに捉えやすい」などの思考パターンが関わっていることも。
これを放置すると、同じストレスに再び反応しやすくなります。
◆ 原因④:生活リズムの乱れ
睡眠不足・食生活の乱れ・運動不足なども、心身のバランスを崩し、再発を招く引き金になります。
➡ 関連記事:うつ病の原因とは?ストレス・脳内物質・性格傾向など複合的な要因を解説
再発を防ぐための5つのポイント
◆ 1. 治療を自己判断でやめない
症状が軽くなっても、医師の指示があるまでは通院・服薬を続けることが大切です。
維持治療(再発予防の治療)は、回復後6ヶ月〜1年程度継続するのが一般的です。
➡ 関連記事:うつ病の治療法まとめ|薬物療法・カウンセリング・生活改善の選択肢を解説
◆ 2. 自分の「再発サイン」に気づく習慣を持つ
再発の兆候は、小さな変化から始まることが多いです。
- 朝起きるのがつらくなった
- 仕事に行きたくない気持ちが強くなる
- イライラ・焦りが増える
- 過去の自責感がぶり返す
このような変化に早めに気づき、セルフケアや通院で対処することが、再発防止に非常に効果的です。
➡ 関連記事:うつ病セルフチェック|簡単な質問で心の状態を確認しよう
◆ 3. 思考パターンの見直し(認知行動療法など)
再発しやすい人の多くは、物事を極端にネガティブに捉えてしまう傾向があります。
たとえば:
「1回失敗した=自分はダメ」
「少しでも体調が悪い=また再発だ」
こうした思考のクセは、認知行動療法(CBT)などの心理療法で改善することができます。
➡ 関連記事:カウンセリングの種類と効果|認知行動療法・対話療法など
◆ 4. 生活習慣の安定を意識する
- 毎日同じ時間に寝起きする
- バランスの良い食事をとる
- 無理のない運動を続ける
- SNSやスマホの使いすぎに注意する
これらの習慣は、自律神経のバランスを整え、ストレス耐性を高める効果があります。
➡ 関連記事:うつ病に効果的なセルフケア5選|心を整える日常習慣
◆ 5. 周囲と適度に関わる・頼る
再発しやすい人ほど、「一人でなんとかしよう」と抱え込みがちです。
信頼できる家族・友人・職場・カウンセラーなどと日頃からつながりを持つことは、再発防止の大きな力になります。
➡ 関連記事:家族・職場のサポート方法|うつ病の人に寄り添うための配慮と声かけのポイント
まとめ
うつ病は、回復した後も再発しやすい病気であり、再発予防の意識を持ち続けることがとても大切です。
治療の継続・セルフケア・生活習慣の安定・思考の見直し——これらを習慣として取り入れることで、再発のリスクは大きく減らせます。
「もう一度あのつらさを味わいたくない」と思うあなたに、この記事が再発予防のヒントとなれば幸いです。
心と体にやさしい日常を、自分のペースで築いていきましょう。
🔗うつ病の関連記事はコチラ
うつ病とは?症状・原因・治療法をやさしく解説【初心者向けガイド】
🔗鍼灸の関連記事はコチラ
[鍼灸の基礎知識:日本鍼灸の進化と現代医療における役割]
[鍼灸と自律神経の関係|ストレス軽減と健康改善のメカニズム]
[鍼灸でサポートする産後うつ|ホルモンバランス調整とストレス緩和によるケア]