はじめに|「眠れない」の原因は食事かもしれない?
「寝つきが悪い」「夜中に目が覚める」「朝スッキリ起きられない」
そんな睡眠の悩みが、実は日中の食生活に原因があることをご存じですか?
睡眠の質を左右するのは、自律神経やホルモンだけではなく、栄養バランスや食事のタイミングも密接に関係しています。
この記事では、睡眠に役立つ栄養素や食材、避けるべき食品、そして夜の食習慣の見直し方まで、快眠体質をつくるヒントを紹介します。
睡眠に関わるホルモンとその材料
質の良い睡眠を実現するには、次の2つのホルモンが重要です。
■ セロトニン
“幸せホルモン”とも呼ばれ、日中の気分を安定させる。
このセロトニンが、夜になると眠りを促すメラトニンへと変化します。
■ メラトニン
“睡眠ホルモン”。暗くなると分泌が増え、自然な眠気を誘います。
この2つのホルモンは、実は「トリプトファン」や「ビタミンB群」などの栄養素が材料として必要です。
睡眠の質を高める栄養素とその働き
栄養素 | 働き | 多く含まれる食品例 |
---|---|---|
トリプトファン | セロトニン・メラトニンの原料 | バナナ、納豆、豆腐、乳製品、七面鳥、卵 |
ビタミンB6 | トリプトファンの代謝を助ける | にんにく、まぐろ、さつまいも、鶏むね肉 |
マグネシウム | 神経の興奮を抑える | ナッツ類、ほうれん草、アボカド、玄米 |
カルシウム | 神経を安定させ、メラトニン合成をサポート | 牛乳、小魚、小松菜 |
GABA(γ-アミノ酪酸) | リラックス・抗ストレス作用 | 発芽玄米、キムチ、発酵食品、トマト |
睡眠のために意識したい食習慣
✅ 寝る3時間前までに食事を終える
消化活動が続くと、体温が下がらず眠りにくくなる。軽めの夕食が理想的。
✅ 夕食に「トリプトファン+ビタミンB6」をセットで
例:豆腐+にんにく炒め、鮭+さつまいも、納豆+卵
✅ 就寝前におすすめの“軽い補食”
「小腹が空いて眠れない」という時は、ホットミルクやバナナ、ゆで卵など胃に優しく快眠につながる食品を。
逆に避けたい食べ物・飲み物とは?
食品・飲料 | 理由 |
---|---|
カフェイン(コーヒー、紅茶、緑茶) | 脳を覚醒させる作用があり、入眠を妨げる(6時間以上影響が残ることも) |
アルコール | 一時的に眠くなるが、眠りが浅くなり中途覚醒を引き起こしやすい |
高脂肪・高タンパク食 | 消化に時間がかかり、胃が活発になりすぎる |
糖質の多いお菓子類 | 血糖値の乱高下が神経を刺激し、不眠の原因に |
東洋医学から見た「脾胃(ひい)と睡眠」
東洋医学では「脾(ひ)=消化吸収の中心」が弱ると、眠りにも悪影響が出ると考えられます。
- 脾虚(ひきょ)タイプ:疲れやすく、食後に眠気・夜は眠れない
- 胃熱タイプ:食べすぎで眠れない、夢が多い、寝汗が出る
▶ 対策:
- 夕食は“腹八分目”を意識
- 消化にやさしい食材を中心に
- 胃腸の働きを高めるツボ「足三里(あしさんり)」のセルフケア
まとめ|食事で眠りの質は変えられる
「眠れない」とき、真っ先に思い浮かぶのはストレスや生活リズムかもしれませんが、“日中の食生活”も大きなカギを握っています。
睡眠ホルモンの材料となる栄養素を意識し、食べるタイミングや質を少し変えるだけでも、夜の眠りは変わってきます。
毎日の食事から、眠れる身体を育てていきましょう。
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