「最近、うちの子がずっとイライラしている」
「学校に行きたがらない」「部屋にこもりきりになった」
「思春期だから仕方ない…そう思っていいのか分からない」
そんなふうに、10代の子どもを持つ親御さんが悩むケースが増えています。
実は、思春期には「うつ病」が起こりやすく、大人とは少し違ったサインを見せることもあります。
この記事では、思春期うつの特徴、親ができる接し方、早期サインに気づくためのポイントをやさしく解説します。
なぜ思春期は「うつ」になりやすいのか?
思春期は、子どもから大人へと心と体が大きく変化する時期です。
そのため、次のような要因が重なり、心のバランスが崩れやすくなります。
◆ 思春期にうつが起こりやすい背景
- ホルモンバランスの急激な変化
- 自立への葛藤(親からの独立・社会への適応)
- 学業・受験・友人関係などのストレス
- 自己肯定感の低下や未来への不安
- SNS・インターネットによる過剰な情報刺激
☞ 大人と違って、自分の感情や不安を言葉にする力が未発達なため、「わかってほしいのにうまく伝えられない」苦しさを抱えやすいのです。
思春期うつの特徴|大人のうつとここが違う!
項目 | 大人のうつ | 思春期うつ |
---|---|---|
気分の落ち込み | はっきり自覚しやすい | イライラ・怒りとして表れることが多い |
行動 | 無気力・引きこもり | 反抗的態度・暴言・過剰な行動(問題行動) |
体調 | 不眠・食欲不振など | 頭痛・腹痛・学校に行きたがらない |
言葉 | 「つらい」「しんどい」と表現 | 「うるさい」「ほっといて」と突き放す |
💡 ポイント:
怒り・反抗・問題行動の裏側に「助けて」のサインが隠れていることが多いです。
親が知っておきたい|思春期うつの早期サイン
- 学校に行きたがらない、遅刻・早退が増える
- 趣味や好きだったことに興味を示さなくなる
- 食欲の極端な変化(食べすぎ・食べない)
- スマホ・ゲームへの依存傾向が強まる
- 「死にたい」「消えたい」などの発言(冗談っぽくても要注意)
☞ こうしたサインに早めに気づき、無理に変えようとせず「まずは話を聞く」ことが大切です。
思春期うつへの接し方|親ができる5つのこと
◆ ① 「聴くこと」を最優先する
- アドバイスよりも、共感するだけでOK
- 「つらかったね」「話してくれてありがとう」と返す
◆ ② 否定や説教をしない
- 「そんなの甘えだ」「みんな頑張ってるよ」はNGワード
- 子どもなりに精一杯頑張っていることを認める
◆ ③ 子どものペースを尊重する
- 無理に外に出させたり、元気にさせようとしない
- 回復には個人差があることを理解しておく
◆ ④ 安心できる環境を用意する
- 安心して休める「居場所」を作る
- できるだけプレッシャーや批判を減らす
◆ ⑤ 必要なら専門機関につなぐ
- 学校のスクールカウンセラー、児童精神科、心療内科
- 早めに相談することで重症化を防ぐことができる
(※親だけで抱え込まないことも大切)
まとめ|「一緒にいるだけ」で届くものがある
思春期のうつは、親にとってもとても難しいテーマです。
つい心配で口を出したくなったり、無力感を抱いたりするかもしれません。
でも、本当に大切なのは、
- 子どもを無理に変えようとしないこと
- 「ここにいるよ」「大丈夫だよ」と存在ごと受け止めること
言葉にならないSOSに気づき、そっと寄り添う力が、子どもにとって何よりの支えになります。
あなたがそばにいるだけで、ちゃんと子どもには届いています。
焦らず、比べず、親自身も自分を責めすぎずに、
一緒にこの時期を乗り越えていきましょう。
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