「とにかく体が冷える」「疲れやすくて気分も沈みがち…」
「病院に行くほどじゃないけど、毎日がつらい」
——そんなふうに感じる方はいませんか?
女性のうつ症状には、ホルモンの変化やストレスだけでなく、「冷え」や「血の巡りの悪さ」が大きく関係していることがあります。
東洋医学では、「血(けつ)」の不足や滞りがあると、心にも栄養が届かず、感情が不安定になると考えられています。
この記事では、女性特有のうつ症状と「冷え」「血の巡り」の関係をやさしく解説し、漢方・セルフケア・生活習慣の見直しポイントをご紹介します。
なぜ女性のうつに「冷え」や「血流」が関係するの?
◆ 東洋医学での考え方:「心」と「血」はつながっている
- 「血」は、体を巡る栄養・ホルモン・感情を運ぶ存在
- 血が不足(=血虚)すると、不安・不眠・涙もろさなどの症状が出やすくなる
- 血が滞る(=瘀血)と、イライラ・頭痛・肩こり・PMS悪化につながる
◆ 冷えによる心身への影響
- 血流が悪くなることで脳への栄養も不足
- 自律神経が乱れ、不眠・気分の落ち込みが起こる
- 東洋医学では「陽気不足」=エネルギーが足りない状態と見なされる
☞ 「心がしんどい」は、体のサインでもあるのです。
不調のタイプ別|女性の冷え・うつ体質
タイプ | 主な特徴 | 向いているケア |
---|---|---|
血虚タイプ | 顔色が青白い、めまい、不安感、疲れやすい | 補血・温活・休息中心 |
瘀血タイプ | 生理痛が重い、肩こり、イライラ、頭痛 | 血流改善・運動・香り |
陽虚タイプ | 手足が冷たい、むくみ、やる気が出ない | 体を温める食事・お灸 |
女性のうつ症状に使われる代表的な漢方薬
漢方名 | 主な効果 | 対応する体質 |
---|---|---|
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) | 血の巡りを整える・冷え・生理不順 | 血虚+瘀血タイプ |
加味逍遙散(かみしょうようさん) | 気の巡り・情緒安定 | ストレス・イライラ・PMSに |
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) | 瘀血の改善・月経トラブル・冷え | 血の滞りタイプ |
十全大補湯(じゅうぜんたいほとう) | 気と血を同時に補う | 慢性疲労・虚弱体質の人向け |
💡 ポイント:
体質と状態に合った処方を選ぶのが大切。
婦人科や漢方外来で相談すると安心です。
冷え・血巡りを整えるセルフケア習慣
◆ ① 温活で「陽気」を養う
- 白湯を飲む、湯船にしっかり浸かる
- レッグウォーマー・腹巻・湯たんぽも有効
- 朝・寝る前にお腹を温めるだけでも違います
➡ 関連記事:うつ病と温活のすすめ|心と体を温めて整える冷え対策と日常習慣
◆ ② 血流を促す軽い運動
- ストレッチ、ウォーキング、深呼吸
- 動くことで「気」も「血」も巡り始めます
- 1日5分でもOK、「動けた自分」を褒めることが大切
◆ ③ ツボで巡りをサポート
- 三陰交(内くるぶしの指4本分上):女性の万能ツボ
- 血海(膝の内側):血の流れを整える
- 太衝(足の甲):イライラ・気の滞りに
☞ 湯たんぽやお灸、指圧でやさしく刺激しましょう。
食事で整える「血と陽気」の養生法
✅ おすすめ食材
- 黒ごま・黒豆・レバー・小松菜:補血作用
- しょうが・にんにく・ねぎ:温め効果
- 根菜・スープ・発酵食品:消化を助け、体を内側から温める
❌ 控えたいもの
- 冷たいジュース・アイス・生野菜
- 甘い菓子パン・コーヒーの過剰摂取
まとめ|体を整えることで、心も自然に動き出す
女性のうつ症状は、「こころの問題」として片づけられがちですが、東洋医学では**「体の中の巡りの乱れ」と捉えることで、やさしく整えていくことができます。**
- 血の巡りをよくする
- 冷えを改善して陽気を養う
- 心地よい香りやツボで感情をととのえる
そんな“からだへのアプローチ”が、気づけば心をも軽くしてくれる力になるのです。
がんばることより、「あたためること」「ゆるめること」を選ぶ毎日を。
あなたの体と心は、ちゃんとつながっています。
🔗うつ病の関連記事はコチラ
うつ病とは?症状・原因・治療法をやさしく解説【初心者向けガイド】
🔗鍼灸の関連記事はコチラ
[鍼灸の基礎知識:日本鍼灸の進化と現代医療における役割]
[鍼灸と自律神経の関係|ストレス軽減と健康改善のメカニズム]
[鍼灸でサポートする産後うつ|ホルモンバランス調整とストレス緩和によるケア]