内湿(ないしつ)・内熱(ないねつ)・内風(ないふう)は、中医学で身体の内部に生じる病態を説明する用語です。身体の中に実際の湿気や風がたまるという意味でも、外から入った邪気が残ることだけを指す言葉でもありません。
めまい、しびれ、むくみなどの原因は、この分類だけでは判断できません。急な症状や悪化があるときは、養生やツボ押しより医療機関での評価を優先しましょう。
内湿・内熱・内風の意味
- 内湿:中医学の「脾」の運化や、水分を運ぶ働きが損なわれ、湿が内に生じると捉える病態です。重だるさ、腹部の張り、便のゆるさなどと関連づけて説明されます。
- 内熱:身体の内に熱の性質が生じると捉える病態です。「内火」「火熱内生」という説明もあり、陽の働きが過剰な場合や、陰が不足する場合などを区別して考えます。
- 内風:揺れや動きに似た特徴を持つ病態を表す言葉です。めまい、ふるえ、けいれんなどと関連づけられ、「肝風内動」とも説明されます。
ここでいう脾・肝・陰・陽は伝統医学の概念です。臓器の検査結果や体温などと一対一で対応するものではありません。
外邪や内生五邪との違い
外からの要因を捉える邪気・六淫に対し、内生五邪は、体内の機能の失調によって風・寒・湿・燥・火に似た病態が生じるという整理です。内湿・内熱・内風だけでなく、内寒・内燥も含めて学びます。
外からの要因が病態に関わる説明もありますが、内湿・内熱・内風をすべて「外邪が慢性化した状態」とまとめることはできません。
舌や症状の一覧だけで見分けない
中医学では、経過や身体の状態を複数の観点から整理します。むくみがあるから内湿、イライラするから内熱と、単独の症状で決める方法ではありません。考え方は弁証論治と四診の基本で確認できます。
食材や特定のツボを選ぶだけで、しびれや発熱の原因まで解消できるとは考えないでください。症状の開始時期、続く時間、悪化する条件、服薬などをメモして受診時に伝えると、相談に役立ちます。
めまい・しびれで受診を優先するサイン
突然、片側の手足に力が入らない・しびれる、言葉が出ない・話しにくい、支えなしで立てないほど急にふらつく、経験したことのない激しい頭痛がある場合は、119番へ連絡してください。「内風」と考えて自宅で様子を見ないことが大切です。
急激でなくても、症状が続く、繰り返す、日常生活に支障がある場合は医療機関へ相談しましょう。用語は学習や説明のために使い、必要な検査・治療の代わりにはしません。
参考情報
参考情報の確認日:2026年10月17日






