ことわざ「お灸を据える(おきゅうをすえる)」意味や使い方

お灸をすえるとは?

「お灸をすえる」の意味

お灸(きゅう)を据(す)える の解説

  1. お灸で施術をする。
  2. きつく注意したり罰を加えたりしてこらしめる。

お灸をすえるとは、鍼灸治療でお灸燃やしてを経穴を刺激する施術方法を指します。そこから転じて、現代では、説教をする、きびしく懲らしめる、戒めるなどの意味としてマイナスのイメージが強いですが、元来はお灸を据えることは心地よい暖かさと刺激により冷え性やストレスなど多くの疾患を改善する為、女性を中心にファンが多いケア方法です。

お灸をすえるの語源

お灸をすえるのスエルは、漢字では「据える」と書きます。据えるの意味は、物をしっかりと置く。腰を落ち着ける。などの意味があります。すなわち、お灸をすえるとは、お灸をしっかりと置くという意味になります。

説教とお灸の関係

江戸時代に入ると、お灸は治療だけでなく、「罰」としての意味合いも持つようになりました。家庭内や教育現場で、子供や若者が悪いことをした際にお灸を据えることで、痛みを与えながら教訓を与えるという風習が広がりました。このような背景から、お灸をすえることが「懲らしめる」「叱る」という意味を持つようになったのです。

現代の使われ方

現代においても、「お灸をすえる」という表現は、厳しく叱ることや懲らしめることを意味する比喩表現として使われています。しかし、実際のお灸はリラクゼーション効果があり、多くの健康問題の改善に役立つ治療法として広く利用されています。

お灸の歴史

お灸は今からおよそ2,000年前、古代の中国北部の医療として始まったと言われています。その後、インドを経由して中国で発展した技術だと言われています。北方民族の人たちは、痩せた土地でも生息する自生力のつよいヨモギに着目し着火剤として使いました。ヨモギを活用した治療がお灸の始まりとされています。紀元前2世紀に編纂された文献にはすでにお灸の記載があります。また、お灸を据える文化は仏教伝来と共に日本に伝わってきたとされています。

お灸の暖かさは気持ちいい

お灸は、温かさを通じて心地よいリラクゼーション効果をもたらします。もぐさの柔らかな熱がツボをじんわりと刺激し、血行を促進することで筋肉の緊張がほぐれ、深いリラックス状態へと導かれます。また、お灸の温かさはストレスを軽減し、心身のバランスを整える効果もあります。特に冷え性や肩こり、生理痛などで悩む方にとって、お灸の穏やかな温かさは、痛みを和らげるだけでなく、心地よい癒しのひとときを提供します。

さらに、現代のお灸を据えるといっても様々なお灸が出ています。火を使わない電子温灸も登場しており、安全に楽しむことができます。自宅で手軽にできるため、忙しい日常の中でもリラックスしたい時に最適です。お灸を習慣にすることで、健康維持だけでなく、日々の疲れやストレスを癒し、質の高い睡眠や心地よいリフレッシュタイムを過ごすことができます。お灸の心地よさを提供します。

お灸をすえるのまとめ

「お灸をすえる」という言葉が説教の代名詞として使われるようになった背景には、江戸時代の風習が影響しています。しかし、本来のお灸は健康維持や治療に役立つ重要な療法です。現代においても、その効果を活用し、心地よいリラクゼーションを楽しむことができます。

他のお灸に関することわざ

他にもお灸に関することわざを簡単にご紹介します。

七年の病に三年の艾(もぐさ)を求む

意味: 長期間続く病気には、時間をかけた治療が必要であるという意味です。長期的な視点で治療に取り組むことの重要性を示しています。

遠くの火事より背中の灸

意味: 遠くで起きている大きな問題よりも、身近で差し迫った小さな問題に対処することの重要性を示しています。目の前の問題を優先的に解決することで、大きなトラブルを防ぐことができます。

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