経絡治療の施術フロー|初診からアフターケアまでの流れをわかりやすく解説

「鍼灸を受けたいけど、どんなことをされるのか分からない…」
「初めてで緊張する。痛くないの?」

そんな不安を抱える方に向けて、この記事では経絡治療の施術の流れを、初診からアフターケアまでステップごとにわかりやすく解説します。

初めての鍼灸でも安心して臨めるよう、事前に知っておくべきポイントや、経絡治療特有の流れにも触れていきます。


ステップ①|問診(カウンセリング)

🗣 内容:

  • 主訴(気になる症状)をヒアリング
  • 生活習慣、体質、食事、睡眠、ストレスの状況
  • 既往歴や服薬状況など

ここでは「肩が痛い」などの表面的な症状だけでなく、“なぜその症状が起きているのか?”を探るための深掘りが行われます。
経絡治療ではこの情報が“本治法”の方針決定に直結します。


ステップ②|四診(東洋医学の診察)

👀 見て・聞いて・触れて・聞き出す「四診」

診察法内容
望診顔色・舌・皮膚・姿勢を見る
聞診声の質・体臭・呼吸の音
問診自覚症状・生活習慣などを詳しく聞く
切診脈診(手首)・腹診・皮膚温を触れて確認

▶ 詳しくはこちら → 東洋医学の診断法まとめ|脈診・舌診・腹診の基本と経絡治療への応用

この段階で、気・血・水や陰陽五行のバランスも含めて、体質と原因が総合的に判断されます。


ステップ③|施術方針の決定(本治法+標治法)

診察結果をもとに、施術の組み立てが行われます。

  • ✅ 本治法:全身のバランスを整える根本施術(例:肝虚→太衝への補法)
  • ✅ 標治法:つらい症状に直接働きかける局所施術(例:肩こり→肩井への刺鍼)

状態によっては、「標本同治」=両方を併用する方針が取られます。

▶ 関連記事 → 本治法と標治法の違いとは?標本同治の実践ガイド


ステップ④|施術(鍼・お灸・手技)

鍼(はり)施術

  • 経絡に沿ったツボに浅く鍼を打つ(ほとんど痛みはなし)
  • 刺激はごく軽く、「刺さない鍼」や「触れるだけ」の手法もあり

お灸(きゅう)施術

  • ツボに台座灸・せんねん灸などを使用
  • 冷え・虚弱体質・婦人科系に特に効果的

💡 多くの経絡治療では「身体にやさしい刺激」が基本です。
施術中はうとうとしてしまう方も多く、「思っていたより心地いい」という声も多数。


ステップ⑤|アフターケアと説明

施術後は、以下のような説明やアドバイスがあります:

  • 当日の注意点(入浴・食事・激しい運動は避ける等)
  • 今後の施術方針(回数・頻度の目安)
  • 自宅でできるセルフケア(ツボ押し・お灸)

▶ セルフケアの詳細 → セルフケアで取り入れる経絡治療|お灸・ツボ押しのコツ


所要時間と料金の目安

項目初診2回目以降
所要時間約60〜90分約45〜60分
料金の相場5,000〜8,000円4,000〜7,000円

※治療院によって異なりますので、事前の確認をおすすめします。


経絡治療を受ける前に知っておきたいこと

  • 鍼はほぼ無痛で、使い捨て(ディスポーザブル)が基本です
  • お灸も低温・煙少なめのタイプが多く、安全性が高い
  • 効果を感じるまでの回数は個人差あり(1回で楽になる方も、3〜5回が目安の方も)

まとめ|安心して始めるための第一歩に

経絡治療は、「今ある不調を整えながら、未来の健康も育てる」やさしく、効果的な鍼灸療法です。
初診から丁寧に体の声を聴き、あなたに合ったアプローチを提案してくれる治療スタイルなので、初めての方でも安心して受けられます。

「なんとなく不調を感じる」「体質を整えたい」――
そんなときは、この記事を参考に、経絡治療の一歩を踏み出してみてください。


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