1. はじめに:免疫力は「呼吸」で高められる?
免疫力といえば、食事や睡眠、運動が注目されがちですが、実は「呼吸法」も非常に大切な要素のひとつです。
- 深く整った呼吸は、自律神経のバランスを整え
- 副交感神経が優位になることで、消化や免疫に関わる内臓が活発に働く
- さらに、呼吸によって体温が安定し、体の自然な防御力が高まる
つまり、毎日の呼吸の質が、風邪をひきにくい体・ウイルスに強い体の土台をつくっているのです。
2. 呼吸と免疫のメカニズム
2-1. 自律神経と免疫細胞の関係
免疫細胞は、体内の「自律神経」の指令によって活性化・抑制されています。
- 交感神経が過剰に働くと:体は“戦闘モード”になり、炎症や疲れがたまりやすくなる
- 副交感神経が優位になると:消化・排泄・回復がスムーズに進み、免疫機能が安定する
呼吸法で副交感神経を活性化させることで、**「免疫力が正しく働く状態」**を整えることができるのです。
2-2. 呼吸が整うと腸が元気になる
腸は免疫細胞の約7割が集中している「最大の免疫器官」。
呼吸が浅いと腸の働きが鈍り、便秘や腸内環境の悪化によって免疫力が低下します。
逆に、腹式呼吸をすることで横隔膜がしっかり動き、腸のマッサージ効果によって腸内環境が改善。
これが、免疫力アップに直結します。
3. 免疫力を高めるための呼吸法
3-1. 基本の腹式呼吸(自律神経リセット)
やり方:
- 鼻から4秒吸ってお腹を膨らませる
- 口から6秒かけてゆっくり吐く(お腹をへこませる)
- 1回5分を目安に、朝と夜に取り入れる
効果:
- 副交感神経が働き、内臓の血流と機能がアップ
- 疲労物質の代謝も進み、体調が安定しやすくなる
3-2. 鼻呼吸+ウォームブリージング(冷え・乾燥対策)
やり方:
- 鼻から吸って、口をすぼめて「ふーっ」と細く長く吐く
- 吸うときは空気を温めるイメージ
- 冬場やエアコンの中で特におすすめ
効果:
- 鼻の加湿・加温機能が働き、ウイルスの侵入をブロック
- 喉や気道を乾燥から守り、風邪予防に役立つ
3-3. 寝る前の「4-7-8呼吸法」で免疫回復モードへ
やり方:
- 4秒吸う → 7秒止める → 8秒吐く
- 寝る前に3〜5セット繰り返す
効果:
- 深い眠りへと導き、睡眠中に免疫細胞がしっかり修復活動できる
- 翌朝の体調回復感が違うと実感しやすい
4. 呼吸法と一緒に免疫を強化する生活習慣
4-1. 「呼吸×体温」=最強の予防策
体温が1℃下がると、免疫力は約30%低下すると言われています。
呼吸法で内臓が動くと、体の芯から温まりやすくなるため、冷え性や寒がりの人にも効果的。
4-2. 呼吸の“質”を高めるコツ
- 朝日を浴びながら呼吸する
- ストレッチと組み合わせる
- 湯船の中で腹式呼吸をする
これらを実践すると、呼吸がさらに深まり、酸素供給と自律神経の整い効果が倍増します。
5. 鍼灸との併用で「免疫体質」へ
5-1. 鍼灸が免疫力を高める仕組み
鍼灸では、特定のツボを刺激することで、リンパや血流を促進し、自然治癒力を活性化させることができます。
また、自律神経への働きかけにより、慢性疲労や冷えの改善にも効果的です。
5-2. 免疫力アップにおすすめのツボ
- 足三里(あしさんり):胃腸の調子を整え、免疫のベースを作る
- 大椎(だいつい):首の付け根。風邪予防・寒気に効く
- 合谷(ごうこく):万能ツボ。疲れや不調を感じたときの回復スイッチ
- 中脘(ちゅうかん):みぞおちとおへその間。胃腸の働き促進に
呼吸法とツボ押しを組み合わせることで、“自然治癒力が働く身体”を日々育てることができます。
6. まとめ:呼吸で「風邪に強い体」を育てよう
- 呼吸法で自律神経が整えば、免疫は本来の力を発揮できる
- 腹式呼吸が腸を動かし、免疫細胞の活性につながる
- 鍼灸との併用で、さらに深く体質から整えられる
季節の変わり目や感染症が流行する時期にこそ、
「呼吸で整える」という習慣が、静かにあなたを守ってくれます。
1日5分。今日からはじめる、免疫呼吸習慣を。
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