はじめに
「昨日は春みたいだったのに、今日は真冬みたいに寒い」。春先に増えるこの体感のギャップが、いわゆる三寒四温です。暖かさに向かう途中で寒さが戻るため、体は“春仕様”に切り替えきれず、だるさ・頭の重さ・寝つきの悪さなどが出やすくなります。
東洋医学の視点では、この時期は「外の気候が揺れる=体の内側も揺れやすい」季節。だからこそ、がんばって気合いで乗り切るより、揺れを前提に整えるのがコツです。
三寒四温とは
三寒四温は、寒い日が続いたあとに比較的暖かい日が続くなど、寒暖が周期的に入れ替わる状態を指す言葉です。
よく「3日寒くて4日暖かい」と言われますが、これはあくまで目安。実際は地域や年によって波の長さは変わります。大事なのは「暖かい日が来ても、また冷える日が来る」という揺れを見越して暮らすことです。
春先に不調が出やすい理由(東洋医学・養生の見立て)
三寒四温の時期は、体の中で次のような“揺れ”が起こりやすくなります。
1) 冷えとゆるみが交互に来て“巡り”が乱れる
暖かい日に体がゆるみ、次の日に冷えると筋肉や血管がぎゅっと縮む。これが繰り返されると、体は調整に追われて疲れやすくなります。東洋医学的には、巡りが滞ることでこわばり・重だるさが出やすい時期です。
2) 自律神経が忙しくなる
寒い日は体温を保つために交感神経が優位になりやすく、暖かい日は緩みやすい。気温差が大きいほど切り替え回数が増え、結果として眠りの質の低下・だるさにつながりがちです。
3) 春の特徴“風”の影響を受けやすい
春は風が強い日も増えます。外気の揺れ(冷風・乾燥・気圧変化)は、頭や首肩に影響が出やすい。頭の重さや首肩のこりが出る人は、この季節の影響を受けやすいタイプです。
三寒四温の養生:今日からできる5つの整え方
ここからは、難しいこと抜きで「効くところ」だけまとめます。
① 首・手首・足首を守る(“三首”の養生)
春先は薄着にしがちですが、冷えは首まわりから入りやすい。
- 外出:ストール、薄手マフラー、レッグウォーマー
- 室内:足首の冷え対策(靴下の重ねばき、膝掛け)
「暖かい日ほど、翌日の冷え込みに備える」ぐらいがちょうどいいです。
② 夜は湯船で“切り替え”を作る
自律神経は「切り替えの合図」があるほど整いやすいです。
- 湯船:熱すぎない温度で、短時間でもOK
- ポイント:入浴後に首肩を冷やさない(髪が濡れたままは避ける)
眠りが浅い人ほど、入浴を“毎日同じ時間帯”に寄せると効果が出やすいです。
③ 朝は光+ゆるい動きで“春スイッチ”
三寒四温の時期は、朝に体が動きにくい人が増えます。
- カーテンを開けて光を入れる
- 30秒でいいので、首・肩・背中をゆっくり回す
- 深呼吸を3回(吐く息を長めに)
「がんばって運動」より「ゆるく起動」の方が続きます。
④ 食は“温かい汁物”を軸に、冷えを積み残さない
冷たい飲み物や生ものが増えると、内側が冷えて回復が遅れます。
- 味噌汁、スープ、鍋、温かいお茶
- しょうが・ねぎ・にんにくなどは“使いすぎない範囲”で
胃腸が疲れやすい人ほど「温かいものを先に入れる」だけで変わります。
⑤ “風”に当たった日は、首肩のケアを最優先
風の強い日や冷たい雨の日は、帰宅後のケアで翌日の体感が変わります。
- 蒸しタオルを首肩に当てる
- 肩甲骨まわりをゆっくり動かす
- 早めに寝る(これが結局一番効く)
不調が出てから対処するより、「当たった日」に手当てするのがコツです。
こんなときは“整え方”を微調整
- だるさが強い:予定を詰めず、夜の入浴と睡眠を優先
- 首肩こり・頭の重さ:首肩の温め+目の休息(スマホ時間を短く)
- 冷えが強い:三つの首+温かい汁物を毎食どこかに入れる
体質というより「今週の気候の揺れ」に反応していることも多いので、まずは1週間だけ試してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 三寒四温はいつの時期?
A. 日本では主に冬の終わり〜春先に使われることが多いです。年や地域で体感は変わります。
Q. “3日寒くて4日暖かい”は固定?
A. 目安です。大事なのは「揺れがある前提で暮らす」こと。
Q. 寒の戻りとは違う?
A. 寒の戻りは、暖かくなった後に一時的に寒さが戻る現象。三寒四温の流れの中で起こりやすい一場面、と捉えると分かりやすいです。
まとめ
三寒四温は、春に近づくサインである一方、体にとっては“調整の負荷”が増える季節でもあります。東洋医学・養生のコツは、揺れを消そうとするのではなく、揺れても戻れる土台を作ること。
「三つの首」「湯船」「朝の光」「温かい汁物」「風の日のケア」。この5点を押さえるだけで、春先はかなりラクになります。
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