運動中は息を無理に止めず、運動の強さに合った呼吸を保つことが基本です。ランニングの呼吸を一定の歩数に固定したり、大きく吸い続けたりするだけで、誰でも持久力が上がるわけではありません。
呼吸がつらいときは、呼吸法で乗り切ろうとせずペースを落とすか運動を中止します。強い胸の痛み、急な呼吸困難、意識の異常がある場合は119番へ連絡してください。
運動中の呼吸と酸素の関係
身体活動が増えると、身体が必要とする酸素や、呼吸によって排出する二酸化炭素の量も変わり、呼吸は速く深くなります。息が上がる程度は、運動の種類、強度、体力、体調によって異なります。
一般的な運動強度の目安として、中程度の運動では会話ができる一方、歌うのは難しくなるとされています。息継ぎなしでは数語しか話せない状態は、より強い運動の目安です。心臓や肺の病気などで運動の指示がある場合は、その指示を優先します。
ランニングは呼吸の回数より、無理のないペース
走るリズムに合わせて「2歩で吸い、2歩で吐く」「3歩で吸い、3歩で吐く」と数える方法は、呼吸を意識するための例です。すべての人や走る速さに適した決まりではありません。数えることで苦しくなるなら、歩数に合わせることをやめてペースを調整しましょう。
鼻だけで吸う、口だけで吐くなどの方法も、一律に守る必要はありません。呼吸を制限せず、楽に続けられる速さを選びます。初心者は歩きと軽いジョギングを組み合わせ、負荷を急に上げないことが大切です。
筋トレでは息を止め続けない
一般的なウエイトトレーニングでは、重りを持ち上げるときに吐き、下ろすときに吸うことが一つの目安です。動作中に息を止め続けないようにし、呼吸が乱れる場合は重量や回数を見直します。
高重量のトレーニングでは、姿勢や身体の支え方も含めて専門的な指導が必要になります。動画や記事だけで、強い息こらえや限界重量への挑戦をまねしないでください。呼吸だけでなく、正しいフォームと扱える重さを優先しましょう。
呼吸筋トレーニングと深呼吸は同じではない
呼吸筋は、横隔膜など呼吸に関わる筋肉です。研究では、吸う・吐く際に負荷をかけるトレーニングなどが検討されています。健康な人を対象とした2012年の研究レビューでは、運動パフォーマンスの改善が報告されましたが、対象者の体力や測定方法によって結果が異なりました。
この結果を、普通の深呼吸を繰り返せば肺活量や持久力が必ず増える、という意味に広げることはできません。器具を使う場合は目的と負荷設定を確認し、呼吸器や循環器の病気がある人は医師に相談してください。
持久力づくりは、運動・休息・体調管理を組み合わせる
ランニングやサイクリングでは、続けられる運動量から始め、体調を見ながら少しずつ負荷を調整します。高強度の運動と休息を繰り返すインターバルトレーニングも、深く呼吸するだけで負荷が安全になるわけではありません。
運動を止めても息苦しさが続く、以前より少ない運動で強く息切れする、胸痛やめまいを繰り返す場合は医療機関に相談してください。鍼灸について知りたい場合は、鍼灸の基礎知識と研究の考え方も確認できます。呼吸法や鍼灸を、必要な診察の代わりにしないことが大切です。






