乳腺炎は、授乳中に乳房の一部が赤く腫れる、熱をもつ、痛む、しこりのように感じるなどの症状が現れる状態です。発熱、悪寒、だるさなど、かぜに似た全身症状を伴うこともあります。
乳房の痛みや腫れは、乳腺炎以外の原因でも起こります。自己判断でツボ押しやお灸、強いマッサージを行うのではなく、産科・婦人科、助産師、授乳支援の専門家へ早めに相談してください。
乳腺炎とは?
乳腺炎は、乳房の組織に炎症が起こる状態です。授乳期に多くみられますが、授乳していない人にも乳房の炎症やしこりが生じることがあります。
乳房の一部が赤い、熱い、痛い、硬いと感じる場合や、発熱・悪寒・強いだるさを伴う場合は、症状の経過を確認する必要があります。乳腺炎の症状は急に出ることがあります。NHS:Mastitis
早めに相談したい症状
次のような場合は、産科・婦人科・乳腺外科、または地域の助産師へ早めに相談してください。
- 乳房の赤み、熱感、腫れ、痛みが強い
- しこりや腫れが続く
- 発熱、悪寒、関節痛のような全身症状がある
- 授乳や搾乳がつらい、赤ちゃんが飲みにくそうにしている
- 24時間ほど経っても症状が改善しない、または悪化している
- 抗菌薬の治療を始めても改善しない
- 授乳中ではないのに乳房の腫れ、痛み、しこりがある
強い痛みや腫れに加え、高熱、ぐったりする、意識がぼんやりするなどの症状がある場合は、急いで医療機関へ相談してください。乳房の膿瘍が疑われる場合には、超音波検査や処置が必要になることがあります。NHS:Breast abscess
授乳中に確認したいこと
授乳を続けるか、搾乳をどうするかは、乳房の状態、痛み、赤ちゃんの飲み方などで変わります。自己判断で授乳を急に中止したり、必要以上に搾乳したりせず、助産師や主治医に相談してください。
乳房を強く揉んだり、強い圧をかけたりすることは、組織への負担につながることがあります。授乳姿勢や赤ちゃんのくわえ方について支援を受けることが、状況を整理する助けになります。Academy of Breastfeeding Medicine:乳腺炎プロトコル
鍼灸を受けたいときの注意点
鍼灸で乳腺炎の炎症を抑える、乳汁の詰まりを解消する、感染を防ぐといった効果は確立していません。発熱や乳房の強い痛みがある急性期には、鍼灸を優先せず、医療機関や助産師へ相談してください。
鍼灸を受けることを検討する場合は、施術前に次のことを共有しましょう。
- 授乳中であること、産後何週か
- 乳房の赤み、腫れ、しこり、痛みの場所と経過
- 発熱や悪寒など、全身症状の有無
- 受診歴、服用中の薬、抗菌薬治療の有無
- 助産師・主治医から受けている指示
施術後に痛み、発熱、赤み、腫れが増した場合は、施術を継続するかを自己判断せず、主治医または助産師へ連絡してください。
受診時に伝えるとよいこと
症状を伝える際は、次のような内容を記録しておくと役立ちます。
- 痛みや赤みが始まった日時
- 発熱の有無と体温
- しこりや腫れの場所・大きさの変化
- 授乳時の痛み、赤ちゃんの飲み方の変化
- 搾乳や授乳後に症状がどう変わるか
- 服用中の薬や、これまでに行った対処
よくある質問
乳腺炎にツボ押しやお灸をしてもよいですか?
乳房の赤み、強い痛み、発熱がある場合は、ツボ押しやお灸で様子を見ることはおすすめできません。まず産科・婦人科・助産師などへ相談してください。
授乳は続けてもよいですか?
授乳の継続や搾乳の方法は、症状と赤ちゃんの状態によって異なります。急にやめる前に、助産師や主治医から個別の助言を受けてください。
乳房のしこりは乳腺炎ですか?
乳腺炎以外の原因でもしこりは起こります。授乳中でない場合や、症状が続く・繰り返す場合も、乳腺外科などで確認してください。
まとめ
乳腺炎が疑われるときは、痛みや発熱をツボやセルフケアだけで対処せず、早めに助産師・産科・婦人科へ相談することが大切です。鍼灸を希望する場合も、乳房の状態と治療経過を共有し、医療的な評価を優先してください。






