鍼灸院でできるSDGs実践10の方法|今日から始めるサステナブルな院づくり

はじめに:小さな鍼灸院でもできるSDGs

「SDGsは大企業や行政のもの」と思っていませんか?実は、地域密着の鍼灸院こそ、日々の活動の中でSDGsを実践できるフィールドがあります。
小さな一歩でも積み重ねることで、患者さんからの信頼が高まり、院の経営の安定にもつながります。ここでは、鍼灸院が今日から取り組める10の具体例を紹介します。


1. 電子カルテ・オンライン予約でペーパーレス化

紙の問診票やカルテを電子化することで、紙資源を削減。オンライン予約を導入すれば電話対応の手間も省け、スタッフの働きやすさにも貢献します。


2. LED照明・省エネ家電の導入

照明をLEDに変更し、エアコンの設定温度を工夫するだけでも大きな省エネに。電気代の削減は経営にも直結するメリットです。


3. タオル・リネンの節水洗濯

洗濯物をまとめ洗いし、節水モードのある洗濯機を活用。環境に優しい洗剤を使うことで、患者さんにも安心感を与えられます。


4. ディスポ鍼の適切使用と廃棄

必要以上に開封しない、廃棄は必ず専門業者に依頼する。安全と環境保護の両立を意識することが大切です。


5. 院内の掲示やSNSで健康啓発

「季節の養生法」や「セルフツボ押し」を院内ポスターやSNSで発信。患者さんの健康意識が高まり、地域全体の健康づくりにも貢献できます。


6. 高齢者や子ども向けの健康講座を開催

地域包括支援センターや学校と連携し、ツボ体操や姿勢指導などを実施。健康教育はSDGs目標4「質の高い教育」にも直結します。


7. 女性のライフステージ支援プログラム

妊活ケア、産後ケア、更年期サポートなど、女性特有の健康課題に対応したメニューを整備。目標5「ジェンダー平等」に貢献できます。


8. 訪問鍼灸で通院困難者を支援

高齢者や障がいのある方の自宅を訪問し施術を提供。これは目標3「健康と福祉」に直結する取り組みです。


9. 災害時の支援体制づくり

地域の防災訓練に参加し、災害時に避難所で健康ケアを行う準備を整える。地域に頼られる存在になることは院の信頼にもつながります。


10. 地域イベントへの積極参加

マルシェや祭りで「健康相談ブース」「ツボ体験」を出す。鍼灸を広めると同時に、地域住民とのつながりが強化されます。


実践のポイント:無理なく継続できる工夫を

SDGsの取り組みは、一度きりのイベントではなく「続けること」が大切です。

  • できることから少しずつ
  • スタッフ全員で共有する
  • 成果を見える化して患者に伝える

これを意識すれば、無理なくサステナブルな院運営が実現できます。


鍼灸院経営へのメリット

「社会貢献」だけでなく、「経営の安定」という観点でもSDGs実践は有効です。

  • ペーパーレスや省エネで経費削減
  • 健康教育活動で新規患者に認知される
  • 地域イベントで信頼度アップ
  • 社会的評価の向上でスタッフの定着率も改善

つまり「患者・地域・院」すべてにメリットがあるのです。


まとめ:今日から始める10のSDGsアクション

鍼灸院ができるSDGs実践例は次の10個です。

  1. ペーパーレス化
  2. 省エネ設備導入
  3. 節水洗濯
  4. ディスポ鍼の適正管理
  5. 健康啓発の発信
  6. 地域での健康講座
  7. 女性のライフステージ支援
  8. 訪問鍼灸
  9. 災害時の支援体制
  10. 地域イベント参加

これらはすべて小さな取り組みですが、積み重なれば大きな社会的価値を生み出します。
「未来にやさしい鍼灸院」であることは、患者から選ばれる理由にもなり、院の成長にもつながります。

さらに、こうした取り組みはスタッフの働きがいや学びの機会にもつながり、院内のモチベーションを高めます。患者にとっては「安心して通える場所」、地域にとっては「健康を支えるパートナー」としての存在感を強化できるのです。持続可能な社会づくりは、まさに鍼灸師の一歩一歩の実践から始まります。

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