日本鍼灸大学 
「ヨガをやっているけど、どんな食事をとればいい？」
「空腹でやるべき？満腹だとダメ？」
ヨガを習慣にしていく中で、食事とのバランスに疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
ヨガでは古くから、食事は心身を整えるための重要な要素とされてきました。
この記事では、初心者の方向けに「ヨガと食事の正しい関係性」をわかりやすくご紹介します。
ヨガにおける食事の考え方
ヨガでは「アハーラ（Ahara）」と呼ばれる食事の取り方も修行の一部とされています。
食事は単なる栄養摂取ではなく、身体・感情・思考に影響を与えるエネルギー源として大切に扱われています。
ヨガ前の食事｜避けるべき＆おすすめのタイミング
❌ 避けたい：満腹の状態
ヨガ中は身体を曲げたりねじったりする動作が多く、胃に食べ物が残っていると不快感や消化不良につながります。
✅ ヨガ前の食事ルール
- 食後2〜3時間はあけるのが理想
- どうしても空腹が気になる場合は、消化の良い軽食を30分前までに（例：バナナ、ナッツ、スムージー）
ヨガ後の食事｜回復を意識した選び方
ヨガ後はリラックス状態になり、消化吸収が促進されやすくなります。
このときに体にやさしい食材を取り入れることで、代謝のサポートや疲労回復につながります。
✅ ヨガ後におすすめの食材
| 食材カテゴリ | 具体例 | 効果 |
|---|---|---|
| 消化がよい炭水化物 | 玄米・雑穀ごはん・おかゆ | エネルギー補給 |
| 良質なたんぱく質 | 豆腐・納豆・白身魚 | 筋肉の修復・疲労回復 |
| 野菜・海藻類 | 温野菜・味噌汁・ひじき | ビタミン・ミネラル補給 |
| 発酵食品 | 味噌・ヨーグルト・キムチ | 腸内環境の改善 |
ヨガ的な「食べ方のマインド」も大切
ヨガでは食事の内容だけでなく、「どのように食べるか」も重視します。
ヨガ的食事習慣のポイント
- 感謝の気持ちを持っていただく
- ゆっくりとよく噛んで食べる
- テレビやスマホを見ながら食べない
- 満腹を避け、腹八分目を心がける
このような「気づきをもった食べ方（マインドフル・イーティング）」は、消化にも心にも良い影響を与えます。
ヨガ的な食材選び｜サットヴァ・ラジャス・タマスの3分類
インド伝統のヨガ哲学では、食材を以下の3つに分類します：
| 分類 | 特徴 | 食材例 |
|---|---|---|
| サットヴァ（純性） | 心身に調和をもたらす | 野菜、果物、穀物、ナッツ |
| ラジャス（激性） | 刺激が強く、落ち着きを失いやすい | 唐辛子、カフェイン、ニンニク |
| タマス（鈍性） | 活力を奪う、体に重さを残す | 油っぽい料理、加工食品、肉類（特に赤身） |
▶ ヨガ実践者には「サットヴァな食事」を中心に選ぶことがすすめられています。
食事とヨガのバランスをとるコツ
- ヨガの頻度が高い人ほど、「軽くてエネルギーのある食事」を意識
- 激しいヴィンヤサやアシュタンガ系ヨガをする場合は、たんぱく質補給を意識
- リラックス系のハタヨガや夜ヨガ後には、消化の負担をかけない軽い食事がおすすめ
Q&A｜よくある質問
Q. ヨガの前にコーヒーはOK？
A. カフェインはラジャス的要素が強く、落ち着きを妨げる可能性があるため控えめにするのが望ましいです。
Q. ベジタリアンになる必要はありますか？
A. 必須ではありません。自分の体と相談しながら、無理なく整えていくことが大切です。
Q. プロテインは飲んでもいい？
A. 運動量が多い方はOK。ただし、添加物や人工甘味料の少ない自然由来のものを選びましょう。
まとめ：ヨガの効果を引き出す食事は「軽く・調和的に」
ヨガと食事は切り離せない関係です。
「何を・いつ・どのように食べるか」を少し見直すだけで、ポーズや呼吸の効果がぐっと高まります。
まずは、「満腹でヨガをしない」「自然なものをよく噛んで食べる」といった小さな一歩から。
ヨガをより深く味わうために、心と体が喜ぶ食習慣を始めてみましょう。
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