腸内環境と睡眠の関係|“腸から眠る体”をつくる習慣とは?

はじめに|「眠れない」の原因、実は“腸”かもしれません

「寝ても疲れが取れない」「いつも眠りが浅い」——その悩み、腸の状態が関係しているかもしれません。
腸は「第二の脳」とも呼ばれ、実際に神経系やホルモン系と密接に連携しています。特に睡眠に重要な「セロトニン」の90%以上が腸内で作られており、腸内環境が悪いと自律神経や睡眠リズムにも悪影響を及ぼします。

今回は、腸と睡眠の関係をわかりやすく解説し、快眠につながる“腸活習慣”を紹介します。


腸と睡眠をつなぐキーワードは「セロトニン」

セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、ストレスの緩和・自律神経の安定・メラトニン(睡眠ホルモン)の原料として働きます。
このセロトニンが腸でしっかり作られていないと、夜になってもメラトニンが十分に分泌されず、以下のような不調が起こりやすくなります。

  • 寝つきが悪い
  • 眠りが浅い
  • 寝ても疲れが取れない
  • 朝起きた時にだるい

腸内環境が悪化する原因とは?

1. 食物繊維不足

腸内の善玉菌は食物繊維をエサにして活性化します。不足すると腸内フローラが乱れがちに。

2. 添加物・加工食品の過剰摂取

保存料や着色料などが腸内細菌に悪影響を与える可能性があります。

3. 過度なストレス

ストレスで腸の動きが悪くなり、便秘や下痢が慢性化 → セロトニン低下

4. 睡眠不足

実は“睡眠不足”も腸に悪影響を与えます。悪循環の原因になりがちです。


快眠のためにできる「腸活習慣」

✅ 発酵食品を毎日取り入れる

  • 納豆、味噌、ヨーグルト、キムチ、ぬか漬け など
  • 善玉菌を補うだけでなく、腸の働きそのものを整えてくれます。

✅ 食物繊維を意識的に摂取する

  • ごぼう、れんこん、オートミール、海藻類、バナナ、もち麦など
  • 水溶性・不溶性のバランスがポイントです。

✅ プレバイオティクスとプロバイオティクスのW摂取

  • プレバイオティクス(善玉菌のエサ):食物繊維・オリゴ糖
  • プロバイオティクス(善玉菌そのもの):乳酸菌・ビフィズス菌

✅ よく噛んで食べる

  • 消化を助け、胃腸の負担を減らし、腸内環境の安定に

✅ 決まった時間に排便・食事

  • 腸内リズムを整えることで、睡眠リズムも整います

鍼灸で腸の働きを整えるアプローチ

東洋医学では「脾(ひ)・胃(い)」の働きが腸と深く関わるとされています。
鍼灸では、次のようなツボが腸内環境改善・快眠に活用されます。

ツボ名効果
天枢(てんすう)便通改善・お腹の働きを整える
中脘(ちゅうかん)胃腸全体のバランスをとる
足三里(あしさんり)消化吸収機能を高める・疲労回復
三陰交(さんいんこう)冷え・むくみ・ホルモンバランス改善

お灸やセルフツボ押しでのセルフケアも効果的です。


まとめ|腸を整えれば、眠れる体に変わる

「最近、眠れない」「朝スッキリ起きられない」
そんな不調は、“脳より先に腸”を見直すサインかもしれません。

腸内環境を整えることで、セロトニン→メラトニンという睡眠の自然なリズムが整い、睡眠の質そのものが向上します。

腸活×快眠習慣は、鍼灸や栄養療法とも相性抜群。食事やツボケアから、無理なく“眠れる体質”を育てていきましょう。の飲み物を見直すところから始めてみてはいかがでしょうか。


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