はじめに:「気が詰まっている感じ」がしたら気滞体質かも?
✔ いつも胸がつかえたように感じる
✔ イライラしやすい・ため息が多い
✔ お腹が張る・ガスがたまりやすい
✔ ストレスを感じるとすぐに体調が崩れる
✔ PMSがつらく、月経前に怒りっぽくなる
このような症状がある方は、中医学でいう「気滞(きたい)体質」かもしれません。
気滞とは、体内を巡る「気」の流れが滞っている状態を指し、特に「肝(かん)」の不調と関係が深いとされています。
この記事では、気滞の原因・体質チェック・改善方法・おすすめの漢方・養生法をわかりやすく解説します。
1. 気滞とは?中医学における“気の巡りの停滞”
✅ 「気」は動いてこそ健康
中医学では「気」は生命活動のエネルギーであり、常に体内を巡っているべきものとされます。
しかし、ストレス・抑うつ・環境変化などによって「気」がスムーズに流れなくなると、「気滞」という不調状態が生まれます。
2. 気滞体質チェックリスト(10項目)
以下のうち5つ以上当てはまれば、気滞体質の可能性があります。
チェック項目 |
---|
胸やお腹が張る感じがある |
よくため息をつく |
イライラ・怒りっぽい |
緊張すると胃が痛くなる |
PMS(月経前症候群)が強い |
食欲にムラがある |
喉に異物感(梅核気)がある |
ガスがたまりやすく、便通が不安定 |
抑うつ感があり、感情が内にこもりやすい |
ストレスで肌や腸の調子が悪くなる |
3. 気滞の主な原因
原因 | 説明 |
---|---|
精神的ストレス・感情の抑圧 | 気の流れは「肝」が司り、感情と密接に関連 |
長時間の緊張状態 | 自律神経が乱れ、気の巡りが停滞 |
運動不足・姿勢の悪さ | 胸郭・腹部が硬直し、気の流れが遮断される |
環境の変化(季節、職場、人間関係) | 外的ストレスも気の停滞を引き起こす |
4. 気滞体質のための生活養生法
✅ 気の巡りを促す食材でストレス対策
おすすめ食材 | 効果 |
---|---|
柑橘類(みかん、グレープフルーツ) | 肝の気を巡らせ、リラックス効果も◎ |
ジャスミン茶、菊花茶 | 気分を落ち着かせ、肝の緊張を緩める |
玉ねぎ、セロリ、ピーマン | 血と気の流れをよくする働き |
山査子(さんざし) | 消化を助けながら気滞を解消 |
酢・梅干し・黒酢 | 気を流す「酸味」で肝の働きをサポート |
➡️ 食べすぎ・飲みすぎは逆効果。腹八分目&よく噛む習慣がポイントです。
✅ 気滞解消に効果的な習慣・セルフケア
- 毎朝10分の散歩で気を巡らせる
- 深呼吸(特に吐く息を意識)で自律神経を整える
- ストレッチや軽いヨガで胸・腹部をやわらげる
- アロマ(ラベンダー、ベルガモット)で緊張を緩和
- 感情をためず、言葉や紙にして外へ出す習慣を
5. 気滞タイプにおすすめの漢方と鍼灸
🌿 漢方薬(理気剤)
処方 | 対応症状 | 備考 |
---|---|---|
加味逍遙散(かみしょうようさん) | PMS、情緒不安定、イライラ | 女性に人気の代表処方 |
柴胡疎肝湯(さいこそかんとう) | 肝気うつ、胸脇部の張り | 肝の気をめぐらせ、ストレスに対応 |
香蘇散(こうそさん) | 気滞による風邪・胃腸症状 | 軽度の気滞や気分の落ち込みに |
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう) | 喉のつかえ感(梅核気) | ストレスで喉に違和感がある人向け |
🪡 鍼灸
ツボ | 効果 |
---|---|
太衝(たいしょう) | 肝の気の流れを整える代表ツボ |
合谷(ごうこく) | ストレス緩和・全身の調整に有効 |
膻中(だんちゅう) | 胸のつかえ、呼吸の深さに効果的 |
内関(ないかん) | 不安感、動悸、情緒不安定に対応 |
鍼灸では、気の流れを促進し、ストレスや感情の詰まりを和らげるツボ刺激が中心になります。
✅ まとめ:気滞体質は“流す・ほぐす・解き放つ”がキーワード
気滞体質の人は、ストレスや感情を内にため込みやすく、気の流れが滞ることで様々な不調が起こります。
大切なのは、以下の3つのアプローチ:
- 感情をためこまない(外に出す)
- 体を動かして気を巡らせる
- 肝の気をやわらげる食事や習慣を取り入れる
気持ちも体も軽やかに整える中医学の知恵で、のびのびと過ごせる自分を取り戻しましょう。
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