鍼灸院の認知を高めるには?地域で知ってもらうための集客方法と情報発信の基本

良い鍼灸院でも、知られていなければ選ばれない

「施術には自信があるのに、新規患者さんが増えない」

「患者さんからの評判は悪くないが、地域での知名度が低い」

「ホームページやSNSを作ったものの、あまり見てもらえていない」

このような悩みを抱えている鍼灸院は少なくありません。

鍼灸院にとって、施術技術や患者さんへの対応は非常に重要です。

しかし、どれだけ良い施術を提供していても、地域の人に存在を知られていなければ、来院の候補には入りません。

患者さんが鍼灸院を選ぶためには、まず、

「この地域に鍼灸院がある」
「肩こりや腰痛を相談できるらしい」
「自律神経の不調に詳しい先生がいる」
「美容鍼を受けられる」
「仕事帰りにも通える」

と知ってもらう必要があります。

このように、商品やサービスの存在を知ってもらうことを、マーケティングでは 認知 と呼びます。

認知は、鍼灸院集客の最初の入口です。

マーケティング用語解説:認知とは?

認知とは、顧客に商品、サービス、店舗、ブランドなどの存在を知ってもらうことです。

マーケティングでは、英語の「Awareness」という言葉で表されることもあります。

鍼灸院に置き換えると、

院名を知っている。
どこにあるか知っている。
どんな症状を相談できるか知っている。
どんな先生がいるか知っている。
ほかの鍼灸院と何が違うか知っている。

といった状態が認知です。

ただし、認知にはいくつかの段階があります。

名前だけ知っている認知

「あの道に鍼灸院があった気がする」

という程度の認知です。

院名や場所は何となく覚えていても、何を相談できるのかはわかっていません。

特徴まで理解している認知

「あそこは自律神経の不調に詳しい鍼灸院」
「あそこは美容鍼を受けられる」
「あそこは女性の先生が施術している」

というように、院の特徴まで理解している状態です。

必要なときに思い出してもらえる認知

肩こりや腰痛がつらくなったときに、

「そういえば近くに鍼灸院があった」

と思い出してもらえる状態です。

鍼灸院の集客では、単に名前を見てもらうだけでなく、
どんな悩みを相談できる院なのかまで覚えてもらうこと
が重要です。

認知と集客は同じではない

認知を高めることと、すぐに予約を増やすことは同じではありません。

たとえば、SNS投稿が多くの人に見られたとしても、その人たちがすぐ予約するとは限りません。

看板を見た人も、その時点では身体に不調がないかもしれません。

地域イベントで鍼灸院の存在を知った人も、今すぐ施術を受けたいとは限りません。

しかし、将来身体に不調を感じたときに、

「あの鍼灸院に相談してみよう」

と思い出してもらえる可能性があります。

認知とは、患者さんの頭の中に、将来の選択肢として自院を置いておくことです。

そのため、認知施策は、すぐに予約数だけで評価すると成果が見えにくいことがあります。

ホームページへのアクセス。
Googleマップの表示回数。
院名検索の増加。
SNS投稿の閲覧。
地域で声をかけられる回数。
紹介時に院名が出る頻度。

こうした変化も、認知が広がっているサインです。

なぜ鍼灸院に認知が必要なのか

鍼灸院に認知が必要な理由は、患者さんが不調を感じたときに、最初から鍼灸を選ぶとは限らないからです。

肩こりや腰痛が起きたとき、患者さんはさまざまな選択肢を考えます。

病院へ行く。
整骨院を探す。
整体やマッサージを受ける。
市販薬を使う。
ストレッチ動画を見る。
しばらく様子を見る。

鍼灸院は、この多くの選択肢の中の一つです。

つまり、鍼灸院は近隣の鍼灸院だけと競争しているわけではありません。

患者さんの頭の中にある、すべての対処法と比較されています。

だからこそ、日頃から、

「こういう不調は鍼灸院に相談できる」
「この地域には、このような特徴を持つ鍼灸院がある」

と知ってもらう必要があります。

認知を高めることは、単に院名を広めることではありません。

鍼灸という選択肢そのものを地域に理解してもらう活動でもあります。

鍼灸院で考えたい2種類の認知

鍼灸院の認知は、大きく2つに分けて考えることができます。

1. 鍼灸そのものの認知

まず必要なのは、鍼灸でどのような悩みを相談できるのかを知ってもらうことです。

鍼灸を受けたことがない人は、

「肩こりや腰痛だけのもの」
「高齢者が受けるもの」
「鍼が痛そう」
「美容鍼しか知らない」
「どんなときに行けばよいかわからない」

という印象を持っているかもしれません。

そこで、

睡眠や疲労感。
冷えや胃腸の不調。
産後の身体の負担。
スポーツのコンディショニング。
美容と首肩こりの関係。

など、鍼灸で相談できることをわかりやすく発信する必要があります。

2. 自院の認知

鍼灸を理解してもらったうえで、自院の特徴を知ってもらいます。

どんな患者さんに向いているか。
どんな悩みを得意としているか。
どんな先生が施術するか。
どのような方針で施術するか。
どこにあり、いつ通えるか。

「鍼灸を受けるなら、あの院に相談しよう」

と思ってもらうための認知です。

鍼灸そのものの認知と、自院の認知を両方育てることが重要です。

鍼灸院の認知を高める主な方法

鍼灸院の認知を高める方法には、オンラインとオフラインの両方があります。

一つの方法だけに頼るのではなく、地域や患者層に合わせて組み合わせることが大切です。

1. Googleマップで認知を高める

地域密着型の鍼灸院にとって、Googleマップは非常に重要な認知経路です。

患者さんは、

「近くの鍼灸院」
「京都 肩こり 鍼灸」
「自律神経 鍼灸院」
「美容鍼 近く」

などと検索します。

そのとき、Googleマップに自院が表示されれば、存在を知ってもらうきっかけになります。

Googleビジネスプロフィールで整えたい項目

正式な院名。
住所。
電話番号。
営業時間。
定休日。
予約ページ。
施術内容。
院内写真。
外観写真。
スタッフ写真。
料金に関する情報。
口コミ。
最新情報の投稿。

特に外観写真は重要です。

検索で見つけた患者さんが実際に院の前を通ったとき、

「ここが検索で見た鍼灸院だ」

と認識しやすくなるからです。

Googleマップの情報が古かったり、写真がほとんどなかったりすると、存在していても安心して選んでもらいにくくなります。

2. SEO記事で認知を高める

SEOとは、Googleなどの検索結果からホームページを見つけてもらうための取り組みです。

鍼灸院では、院名を知らない人にも見つけてもらえる記事を作ることが重要です。

たとえば、

「夕方になると肩こりが強くなる原因」
「朝起きると腰が痛いのはなぜ?」
「眠りが浅く、疲れが取れないときに考えられること」
「産後に肩や腰がつらくなりやすい理由」
「食いしばりと首肩こりの関係」

といった記事です。

患者さんは、最初から鍼灸院を検索しているとは限りません。

まず自分の症状について調べ、その記事を通じて鍼灸院の存在を知ることがあります。

SEO記事には、

症状や悩みに関する一般的な解説。
セルフケア。
医療機関を受診すべき目安。
鍼灸ではどのように考えるか。
自院で相談できる内容。

を誠実に掲載しましょう。

症状で検索した人に役立つ情報を届けることが、認知につながります。

3. SNSで認知を高める

Instagram、X、Facebook、YouTubeなどのSNSは、まだ自院を知らない人に存在を届けるために使えます。

ただし、施術メニューや予約の空き状況だけを投稿していても、認知は広がりにくいことがあります。

多くの人が関心を持ちやすい入口を作ることが必要です。

たとえば、

「梅雨時期に身体が重く感じる理由」
「デスクワークで首がつらくなりやすい姿勢」
「夜に身体の緊張が抜けにくい人へ」
「抱っこで腰を痛めにくい身体の使い方」
「鍼が初めての人からよく聞かれる質問」

といった投稿です。

症状や日常生活に関する情報を発信し、その中で自然に鍼灸院の役割を伝えます。

SNSで認知を高めるポイント

誰に向けた投稿かを明確にする。
最初の見出しで悩みを示す。
専門用語をわかりやすく翻訳する。
院内や先生の雰囲気も伝える。
地域名を適度に含める。
継続して発信する。
ホームページやGoogleマップへつなげる。

SNSの閲覧数だけではなく、プロフィール閲覧や院名検索につながっているかも確認しましょう。

4. 看板や外観で認知を高める

地域の鍼灸院にとって、看板や外観は今も重要な認知媒体です。

毎日同じ道を通る人が、何度も看板を見ることで院の存在を覚えることがあります。

しかし、

「鍼灸院」

と院名だけが書かれていても、何を相談できるのかわかりにくい場合があります。

可能であれば、

首肩こり。
腰痛。
自律神経の不調。
美容鍼。
産後ケア。
スポーツコンディショニング。

など、自院の中心的な対応領域をわかりやすく示します。

ただし、情報を詰め込みすぎると、通行中の人には読めません。

看板では、

何の施設か。
どんな悩みを相談できるか。
営業しているか。
どこから入るか。

が短時間で理解できることが大切です。

5. 口コミや紹介で認知を高める

鍼灸院では、家族や知人からの紹介が大きな認知経路になります。

患者さんから、

「首肩こりなら、あの先生に相談してみたら」
「鍼が初めてでも丁寧に説明してくれる」
「産後の腰痛を見てもらえる」

と聞いて、自院を知る人もいます。

紹介による認知は、信頼を伴っていることが大きな特徴です。

まったく知らない院の広告を見るより、信頼する人から聞いた情報の方が安心しやすいからです。

ただし、紹介を増やすために強くお願いするのではなく、紹介しやすい情報を用意することが大切です。

ホームページのURL。
Googleマップの情報。
名刺やショップカード。
症状別の記事。
わかりやすい院の説明。

患者さんが家族や知人へ説明しやすい状態を整えましょう。

6. 地域活動で認知を高める

地域密着型の鍼灸院では、オンラインだけでなく、地域との接点も重要です。

健康講座。
セルフケア教室。
商店街イベント。
地域のお祭り。
スポーツ大会。
子育て支援イベント。
介護施設や企業での講話。
近隣店舗との共同企画。

こうした活動を通じて、院へ来たことがない人にも鍼灸師の存在や専門性を知ってもらえます。

地域活動で大切なのは、その場ですぐ予約を取ることだけを目的にしないことです。

「身体について相談できる人が地域にいる」
「困ったときに思い出せる鍼灸院がある」

という関係をつくることが、長期的な認知につながります。

7. 他業種との連携で認知を高める

鍼灸院と相性のよい店舗や専門家と連携する方法もあります。

パーソナルトレーナー。
ヨガ教室。
美容室。
産後ケア施設。
薬局。
介護施設。
スポーツクラブ。
地域の企業。
飲食店やカフェ。

たとえば、産後ケアに力を入れている鍼灸院なら、助産師や子育て支援施設との接点が考えられます。

スポーツ鍼灸なら、スポーツチームやトレーナーとの連携が考えられます。

美容鍼なら、美容室や化粧品店との共同企画も考えられます。

ただし、単にチラシを置いてもらうだけではなく、お互いの顧客にどのような価値を提供できるかを考えることが重要です。

認知を高めるには「何の院か」を明確にする

認知を広げても、自院の特徴が伝わらなければ予約にはつながりにくくなります。

たとえば、

「〇〇鍼灸院という名前は知っているが、何に強いのかわからない」

という状態では、身体に不調が起きたときに思い出してもらえない可能性があります。

そこで重要になるのが、これまで解説してきたターゲット、ポジショニング、USPです。

誰に来てほしいか。
どんな悩みに対応するか。
どんな価値を提供するか。
他院と比べて何が特徴か。

これらを一貫して発信することで、

「自律神経の不調なら、あの鍼灸院」
「産後の腰痛なら、あの先生」
「スポーツのケアなら、あそこ」
「初めての鍼でも安心できる院」

という認知が形成されます。

単に多くの人へ広く見せるのではなく、
正しい印象で覚えてもらうこと
が大切です。

認知を高める発信の3つの条件

鍼灸院の認知を高める発信では、次の3つを意識しましょう。

1. 繰り返し伝える

一度投稿しただけ、一度チラシを配っただけでは、覚えてもらえないことがあります。

患者さんは日々多くの情報に触れています。

そのため、自院の得意分野や考え方を繰り返し伝える必要があります。

同じ内容をそのまま繰り返すのではなく、

記事。
短いSNS投稿。
動画。
院内掲示。
Googleマップ投稿。

など、形式を変えて届けます。

「自律神経について何度も発信すると、しつこいのではないか」

と心配する必要はありません。

患者さんがすべての投稿を見ているわけではないからです。

大切なテーマは、角度を変えながら繰り返し伝えましょう。

2. 一貫した印象をつくる

ホームページでは自律神経を打ち出しているのに、SNSは美容鍼ばかり。

Googleマップでは肩こり専門と書いているのに、看板では何の院かわからない。

このように媒体ごとに印象が違うと、認知が定着しにくくなります。

院名。
ロゴ。
写真。
文章の雰囲気。
中心となる施術分野。
患者さんに伝えたい価値。

これらに一定の一貫性を持たせることが大切です。

3. 患者さんの言葉を使う

鍼灸師が伝えたい専門用語だけでは、地域の人に理解してもらいにくいことがあります。

「肝気鬱結」
「気血の巡り」
「経絡治療」
「筋膜連鎖」
「自律神経調整」

こうした言葉を使う場合は、患者さんが感じる悩みに翻訳しましょう。

「ストレスが続くと首肩や背中がこわばりやすい」
「眠りが浅く、朝から疲れている」
「身体が冷え、胃腸の調子も乱れやすい」

患者さんが普段使う言葉で発信することで、自分との関係に気づいてもらいやすくなります。

認知施策を測定する方法

認知は目に見えにくいものですが、いくつかの数字や反応から確認できます。

Googleマップ

検索で表示された回数。
プロフィールを見られた回数。
電話や予約ページへの移動。
経路案内の利用。
写真の閲覧数。
口コミ数。

ホームページ

検索からのアクセス数。
院名検索の回数。
症状別記事の閲覧数。
初めて訪れた人の割合。
地域名を含む検索からの流入。

SNS

投稿の表示回数。
プロフィールの閲覧数。
保存数。
共有数。
ホームページへの移動。
地域の人からの反応。

実際の来院

何で自院を知ったか。
予約前に何を見たか。
以前から院の存在を知っていたか。
誰から紹介されたか。

初回来院時に、

「当院をどこで知りましたか」

と尋ねるだけでも、認知経路を把握できます。

可能であれば、

「初めて知ったきっかけ」
「予約の決め手」

を分けて聞きましょう。

Instagramで知り、Google口コミを見て予約した人もいるからです。

認知施策でよくある失敗

失敗例1:一度発信して終わる

ホームページを作った。
SNSを始めた。
チラシを一度配った。

それだけでは、地域に認知が定着しないことがあります。

認知には、継続的な接点が必要です。

失敗例2:何の院かわからない

情報発信は多いものの、対応症状や自院の特徴が伝わっていないケースです。

院の日常や食事の投稿ばかりで、何を相談できるのかわからない。
幅広い症状を並べすぎて、得意分野が見えない。

患者さんにどのように覚えてほしいのかを決めましょう。

失敗例3:フォロワー数だけを追う

SNSのフォロワーが多くても、遠方の人ばかりでは地域集客につながらないことがあります。

鍼灸院では、全国的な拡散よりも、近隣の患者さんから正しい認知を得る方が重要な場合があります。

誰に届いているかを確認しましょう。

失敗例4:広告だけに依存する

広告を止めると認知が途切れる状態では、集客が不安定になります。

広告を活用する場合でも、

SEO記事。
Googleマップ。
口コミ。
地域活動。
紹介。

など、継続的に残る認知経路も育てることが大切です。

失敗例5:予約につながる情報がない

認知は広がっていても、料金、施術内容、先生、予約方法がわからなければ、患者さんは行動に移れません。

認知施策と予約導線は、セットで考える必要があります。

今日からできる実践ポイント

まず、自院が地域の人にどのように覚えられたいかを、一文で書いてみましょう。

たとえば、

「デスクワークによる首肩こりを相談できる鍼灸院」

「眠りや疲労感など、自律神経の不調に寄り添う鍼灸院」

「産後の腰痛や身体の疲れを相談できる鍼灸院」

「スポーツを続けたい学生や社会人を支える鍼灸院」

次に、自院の主な認知経路を確認します。

Googleマップ。
検索記事。
SNS。
看板。
口コミ。
紹介。
地域イベント。

そのうえで、情報が不足している場所を一つだけ改善します。

Googleマップに外観写真を追加する。
ホームページのトップに対応する悩みを書く。
SNSプロフィールに地域名と得意分野を入れる。
患者さんによく聞かれる質問を記事にする。
初回来院時に認知経路を聞く。

大きな広告を始める前に、現在ある接点を整えることが重要です。

まとめ

認知とは、地域の患者さんに鍼灸院の存在や特徴を知ってもらうことです。

どれだけ良い施術を提供していても、知られていなければ選ばれることはありません。

ただし、認知は単に院名を広めることではありません。

どこにあるのか。
どんな悩みを相談できるのか。
どんな先生がいるのか。
他院と何が違うのか。
必要なときに思い出せるか。

ここまで伝わって、初めて集客につながる認知になります。

鍼灸院の認知を高める方法には、

Googleマップ。
SEO記事。
SNS。
看板。
口コミ。
紹介。
地域活動。
他業種との連携。

などがあります。

重要なのは、すべてを一度に始めることではありません。

自院のターゲットに合った方法を選び、一貫した内容を継続して発信することです。

マーケティングは、無理に目立つための活動ではありません。

必要としている人が、必要なときに自院を見つけ、思い出し、安心して相談できる状態をつくることです。

次回は、ロゴやデザインだけではない、患者さんの中に信頼やイメージを育てる
「ブランディング」
について解説します。


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