睡眠障害の種類と原因とは?タイプ別にみる特徴と対策法

はじめに|「眠れない」は放っておかないで

寝ようとしても眠れない、夜中に何度も目が覚める、日中も眠気が続く……。
こうした状態が慢性的に続いているなら、それは「睡眠障害」の可能性があります。

睡眠障害は単なる睡眠不足ではなく、体や心の病気と深く関わっているケースも多く、放置しておくと生活の質や健康状態に深刻な影響を及ぼすことも。

この記事では、代表的な睡眠障害の種類と原因、そして鍼灸やセルフケアを含む対策法をわかりやすく解説します。


主な睡眠障害の種類と特徴

1. 不眠症(入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害)

  • 入眠まで30分以上かかる
  • 夜中に何度も起きてしまう
  • 朝早く目が覚めてしまう
  • 寝ても疲れが取れず、眠った気がしない

原因例:ストレス、うつ、生活リズムの乱れ、自律神経の過緊張 など


2. 過眠症(ナルコレプシー、特発性過眠症 など)

  • 夜しっかり眠っているのに日中も強い眠気
  • 突然眠ってしまう(睡眠発作)

原因例:脳の覚醒機能の異常、ホルモンバランス、自律神経の不調


3. 概日リズム睡眠障害(体内時計のズレ)

  • 夜型が極端で、寝たい時間に眠れない
  • シフト勤務や時差ボケがきっかけになることも

原因例:体内時計の乱れ、メラトニン分泌異常、ライフスタイルの影響


4. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)

  • 睡眠中に何度も呼吸が止まる(いびきを伴う)
  • 熟睡できず日中に強い眠気や倦怠感

原因例:肥満、気道の閉塞、舌の沈下など構造的要因

※このタイプは医療機関での診断と治療が必須です。


睡眠障害の根本原因になりやすい要素

  • ストレス過多(交感神経優位で眠れない)
  • 運動不足(体が疲れていない)
  • スマホ・PCの見過ぎ(ブルーライトの影響)
  • 不規則な生活リズム(体内時計が乱れる)
  • カフェインやアルコールの摂取(神経興奮)

東洋医学から見た睡眠障害の捉え方

東洋医学では、「不眠は気血の乱れ」「肝・心・脾のバランスの崩れ」と考えられます。

臓腑不調時の傾向主な症状
情緒不安定・怒りっぽい寝つきが悪い、夢が多い
不安感・動悸夜中に目が覚める、動悸で目が覚める
食欲不振・疲れやすい眠りが浅い、朝だるい

睡眠障害への対策とセルフケア

✅ 鍼灸・ツボ押しで自律神経のバランスを整える

おすすめツボ:

  • 神門(しんもん):ストレス性の不眠に
  • 三陰交(さんいんこう):ホルモン・自律神経調整
  • 百会(ひゃくえ):思考過多・頭の緊張に
  • 内関(ないかん):不安感・情緒不安定に

✅ 睡眠衛生の見直し

  • 就寝・起床時間を一定にする
  • 寝室の環境(温度・照明・音)を整える
  • 寝る前のスマホ・カフェインは避ける

✅ 軽い運動やストレッチを取り入れる

  • 就寝前に5〜10分のストレッチや深呼吸で副交感神経を優位に
  • 朝に日光を浴びて体内時計をリセット

まとめ|睡眠障害は「身体と心のバランス」から見直す

眠れないことを「年のせい」「体質のせい」と諦めていませんか?
睡眠障害は、その背景に自律神経の乱れ、ストレス、生活習慣の歪みなど、修正できる原因があることがほとんどです。

東洋医学やセルフケアを上手に取り入れながら、“自然に眠れる体質”を少しずつ取り戻していきましょう。


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