中医学の脈診は、手首の脈を触れ、速さ・深さ・強さなどを伝統医学の枠組みで捉える方法です。両手首の「寸・関・尺」という位置を用いますが、脈だけで内臓の病気や妊娠の有無を診断することはできません。動悸に胸痛・息切れ・失神しそうな感じを伴うときは、救急対応を求めてください。
脈診は何をする方法ですか?
中医学では、観察する「望診」、音やにおいをみる「聞診」、症状や経過をたずねる「問診」、体に触れる「切診」を組み合わせます。脈診は切診の一部です。脈の触れ方を、訴えや生活状況など他の情報と合わせ、伝統医学でいう「証」を考える材料にします。証は中医学の分類で、現代医学の病名や検査結果と同じものではありません。
寸・関・尺はどこにありますか?
手首の親指側を走る橈骨動脈のあたりを、左右それぞれ三つの位置に分けます。手のひら側に近い「寸(すん)」、橈骨茎状突起付近の「関(かん)」、肘側に近い「尺(せき)」を、両手で計六つの位置として観察します。実際の指の置き方や伝統的な解釈には流派による違いがあります。名称と位置を知ることと、各部位から特定の臓器の病気がわかることは別です。
どんな違いを観察しますか?
拍動の速さやリズムに加え、軽く触れたときと押し込んだときの感じ、力強さなどを表現します。「浮脈」「沈脈」といった名前は、伝統的な触れ方の分類です。たとえば脈が速いから「熱証」、遅いから「寒証」と一つだけで決めることはできません。運動、緊張、薬、体調などでも脈拍は変わります。
脈診だけで病気はわかりますか?
脈診の結果だけで、心臓病、内臓疾患、妊娠などを確定することはできません。手で行う伝統的な脈診の再現性を調べたレビューでは、用語や手順を具体的に定義した研究で評価者間の一致が得られた一方、定義があいまいな場合は一致が低く、研究数や規模にも限界がありました。脈の触れ方を伝統医学の学習に生かすことと、医学的な診断に代えることは分けて考えましょう。
動悸や脈の乱れがあるときは?
動悸が繰り返す、増える、数分以上続く場合は医療機関に相談してください。動悸が続き、胸の痛み・息切れ・失神しそうな感じを伴う場合は、ためらわず救急対応を求めてください。日本では119番が救急通報先です。診察では症状や脈拍に加え、必要に応じて心電図などで原因を調べます。伝統的な脈診だけで受診を遅らせないことが重要です。
よくある質問
左右六か所は、それぞれ一つの臓器に直結しますか?
伝統的な解釈には位置ごとに臓腑を結びつける考えがあります。ただし、その対応だけで現代医学的な臓器の状態や病名を確定することはできません。
脈診と脈拍測定は同じですか?
異なります。脈拍測定は一定時間の拍動回数やリズムを確かめます。中医学の脈診は触れた感触も伝統医学の分類に当てはめます。脈に不安があるときは医療機関へ相談してください。






