呼吸法で落ち着いたことと、鍼灸で肺機能や血液中の酸素が改善したことは、分けて考える必要があります。息苦しさの原因をストレスだけと決めつけず、続く場合は医療機関に相談してください。
急に強く息が苦しい、胸が強く痛む、会話が難しいほど呼吸がつらい、意識がおかしい場合は119番へ連絡します。呼吸法や鍼灸で様子を見続けないでください。
呼吸の深さだけで、健康状態は判断できない
呼吸には横隔膜や肋間筋などが関わります。運動や緊張で呼吸が変わることはありますが、「浅く感じる=酸素が不足している」とは限りません。息苦しさには心臓や肺の病気などさまざまな原因があります。
呼吸への不安が続く場合は、どの場面でつらいか、いつからか、胸痛・咳などを伴うかを医師に伝えます。必要な評価を、呼吸の回数や自己流の深呼吸だけで置き換えないことが大切です。
鍼灸の研究では、何が評価されている?
米国NCCIHは、喘息の通常の治療に鍼灸を加えた研究で、症状や生活の質に好ましい結果があった一方、肺機能の改善は示されていないと説明しています。身体が楽になったという評価と、呼吸機能の検査結果は同じではありません。
鍼灸の作用には神経系などが関わると考えられていますが、呼吸筋の血流、脳への酸素供給、ホルモン分泌が改善すると一括して説明することはできません。病気ごとの研究を、健康な人や別の症状へそのまま当てはめないようにしましょう。
呼吸法は、無理のない休息の方法として
ゆっくりとした呼吸は、リラクゼーションの方法の一つです。背中を支えられる椅子などで楽な姿勢をとり、呼吸を妨げる衣類を緩め、苦しくない範囲で穏やかに吸い、吐きます。無理に大きく吸ったり、長く息を止めたりする必要はありません。
不安やめまいなどが増す場合は中止します。リラクゼーションはすべての人に同じように合うわけではなく、症状が長引くときは医療者に相談してください。仕事・勉強の合間の例は、呼吸法と集中力の研究・実践上の注意で紹介しています。
産後の気分の落ち込みは、早めに相談する
産後に気分の落ち込み、強い不安、休める時間があっても眠れないなどが続く・悪化する場合は、産科、かかりつけ医、精神科などへ相談してください。呼吸法で産後うつを治療できると考えて、相談を遅らせないことが大切です。
家族などに家事・育児の助けを頼み、休息の時間を確保します。自分や赤ちゃんを傷つける差し迫った危険がある場合は、一人にならず、直ちに身近な人へ伝えて救急へ連絡してください。
鍼灸を受ける前に確認したいこと
施術者には、息苦しさの経過、診断、薬、妊娠・出産後の状態などを伝えます。肩や胸などへの鍼には気胸のリスクもあるため、施術内容と不利益の説明を受けましょう。施術後に胸痛や息苦しさが出た場合は速やかに受診し、強い症状なら119番へ連絡します。
鍼灸は必要な診療の代わりにせず、医師の治療を自己判断で中止しません。運動中の息切れについては、ランニング・筋トレの呼吸と安全上の注意も参考になります。






