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鍼灸小話
『難経』入門|鍼灸師が知るべき六十九難・七十五難・補瀉・五行を臨床につなげる学び方
1. 難経とは何か? 『難経』は黄帝内経を補完し、気・血・脈・五臓・経絡の仕組みを整理した古典です。学生にとっては、治療の組み立て方を身につけるための“思考の教科書”。臨床実習では、この理解があるかどうかで経穴選択の根拠 […] -
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澤田健 太極療法を確立した鍼灸名人─経絡と内臓を結ぶ独自の鍼灸哲学
1. 生涯と鍼灸への道 澤田健は、昭和初期の鍼灸界で“名人”と称された実力派で、古典医学の知識と卓越した臨床観察を組み合わせた治療家として知られています。自身の著作は少ないものの、弟子である 代田文誌 がその臨床を丁寧に […] -
鍼灸小話
井上恵理 “浅鍼・短時間”を貫いた経絡治療の旗手―生涯・理念・業績
1. 幼少期から鍼灸師を志すまで 井上恵理は1903年11月5日、栃木県那須郡に生まれました。青年期から鉄道員として働き、機関車の転落事故を経て脊椎カリエスと全身結核を発症、約2年間の入院生活を送った経験があります。 こ […] -
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福島弘道 盲目の鍼灸師が切り開いた経絡治療の道 — その人生と理念
1. 幼少期から鍼灸師を志すまで 福島弘道は1910年、長野県に生まれた。幼少期はごく普通の家庭で育ち、当時の農村社会に特有の生活環境の中で成長した。後に彼の人生を大きく変えることになる視力の喪失は、この時点では想像もつ […] -
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本間祥白 日本経絡治療の礎を築いた鍼灸師― その生涯と功績
1. 生い立ちと鍼灸師としての歩み 本間祥白(ほんま・しょうはく/1904年-1962年)は、日本の鍼灸医学において「経絡治療」を臨床・教育に普及させた重要人物です。鍼灸の伝統的理論を現代の臨床に応用することで、多くの後 […] -
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鍼灸師のための内臓解剖学㉕:心脾腎の統合 ― 精神・消化・代謝を同時に整える臨床的アプローチ
はじめに 東洋医学では、心・脾・腎の三臓は「精神・消化・生命力」を支える三本柱とされています。心は血脈を巡らせ神を蔵し、脾は気血を生じ運化を司り、腎は精を蓄えて生命の根を支える。この三者の調和によって、私たちは安定した情 […] -
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鍼灸師のための内臓解剖学㉔:心肝腎の連携 ― 精神・循環・生命力を統合する東洋医学的アプローチ
はじめに 心・肝・腎は東洋医学の五臓の中でも「生命の根本」を担う三臓です。心は血を主り神を蔵し、肝は気を疏泄し血を貯え、腎は精を蔵して命の基礎を支えます。これらが相互に連携し、精神・循環・生殖・代謝を統合的にコントロール […] -
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鍼灸師のための内臓解剖学㉓:腎脾肺の連携 ― 代謝と免疫を高める鍼灸的統合アプローチ
はじめに 東洋医学では、腎・脾・肺の三臓は「生命の根・栄養の源・防衛の要」として密接に連携しています。腎は生命エネルギー(精)を蓄え、脾は飲食物から気血を生成し、肺はその気を全身に行き渡らせる。この三者の協調によって、代 […] -
鍼灸小話
鍼灸師のための内臓解剖学㉒:肝脾肺の三臓連携 ― 消化・呼吸・感情を統合する鍼灸の理論
はじめに 東洋医学では、五臓が互いに助け合い、抑制し合いながら全身のバランスを保つとされています。中でも「肝・脾・肺」の三臓は、ストレス・消化・呼吸という現代人の不調に深く関わる中核的な連携系です。 肝は「気を疏泄し、情 […] -
鍼灸小話
鍼灸師のための内臓解剖学㉑:心肺の調整② ― 呼吸と感情を結ぶ自律神経系の理解
はじめに 心と肺は「気」と「血」を動かす臓腑であり、同時に感情と自律神経のリズムを司る中心的な臓器でもあります。東洋医学では、心は「神を蔵し血を主る」、肺は「気を主り呼吸を司る」とされ、その連携は「情動と呼吸の調和」を生 […]
