はり師・きゅう師は、ケアマネジャー(介護支援専門員)の実務研修受講試験で対象となる法定資格に含まれます。ただし、免許を持っているだけでは受験できません。資格に基づく対象業務の実務経験が、通算5年以上、かつ実際に従事した日数900日以上あることが基本です。期間・日数に加え、業務内容と証明書の審査があります。
この記事では2026年9月22日に確認した令和8年度の試験案内などの公式資料をもとに、鍼灸師が迷いやすい実務経験の整理方法を説明します。提出様式や細かな運用は都道府県で異なるため、申込時は受験する年度・地域の要項で確認してください。
鍼灸師が確認したい受験資格の三つの条件
福岡県の令和8年度試験案内では、はり師・きゅう師の資格に基づく業務を対象に含め、5年以上と900日以上の両方を要件としています。また、要援護者への直接的な対人援助が、本来の業務として明確に位置づけられている必要があります。
- 資格:受験に用いるはり師・きゅう師免許の登録年月日を確認する。
- 業務:その資格に基づく対象業務を、いつ、どの勤務先・施術所で行ったか整理する。
- 経験:対象業務に従事した期間と実日数を分けて集計し、証明できるか確認する。
「介護施設で働いたことがないから必ず対象外」とも、「鍼灸院に在籍していればすべて対象」とも判断できません。資格名や職場名だけでなく、具体的な仕事の内容を受験先の実施機関に伝えて確認します。
「5年以上」と「900日以上」は別々に確認する
5年は対象業務の従事期間、900日は対象業務を実際に行った従事日数です。免許取得からの経過年数や、勤務先の在籍年数をそのまま書くのではありません。京都府の令和8年度受験資格資料も、両方の要件と、資格の登録日以降を起点とする扱いを示しています。
- 対象期間6年・実日数850日の例:日数が不足します。
- 対象期間4年・実日数950日の例:期間が不足します。
- 対象期間5年・実日数900日の例:期間・日数の基準には達しますが、業務内容や証明書などを含む審査が必要です。
これらは二つの基準を説明するための仮の例です。実際の起算日、休業期間、見込みの算入期限は受験案内で確かめてください。短い期間に多く働いても、日数だけで5年という条件を置き換えることはできません。
登録日・転職・複数資格で間違えやすい点
北海道介護支援専門員協会の令和8年度受験要件は、法定資格に基づく経験を免許登録日以降としています。国家試験の合格日と登録日を混同しないよう、免許証で確認しましょう。
同資料では、複数の勤務先の経験を合算する場合は勤務先ごとの証明書が必要で、重なる期間は除いて計算します。はり師ときゅう師の二つの免許があっても、同じ期間を二重に数えて経験を増やすことはできません。
教育・研究・事務・営業販売など、資格を持っていても対象業務として算入できない仕事があります。勤務中に担当が変わった場合は、職名だけでまとめず、施術に従事した期間と事務等の期間を分けて確認してください。
非常勤・掛け持ち・個人開業の場合はどうする?
愛媛県社会福祉協議会の令和8年度Q&Aでは、対象業務なら短時間勤務でも1日として扱い、同じ日に複数事業所で働いた場合は合計1日と説明しています。非常勤という雇用形態だけで受験の可否は決まりません。
同Q&Aは、個人で鍼灸院を営み申込者と証明者が同一の場合、本人が発行する実務経験証明書に加え、開設地・開設年月日が分かる届出書などの写しを求めています。これは愛媛県の案内です。必要書類の種類、自己証明の方法は、自分の受験先へ確認してください。
開業届だけで実際の業務日数まで証明できると考えず、営業日と対象業務に従事した日を区別できる記録を整理しましょう。提出を求められていない患者情報を、確認のためだけに送付することは避け、必要な資料の範囲を先に問い合わせます。
実務経験証明書を依頼する前の準備メモ
次の項目を一枚にまとめると、勤務先や試験実施機関への確認が進めやすくなります。これは整理用のメモであり、公式の証明書の代わりではありません。
- 受験を希望する年度と都道府県、申込期限
- 使用する免許の種類と登録年月日
- 勤務先・施術所ごとの開始日、終了日、休業や担当変更の有無
- 対象業務の具体的な内容と、実際に従事した日数の根拠
- 勤務先の証明担当者、開業者の場合の証明方法
- 掛け持ちによる期間・日数の重複、未確定の経験の有無
問い合わせでは「鍼灸師として5年働きました」だけでなく、「登録日、実際の仕事内容、対象期間、日数、証明できる資料」を伝えると、確認したい論点が明確になります。受験資格の最終判断は試験実施機関が行います。
試験に合格したら、すぐケアマネとして働ける?
試験合格と、介護支援専門員として業務に就ける状態は別です。大阪府の資格登録・研修の対応図では、試験合格後に実務研修を修了し、登録と介護支援専門員証の交付へ進む流れが示されています。専門員証の交付案内も、証の交付なしでは業務に就けないと説明しています。
勉強時間だけでなく、合格後の研修日程、費用、実習と勤務の調整も検討しておきましょう。資格を増やす前に、どの仕事を担いたいかを整理することも大切です。学び方を比較したい方は鍼灸師のスキルアップと研修・認定の違い、連携の基本は他職種連携と多職種連携の違いも参照してください。
よくある質問
鍼灸師免許があればケアマネ試験を受けられますか?
免許だけでは足りません。対象となる資格に基づく業務の内容、期間、実日数、証明書などを確認します。基本となる経験は5年以上かつ900日以上です。
国家試験合格前の学生アルバイトは算入できますか?
はり師・きゅう師の資格に基づく経験としては、免許登録日前の期間を含められません。他の対象資格・業務による経験がある場合は、その条件を別に確認してください。
自分の鍼灸院を開業していても受験できますか?
個人開業者向けの証明方法を設けている実施機関があります。開業だけで資格が確定するのではなく、対象業務と期間・日数を満たし、受験先が指定する証明書類を用意する必要があります。
はり師ときゅう師を両方持つと経験を2倍にできますか?
できません。同じ期間の重複計上はできず、掛け持ち勤務でも同じ日を複数日として数えません。
参考情報
- 福岡県:令和8年度介護支援専門員実務研修受講試験
- 京都府:令和8年度の受験資格について(PDF)
- 北海道介護支援専門員協会:令和8年度受験要件(PDF)
- 愛媛県社会福祉協議会:令和8年度受験Q&A
- 大阪府:資格登録・専門員証・研修の対応関係(PDF)
- 大阪府:登録済みの方の介護支援専門員証の交付申請
情報確認日:2026年9月22日。将来の年度の要件や受付期間は、各実施機関の最新案内を確認してください。






