咽喉頭炎・扁桃炎を鍼灸で改善|炎症や痛みを和らげるツボとセルフケア法

1. 咽喉頭炎・扁桃炎に対する鍼灸治療の概要

咽喉頭炎扁桃炎は、喉や扁桃腺に炎症が生じることで、喉の痛み、腫れ、発熱、声のかすれなどの症状が引き起こされる状態です。主な原因は、細菌やウイルス感染、あるいはアレルギー反応などであり、免疫力が低下していると発症しやすくなります。これらの症状は、食事や会話に支障をきたし、日常生活に大きな影響を与えることがあります。

鍼灸治療は、咽喉頭炎や扁桃炎の炎症を和らげ、免疫力を高める補完療法として効果的です。鍼やお灸を使って特定のツボを刺激することで、喉周辺の血流を促進し、炎症の緩和や痛みの軽減が期待されます。


2. 鍼灸が咽喉頭炎・扁桃炎に効果的な理由

これらの炎症性の症状は、喉や扁桃腺に血行不良や免疫機能の低下が関わっているため、鍼灸治療は以下のメカニズムを通じて効果を発揮します。

  • 血行促進による炎症の軽減
    鍼灸は、喉周辺の血流を改善し、炎症の原因となる細菌やウイルスに対する免疫機能を高めます。血行が良くなることで、喉の腫れや痛みが和らぎます。
  • 免疫力の強化
    免疫力が低下していると、咽喉頭炎や扁桃炎が発症しやすくなります。鍼灸は、全身の免疫機能を活性化し、体の自然治癒力を高める効果があります。
  • 痛みの緩和
    特定のツボを刺激することで、体内の鎮痛物質(エンドルフィン)が分泌され、喉の痛みが軽減されます。これにより、痛みが原因で起こる不快感が緩和され、日常生活が楽になります。
  • 自律神経のバランス調整
    鍼灸は自律神経を整えることで、体全体の調子を整えます。これにより、ストレスや疲労が原因で悪化する喉の炎症にも効果を発揮します。

3. 咽喉頭炎・扁桃炎に効く主要なツボ

咽喉頭炎や扁桃炎に対する鍼灸治療では、喉や扁桃腺の炎症を和らげ、血流を改善するために特定のツボを刺激します。以下に、これらの症状に効果的な主要なツボを紹介します。

  • 天突(てんとつ)
    喉の中央、鎖骨の上にあるツボで、喉の痛みや腫れに効果的です。咳や声のかすれにも効き、喉の通りを良くします。
  • 廉泉(れんせん)
    喉の下に位置するツボで、喉の炎症を抑え、声のかすれや喉の不快感を和らげます。咽喉頭炎の痛みにも有効です。
  • 合谷(ごうこく)
    手の親指と人差し指の間にあるツボで、全身の気の流れを整え、喉の炎症を緩和します。痛みや腫れを軽減する効果があり、免疫力向上にも寄与します。
  • 大椎(だいつい)
    首の後ろにあるツボで、風邪や喉の痛みに効き、発熱や炎症を抑えます。特に、風邪や感染症が原因で喉に痛みが出る場合に効果的です。

4. 鍼灸と生活習慣の改善で相乗効果を得る

鍼灸治療に加え、日常生活での習慣改善を行うことで、咽喉頭炎や扁桃炎の症状緩和がさらに効果的になります。以下の改善策を取り入れて、鍼灸治療との相乗効果を狙いましょう。

  • 水分を十分に摂取する
    喉を潤すために、こまめに水分を摂取することが大切です。水やハーブティー、温かい飲み物を飲むことで、喉の乾燥を防ぎ、症状の緩和につながります。
  • 加湿器を使用する
    部屋の乾燥は喉の炎症を悪化させるため、加湿器を使って湿度を50〜60%に保ちましょう。適度な湿度がある環境は、喉の保護に役立ちます。
  • 塩水でのうがい
    塩水でうがいをすることで、喉の炎症を抑え、細菌やウイルスを除去する効果があります。特に外出後や食事後にうがいをする習慣をつけることで、喉の健康を維持しやすくなります。
  • 温かい食事を心がける
    喉に優しい温かいスープやお粥などを摂取し、刺激の少ない食事を心がけましょう。冷たいものや辛い食べ物は喉に刺激を与えるため、控えることが大切です。
  • ストレス管理を徹底する
    ストレスは免疫力を低下させ、咽喉頭炎や扁桃炎のリスクを高めます。瞑想やヨガ、深呼吸などのリラックス法を取り入れ、心身のバランスを整えましょう。

5. 自宅でできるセルフケア

鍼灸治療に加え、自宅でも以下のセルフケアを行うことで、咽喉頭炎や扁桃炎の症状をさらに効果的に管理できます。

  • ツボ押し
    「天突」や「廉泉」のツボを指で軽く押し、5秒ほどキープしてからゆっくり離す動作を繰り返します。これにより、喉の痛みや腫れが緩和され、呼吸がしやすくなります。
  • 蒸しタオルで温める
    喉や首周りを蒸しタオルで温めることで、血流が良くなり、炎症が和らぎます。特に、寝る前に温めることでリラックス効果も得られ、寝つきが良くなります。
  • 蜂蜜と生姜の飲み物
    蜂蜜と生姜を入れた温かい飲み物は、喉の痛みを和らげ、免疫力を高める効果があります。蜂蜜の抗炎症作用と生姜の温熱効果が、喉の症状に効果的です。
  • 適度な休息を取る
    十分な休息と睡眠を確保することで、体の回復力が高まり、免疫力が強化されます。特に、喉が痛むときは、無理をせずしっかりと体を休めることが大切です。

まとめ

咽喉頭炎や扁桃炎は、喉の炎症や免疫力の低下が原因で発症する症状ですが、鍼灸治療を通じてこれらの症状を自然に緩和することが期待されます。鍼灸は、血流を改善し、炎症を抑えることで、喉の症状を和らげます。また、生活習慣の改善やセルフケアを取り入れることで、鍼灸治療の効果がさらに高まり、症状の再発予防にも役立ちます。症状が長引く場合や、強い痛みが続く場合は、医師や鍼灸師に相談し、適切な治療を進めることが重要です。

開業鍼灸師のためのお役立ちメディア「カルテラス」へのリンク
鍼灸柔整キャリアラボへのリンク
鍼灸関連学会・セミナー・イベント
鍼灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師を目指す全国養成校 大学・専門学校一覧のバナーリンク

この記事を書いた人

アバター

日本鍼灸大学

日本鍼灸大学は「世間と鍼灸を学問する」をコンセプトに有志の鍼灸師とセイリン株式会社が立ち上げたWebとYouTubeチャンネルです。普段、世間話と鍼灸学のお話しを井戸端会議的に気軽に楽しめる内容に仕立て日本鍼灸の奥深さを鍼灸学生に向けて提供します。
※当サイトは学校教育法に則った大学施設ではありません。文部科学省の指導の元、名称を使用しています。

2023年より鍼灸柔整キャリアラボを試験的にスタート!鍼灸柔整キャリアラボは『詳細はこちら』ボタンからアクセス。