お灸とは?東洋医学における「温める治療」
お灸は、鍼・漢方と並ぶ東洋医学の代表的な治療法です。
ヨモギの葉から作られた「もぐさ」を燃やし、その温熱刺激をツボ(経穴)に与えることで、
体のバランスを整えるとされています。
お灸は中国で誕生し、奈良時代に日本へ伝わりました。
現代では「セルフケア」や「温活(おんかつ)」としても注目されており、
冷え性・肩こり・生理痛・不眠など、幅広い不調に利用されています。
お灸の主な効果とメリット
🔥 1. 血行促進
お灸の温熱刺激により毛細血管が拡張し、血液循環が改善します。
冷えによる不調や肩こり、腰痛の緩和に効果的です。
🌿 2. 自律神経を整える
お灸は副交感神経を刺激し、緊張やストレスを和らげます。
リラックス効果が高く、睡眠の質改善にもつながります。
💪 3. 免疫力の向上
ツボ刺激によって体内の代謝や免疫機能が活性化し、
風邪をひきにくい体づくりや、疲労回復にも役立ちます。
❤️ 4. 痛みの軽減
腰痛・肩こり・生理痛などの慢性的な痛みを和らげる働きがあります。
筋肉の緊張をほぐし、自然治癒力を高めるサポートとなります。
お灸の科学的根拠と専門家の見解
お灸は古くから「経験的医療」として行われてきましたが、
近年は科学的な研究でもその効果が裏付けられています。
🔸 研究例
- お灸による皮膚温上昇と血流改善が、慢性痛や冷えの緩和に有効(日本温熱学会誌)
- お灸刺激が自律神経活動を整え、リラックス効果をもたらす(生理学研究論文より)
💡 鍼灸師コメント
「お灸は“温めながら整える”治療。痛みやコリだけでなく、心身のバランスを取り戻す効果があります。」
お灸の種類と選び方
お灸には複数のタイプがあり、目的や体質に合わせて選ぶことが大切です。
① もぐさ(直接灸)
最も伝統的なタイプ。ヨモギの葉を乾燥させたもぐさを直接皮膚に乗せて燃やします。
🔥 熱さがしっかり伝わり、即効性がありますが、火傷のリスクもあるため上級者向け。
② 無煙灸(炭灸)
炭素材を使ったお灸で、煙やにおいが少なく初心者にも扱いやすい。
🔥 燃焼温度が安定していて、じんわりと深部を温めます。
③ 台座灸
もぐさを台紙の上に固定したタイプ。皮膚との距離があるため安全で初心者向け。
🔥 市販の「セイリン ヨモニコ~yomonico~」などが人気。
④ 電子温灸器
電気の力で温めるお灸。火を使わないため安全性が高く、外出先でも使用可能です。
お灸のやり方(基本ステップ)
Step 1:ツボの位置を確認
まずは刺激したいツボを正確に把握します。
代表的なツボとして以下があります👇
- 三陰交(さんいんこう):足の内くるぶしの上、指4本分上のくぼみ。冷え・生理痛に。
- 気海(きかい):おへそから指2本分下。腹部の冷えに。
- 合谷(ごうこく):手の甲、親指と人差し指の骨の間。肩こり・ストレスに。
- 足三里(あしさんり):膝下の外側、指4本分下。胃腸の不調・疲労回復に。
Step 2:お灸を設置して点火
台座灸や無煙灸をツボの上に置き、ライターや線香で火をつけます。
🔥 「熱い」と感じたらすぐに外しましょう。心地よい温かさがベストです。
Step 3:燃焼時間
5〜10分程度を目安に。無煙灸や電子温灸器の場合は、製品の取扱説明書に従いましょう。
Step 4:使用後のケア
使用後は皮膚を清潔に保ち、軽く保湿をするとよいでしょう。
赤みやかゆみが続く場合は中止してください。
安全にお灸を行うための注意点
- 火傷に注意:直接肌に強い熱を与えない。皮膚が弱い方はタオルを挟む。
- 換気を忘れずに:もぐさ灸の場合、煙が出るので部屋を換気しましょう。
- 体調の悪いときは控える:発熱や強い疲労時には行わないようにします。
- 妊娠中は専門家に相談:ツボによっては禁忌の場所もあります。
効果を高めるためのコツ
- 🌙 夜のリラックスタイムに行う:副交感神経が優位になり、効果が高まりやすい。
- 🫖 体を冷やさない食事を心がける:温かいスープ・生姜・根菜類が◎。
- 🚶 軽いストレッチや入浴を併用:血行を促進して相乗効果を得られます。
お灸で改善された症例(体験談)
- 腰痛の緩和:「週に2回のお灸で慢性的な腰痛が軽くなった。」
- 生理痛の軽減:「三陰交に台座灸を続けたら、月経時の痛みが和らいだ。」
- 冷え性改善:「足先の冷えがなくなり、夜もぐっすり眠れるようになった。」
お灸のまとめ
お灸は、古来より続く「温めて整える自然療法」です。
定期的に行うことで、血流促進・免疫力アップ・リラックス効果など、さまざまなメリットが得られます。
初心者の方は、安全で扱いやすい台座灸や電子温灸から始めるのがおすすめです。
ツボを温めながら、心身のバランスを整えていきましょう。
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