ストレスと睡眠の関係|自律神経を整えるセルフケア

1. ストレスと睡眠の密接な関係とは?

現代社会では、多くの人が仕事や人間関係などからストレスを感じています。このストレスは、眠れなくなる原因の一つです。強いストレスを受けると、体内では交感神経が活発になり、脳や体が「興奮状態」になるため、リラックスできずに眠りにつきにくくなります。

交感神経は、ストレス時に働き、心拍数や血圧を上昇させる役割があります。一方、副交感神経は、リラックス時に働き、体を休ませる役割を果たします。ストレスが多いと、交感神経が優位な状態が続き、副交感神経が働きにくくなるため、睡眠の質が低下してしまいます。


2. ストレスによる睡眠障害の症状

ストレスが原因で引き起こされる睡眠障害には、以下のような症状があります。

① 入眠障害(寝つきが悪い)

布団に入ってもなかなか眠れず、1〜2時間以上かかることがあります。頭の中で考え事が止まらず、眠りに入るまで時間がかかるのが特徴です。

② 中途覚醒(夜中に何度も目が覚める)

夜中に何度も目が覚めてしまい、再び眠りに戻ることが難しい状態です。ストレスによって眠りが浅くなると、中途覚醒が頻発します。

③ 早朝覚醒(早すぎる時間に目が覚める)

通常よりも早い時間に目が覚めてしまい、その後眠れなくなる症状です。

④ 睡眠の質の低下(疲れが取れない)

十分な睡眠時間を確保しても、眠りが浅く、翌朝疲れが残ることがあります。

これらの症状が続くと、日中の集中力やパフォーマンスが低下し、さらにストレスが増える悪循環に陥ることがあります。


3. ストレスを緩和するための生活習慣改善

ストレスによる睡眠トラブルを解消するためには、日常生活での習慣を見直すことが重要です。


① リラックスできる環境を整える

就寝前には、心を落ち着かせるための環境づくりをしましょう。

  • 部屋の照明を暗くする
  • スマホやパソコンの使用を控える
  • リラックス効果のある音楽を聴く

② 規則正しい生活を心がける

起床時間と就寝時間を毎日一定にすることで、自律神経が整いやすくなります。不規則な生活リズムは、体内時計を乱し、睡眠の質を低下させます。


③ 適度な運動を取り入れる

ウォーキングやヨガなど、軽い運動は自律神経を整える効果があります。特に日中に太陽光を浴びながら運動すると、夜にメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が促進されます。


4. 自律神経を整えるセルフケア法

睡眠改善には、自律神経を整えるセルフケアが効果的です。ここでは、実践しやすい方法をいくつか紹介します。


① 深呼吸法(腹式呼吸)

深い呼吸は、副交感神経を活性化し、リラックスを促します。

やり方

  1. 鼻からゆっくり息を吸い込み、お腹を膨らませます。
  2. 口からゆっくり息を吐き、お腹をへこませます。
  3. これを5〜10回繰り返します。

② 瞑想やマインドフルネス

瞑想は、心を静め、ストレスを軽減する効果があります。就寝前に5〜10分間、呼吸に集中するだけでも効果があります。


③ ツボ押し(自律神経を整えるツボ)

特定のツボを刺激することで、心身がリラックスしやすくなります。

代表的なツボ

  • 百会(ひゃくえ):頭頂部に位置し、ストレス緩和に効果的
  • 内関(ないかん):手首の内側にあり、不安感や緊張を和らげます
  • 足三里(あしさんり):膝下にあり、消化機能を整える効果があります

これらのツボをゆっくり押しながら、深呼吸を取り入れるとよりリラックス効果が高まります。


5. ストレスを軽減する食事法

ストレスを感じると、体内でビタミンB群やマグネシウムが消耗されやすくなります。栄養バランスの取れた食事は、睡眠改善にもつながります。

① ビタミンB群

神経の働きを正常化し、ストレスを和らげる効果があります。

含まれる食品:豚肉、玄米、納豆

② マグネシウム

筋肉の緊張を和らげ、自律神経を整えます。

含まれる食品:海藻類、ナッツ、ほうれん草

③ トリプトファン

睡眠ホルモンであるメラトニンの材料となります。

含まれる食品:バナナ、ヨーグルト、鶏ささみ


6. 鍼灸によるストレスケア

鍼灸は、体内の気の流れを整え、自律神経を正常化する効果があります。

効果が期待できる症状

  • 不眠症
  • ストレス性の頭痛
  • 肩こりや首こり

リラックス効果の高いツボに鍼や灸を施すことで、眠りが深くなりやすくなります。


まとめ|ストレスと睡眠を改善するために

ストレスが睡眠に与える影響は大きく、放置すると不眠症状が悪化することがあります。規則正しい生活習慣やリラックスするためのセルフケア、栄養バランスの良い食事を取り入れることで、眠りの質を向上させることができます。

また、深呼吸や瞑想、鍼灸治療なども効果的な方法です。ぜひこれらの方法を実践して、快眠とストレスの軽減を目指しましょう。


睡眠の関連はコチラ
👉睡眠の質を高める完全ガイド|鍼灸とセルフケアで快眠生活を実現する方法

開業鍼灸師のためのお役立ちメディア「カルテラス」へのリンク
鍼灸柔整キャリアラボへのリンク
鍼灸関連学会・セミナー・イベント
鍼灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師を目指す全国養成校 大学・専門学校一覧のバナーリンク

この記事を書いた人

アバター

日本鍼灸大学

日本鍼灸大学は「世間と鍼灸を学問する」をコンセプトに有志の鍼灸師とセイリン株式会社が立ち上げたWebとYouTubeチャンネルです。普段、世間話と鍼灸学のお話しを井戸端会議的に気軽に楽しめる内容に仕立て日本鍼灸の奥深さを鍼灸学生に向けて提供します。
※当サイトは学校教育法に則った大学施設ではありません。文部科学省の指導の元、名称を使用しています。

2023年より鍼灸柔整キャリアラボを試験的にスタート!鍼灸柔整キャリアラボは『詳細はこちら』ボタンからアクセス。