はじめに|鍼灸師として“卒後”に学び続ける場
鍼灸師の資格を取得したあと、「もっと学びたい」「臨床に自信をつけたい」と感じたことはありませんか?
そんなときに心強いのが、公益社団法人 全日本鍼灸学会です。東洋医学・西洋医学を問わず、臨床と研究を横断するこの学会は、卒後の学びの“ハブ”として多くの鍼灸師・医療従事者に選ばれています。
本記事では、全日本鍼灸学会の概要・歴史・活動内容・大会情報などを分かりやすく解説します。
全日本鍼灸学会とは?その成り立ちと特徴
現在、日本における鍼灸分野で最大規模の学術団体が「公益社団法人 全日本鍼灸学会(Japanese Society of Acupuncture and Moxibustion)」です。
この学会は、以下の2団体の合併によって1980年に設立されました:
- 日本鍼灸医学会(1948年に「日本鍼灸学会」として創設、1975年に改名)
- 日本鍼灸治療学会(1951年創設)
両者の融合によって、「社団法人 全日本鍼灸学会」が誕生し、さらに2013年には公益社団法人として正式に認可されました。
東洋医学 × 西洋医学の融合がコンセプト
全日本鍼灸学会の特徴は、古典的な東洋医学から現代医学(西洋医学)に基づく科学的アプローチまで、多様な見解が共存している点にあります。
- 東洋医学(経絡・五臓六腑・気血津液など)を重視する伝統的な鍼灸師
- 西洋医学(解剖学・生理学・疼痛科学など)をベースに臨床にあたる医療職
こうした異なる立場の研究者・臨床家が同じ学会に所属し、相互に意見を交わす場となっています。
年1回の全国大会と地方大会|学びの場が豊富
全日本鍼灸学会では、毎年1回の全国学術大会が開催されます。大会では以下のようなコンテンツが用意され、多くの会員が参加します:
- 基調講演・特別講演(第一線の研究者・臨床家による発表)
- 一般演題・症例報告・学生セッション
- 企業展示・書籍販売などのブース
また、**各地方ブロックごとの「地方大会」**も定期的に開催されており、地域に根ざした学びの場も充実しています。
入会メリット|卒後教育としての魅力
✅ 学術的な最新情報が得られる
✅ 臨床と研究の橋渡しができる
✅ 学会誌(英文・和文)の購読
✅ 全国・地方大会での発表チャンス
✅ 他の鍼灸師・医療者とのネットワーク形成
「卒後の学びを深めたい」「自分の臨床を言語化したい」「エビデンスに基づく鍼灸を探求したい」――そうした志を持つ方にとって、全日本鍼灸学会は非常に有用なコミュニティです。
まとめ|鍼灸師の成長を支える“学びの土壌”
全日本鍼灸学会は、日本最大の鍼灸系学会として、東洋医学と西洋医学の融合をテーマに掲げ、教育・研究・臨床の三位一体の活動を続けています。
「卒後の学びの場がほしい」「研究を始めたい」「他の鍼灸師とつながりたい」という方は、ぜひ入会を検討してみてください。
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