COPD(慢性閉塞性肺疾患)で息苦しさや咳があるとき、鍼灸を試したいと考える人もいるでしょう。
鍼灸がCOPDを治す、呼吸機能を改善すると断定することはできません。COPDでは、禁煙、吸入薬、呼吸リハビリテーション、ワクチンなど、医療機関で状態に応じて行う治療が重要です。鍼灸を検討する場合も、標準治療を中断しないでください。
COPDとは?
COPDは、主にたばこの煙などが原因となり、気流が制限されて息苦しさ、慢性的な咳、たんなどが起こる病気です。症状の程度や必要な治療は人によって異なります。
「年齢のせい」「運動不足だから」と考えて息苦しさを放置せず、症状が続く場合は呼吸器内科などで相談しましょう。
COPDに鍼灸は有効ですか?
COPDに対する鍼灸の研究はありますが、施術方法や対象者、比較方法が異なり、鍼灸でCOPDを治療できると断定できる十分な根拠はありません。
鍼灸を受けた後に体の緊張や痛みが変化する人がいる場合もありますが、吸入薬や呼吸リハビリテーションの代わりにはなりません。処方された薬を自己判断で中止・減量しないでください。
すぐに受診したい症状
次のような症状がある場合は、鍼灸の予約よりも先に医療機関へ連絡してください。
- 普段より明らかに息苦しさが強い
- 会話や歩行が難しいほど息苦しい
- 唇や指先が青紫色に見える
- 胸の痛み、意識がぼんやりする、強い眠気がある
- 発熱、たんの量や色の変化、咳の悪化がある
- 吸入薬を使っても症状が落ち着かない
呼吸が苦しくて話せない、意識がはっきりしない、強い胸痛がある場合は、119番や救急医療機関への連絡を優先してください。
鍼灸を受ける前に伝えたいこと
COPDがある人が鍼灸を受ける場合は、施術前に次の内容を伝えましょう。
- 診断名と、普段の息苦しさの程度
- 吸入薬、内服薬、在宅酸素などの治療内容
- 最近の咳、たん、発熱、息苦しさの変化
- 通院先と主治医から受けている指示
- 持病、服用している薬、出血しやすさの有無
体調が悪い日や呼吸器症状が悪化しているときは、施術を無理に受けず、主治医へ相談してください。
日常で大切なこと
COPDの治療や生活上の注意は、症状や検査結果によって異なります。主治医の指示に従い、次のような点を確認しましょう。
- 禁煙について医療機関へ相談する
- 吸入薬を正しい方法で使えているか確認する
- 息苦しさやたんの変化を記録する
- 無理のない範囲で体を動かす方法を医療者に相談する
- 予防接種や感染対策について主治医に確認する
よくある質問
COPDの薬をやめて鍼灸だけにしてもよいですか?
薬をやめて鍼灸だけにすることはおすすめできません。処方薬は自己判断で中止せず、気になることがある場合は主治医へ相談してください。
息苦しさがある日に鍼灸を受けてもよいですか?
普段より息苦しさが強い、咳やたんが悪化している、発熱がある場合は、鍼灸を優先せず医療機関へ相談してください。
禁煙は遅すぎませんか?
禁煙については、開始時期にかかわらず主治医や禁煙外来へ相談する価値があります。自分に合う支援を確認してください。
参考情報
- National Heart, Lung, and Blood Institute:COPD
- Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease:GOLD
- National Center for Complementary and Integrative Health:Acupuncture
まとめ
鍼灸がCOPDを治す、呼吸機能を改善すると断定することはできません。COPDでは、吸入薬などの標準治療を継続し、症状の変化を主治医と共有することが大切です。
息苦しさ、咳、たん、発熱が悪化した場合は、鍼灸を受ける前に医療機関へ相談してください。






