東洋医学における『津液』の役割とバランス調整:体内の潤いと健康の秘訣

はじめに

東洋医学において「津液(しんえき)」は、身体の健康と機能を維持するために重要な液体です。津液は体内の潤いを保ち、各臓器や組織の働きをサポートします。東洋医学で使われる「津液」について解説します。

津液とは何か?

津液の基本概念

津液は、体内に存在するすべての体液を指し、血液、汗、唾液、涙、消化液などを含みます。津液は体内の水分バランスを保ち、各臓器や組織を潤す役割を果たします。

津液の働き

潤滑作用

津液は体内の各部位を潤滑し、関節や組織の滑らかな動きを補助します。これにより、関節の健康を維持し、動きを円滑にします。

体温調節

津液は汗として体外に放出されることで、体温調節の役割を果たします。汗をかくことで体温が下がり、体の過熱を防ぎます。

栄養供給

津液は血液とともに栄養を運び、各臓器や組織に必要な栄養素を供給します。これにより、体全体の機能が正常に保たれます。

津液の不足と滞り

津虚(しんきょ)

津虚とは、津液の不足状態を指します。これにより、乾燥感、便秘、口渇、肌の乾燥などの症状が現れます。

痰湿(たんしつ)

痰湿とは、津液が過剰に滞っている状態を指します。これにより、むくみ、咳、痰が多くなる、消化不良などの症状が現れます。

津液の調整方法

鍼灸

鍼灸治療は、経絡上のツボを刺激し、津液のバランスを整えます。これにより、体内の津液の循環が改善され、健康が促進されます。

漢方薬

漢方薬は、津液の不足や滞りを改善するために使用されます。生脈散(しょうみゃくさん)や五苓散(ごれいさん)などが一般的です。

薬膳(食事療法)

津液を補うためには、水分を多く含む食材(スープ、果物、野菜など)を積極的に摂取することが推奨されます。これにより、体内の潤いを保ち、津液のバランスを整えます。

津液のまとめ

東洋医学における「津液」は、体内の潤いを保ち、健康を維持するために重要な体液です。津液は潤滑作用、体温調節、栄養供給に関与し、その不足や滞りが健康に影響を与えます。適切な鍼灸治療、漢方薬、薬膳(食事療法)を通じて、津液のバランスを整え、健康を維持することが重要です。

関連:産後の体調回復に効果的なツボ
関連:睡眠の質を高めるツボ4選
関連:生理痛に効果的なツボとお灸
関連:ことわざ「お灸をすえる」とは?意味や使い方

開業鍼灸師のためのお役立ちメディア「カルテラス」へのリンク
鍼灸柔整キャリアラボへのリンク
鍼灸関連学会・セミナー・イベント
鍼灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師を目指す全国養成校 大学・専門学校一覧のバナーリンク

この記事を書いた人

アバター

日本鍼灸大学

日本鍼灸大学は「世間と鍼灸を学問する」をコンセプトに有志の鍼灸師とセイリン株式会社が立ち上げたWebとYouTubeチャンネルです。普段、世間話と鍼灸学のお話しを井戸端会議的に気軽に楽しめる内容に仕立て日本鍼灸の奥深さを鍼灸学生に向けて提供します。
※当サイトは学校教育法に則った大学施設ではありません。文部科学省の指導の元、名称を使用しています。

2023年より鍼灸柔整キャリアラボを試験的にスタート!鍼灸柔整キャリアラボは『詳細はこちら』ボタンからアクセス。