マイクロカレントの禁忌は?鍼灸師が機器ごとに確認したい安全項目

マイクロカレントの禁忌は、まず使用する機器の販売名を特定し、その機器の電子添文と取扱説明書で確認します。「微弱電流」という名称だけで使用可否は決められません。特に植込み型医療機器の有無、妊娠、皮膚の状態、併用機器、電極の状態は施術前に確認したい項目です。製品に「使用しない」と書かれた条件に当てはまる場合、同意を得ただけで使用可能にはなりません。

禁忌の一覧を機器を問わず使えない理由

マイクロカレントは電気刺激の強さを表す呼び名として使われますが、家庭用の低周波治療器に搭載されたモードも、医療用の複合機に搭載されたモードもあります。出力だけでなく、電極、併用機能、対象者、使用部位などが製品ごとに違います。まず本体の販売名と型番を確認し、PMDAの医療機器添付文書等情報検索または製造販売業者が示す最新の文書で、その製品の「禁忌・禁止」「警告」「使用方法」「併用医療機器」を読みます。取扱説明書も併せて確認してください。

例えば、マイクロカレントモードを備える「ダイナトロン950プラス D950plus」の2017年11月の添付文書には、心臓ペースメーカー装着者や妊婦を使用しない対象として記載しています。これはその製品の文書の一例であり、すべての機器の禁忌表として転載できません。実際に使うときは手元の機器について最新の文書を確かめ、判断に迷う条件があれば使用を保留し、製造販売業者や関係する医療職に確認します。

施術前に確認する4つの項目

1. 植込み型・装着型の医療機器

ペースメーカーなどの植込み型機器や、使用中の装着型医療機器がないかを尋ねます。該当する場合は、その場で刺激の弱さを理由に安全と判断せず、使用機器と患者側の機器の双方の注意事項を確認します。使用する機器の電子添文で禁忌に該当するなら使用しません。

2. 妊娠・症状・受診状況

妊娠中または妊娠の可能性、心疾患などの既往、現在の症状と受診状況を確認します。D950plusの添付文書は妊婦を使用しない対象としていますが、別の機器についてはその製品の文書を調べてください。症状の原因が分からないときに、機器を使って受診を遅らせないことも大切です。

3. 皮膚と電極・付属品

電極を当てる場所に傷、発赤、かぶれなどがないか、電極の汚れ・破損、付属品の適合を確認します。D950plusの添付文書では、電極が浮いたり含水が不足したりすると局所に電流が集中し、やけどにつながるおそれを示しています。点検方法や使える付属品は、手元の機器の文書に従います。

4. 併用と使用中の変化

他の医療機器を同時に使用する予定がないかを確認し、電極の配置や使用部位について製品の警告を読みます。施術中に気分不良、強い違和感、皮膚の異常などが出た場合は直ちに使用を中止し、状態に応じて医療機関につなぎます。D950plusの添付文書は、異常時の中止と回復の措置を求めています。

使用を見送るとき、受診を優先するとき

販売名を特定できない、最新の注意事項を確認できない、禁忌に該当する可能性がある、皮膚や電極に異常がある場合は、確認が済むまで使用を見送ります。急な胸の痛み、強い呼吸困難、意識の異常などがあるときは施術で様子を見ず、119番など緊急の対応を優先してください。緊急性の判断に迷うときも、地域の救急相談窓口や医療機関につなぎます。

機器の確認は初診時の安全確認ともつながります。鍼灸院の初診問診票で聞き直したい項目も確認してください。

よくある質問

マイクロカレントは刺激を感じにくければ、ペースメーカー装着者にも使えますか?

刺激の感じ方で判断できません。例えばD950plusの添付文書はペースメーカー装着者を使用しない対象としています。使用機器の電子添文と患者側の医療機器の注意事項を確認し、禁忌なら使用しません。

妊娠中でも出力を弱くすれば使えますか?

出力を下げれば安全とはいえません。妊娠中の扱いは機器ごとの文書を確認します。D950plusでは妊婦は使用しない対象です。

機器の添付文書はどこで調べられますか?

本体に記された販売名・型番を確認し、PMDAの医療機器添付文書等情報検索や製造販売業者の案内から探せます。検索結果が見つからない場合は、名称や承認・認証番号を確認して製造販売業者に問い合わせてください。

参考情報

鍼灸関連学会・セミナー・イベント
鍼灸師・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師を目指す全国養成校 大学・専門学校一覧のバナーリンク
開業鍼灸師のためのお役立ちメディア「カルテラス」へのリンク

この記事を書いた人

アバター

日本鍼灸大学

日本鍼灸大学は「世間と鍼灸を学問する」をコンセプトに有志の鍼灸師とセイリン株式会社が立ち上げたWebとYouTubeチャンネルです。普段、世間話と鍼灸学のお話しを井戸端会議的に気軽に楽しめる内容に仕立て日本鍼灸の奥深さを鍼灸学生に向けて提供します。
※当サイトは学校教育法に則った大学施設ではありません。文部科学省の指導の元、名称を使用しています。

2023年より鍼灸柔整キャリアラボを試験的にスタート!鍼灸柔整キャリアラボは『詳細はこちら』ボタンからアクセス。