生理痛に悩む女性へ
生理痛は、多くの女性が毎月感じる不快な症状のひとつです。
下腹部の痛みだけでなく、腰痛・頭痛・倦怠感・イライラなど、さまざまな不調を引き起こします。
痛み止めなどの薬も有効ですが、体のバランスを整えて根本的に改善を目指すなら、
東洋医学の「ツボ押し」や「お灸」を取り入れるのがおすすめです。
この記事では、生理痛に効果的なツボ4選とお灸の方法を、鍼灸の専門的視点から解説します。
東洋医学から見た生理痛の原因
東洋医学では、生理痛は「気(エネルギー)」や「血(けつ)」の流れが滞ることで起こると考えます。
特に「瘀血(おけつ)」と呼ばれる血行不良や、「冷え」による血の巡りの低下が主な要因です。
そのため、ツボ刺激やお灸によって “気血の流れ”を改善し、冷えを取り除くこと が重要になります。
生理痛に効果的なツボ4選
① 三陰交(さんいんこう)
女性の不調全般に効果的な代表ツボ。
婦人科系疾患、生理痛、冷え性、むくみなどにも広く使われます。
- 位置:足の内くるぶしの最も高い位置から、指4本分上にある骨の後ろのくぼみ。
- 効果:下半身の血流を促進し、子宮周辺の冷えや緊張を和らげます。
- 押し方:親指でじんわりと押し、5秒押して5秒休むを繰り返す。温灸も効果的。
💡 お灸のポイント:三陰交は冷え性体質の方に特におすすめ。生理1週間前から温めておくと予防にも。
② 気海(きかい)
「生命エネルギーの海」とも呼ばれるツボ。
下腹部を温め、月経痛・下腹部の張り・冷えを改善します。
- 位置:おへそから指2本分下。
- 効果:血流を整え、腹部の緊張を緩和。自律神経を安定させる効果も。
- 押し方:両手を重ね、手のひら全体でじんわり温めるように押す。
💡 お灸のポイント:気海は体を温める“要”のツボ。冷えによる生理痛に効果的です。
③ 太衝(たいしょう)
ストレスによる生理痛におすすめ。
感情の乱れを整え、気の流れをスムーズにします。
- 位置:足の甲、親指と人差し指の骨が交わるところのくぼみ。
- 効果:イライラ・頭痛・情緒不安定の緩和。PMS(月経前症候群)にも◎。
- 押し方:指先でゆっくり円を描くように1〜2分刺激。
💡 豆知識:東洋医学では「肝(かん)」の働きが乱れると気の流れが滞るとされ、太衝はその調整に最適。
④ 合谷(ごうこく)
万能のツボとして有名。
全身のバランスを整え、痛みのコントロールに効果的です。
- 位置:手の甲、親指と人差し指の骨が交わるところ。
- 効果:生理痛、頭痛、肩こりなどの痛み全般。自律神経のバランスを整える。
- 押し方:反対の手の親指で少し強めに押しながら5秒キープ、数回繰り返す。
💡 注意:妊娠中は刺激を避けましょう。
お灸のすすめ|ツボを温めて体を内側から整える
お灸は、ツボに温熱刺激を与えることで血流を促し、体を内側から温めます。
特に冷えが原因の生理痛には非常に効果的です。
🔥 お灸の基本手順
- 準備:市販の台座灸(例:セイリンのヨモニコなど)を用意。
- ツボの位置確認:三陰交・気海・太衝・合谷を中心に。
- お灸を置く:ツボの位置にセットし、熱さを感じる程度で温める。
- 時間:1回につき約5分。1日1〜2回が目安。
⚠️ 注意点:皮膚の弱い人は低温灸を使用。熱すぎる場合はすぐに中止しましょう。
ツボ押し&お灸のポイント
- リラックスして行う:深呼吸をしながら行うことで副交感神経が優位になり、痛みの緩和が促進。
- 継続が大切:生理中だけでなく、生理周期を通して定期的に行うと体質改善に繋がります。
- 刺激はやさしく:押しすぎや加熱しすぎは逆効果になるため、心地よい強さを意識しましょう。
まとめ|生理痛ケアは「温め」と「巡り」がカギ
生理痛は、冷えやストレス、血の巡りの滞りが主な原因です。
三陰交・気海・太衝・合谷のツボを意識的にケアし、体を温めることで痛みをやわらげることができます。
お灸やツボ押しは、薬に頼らず自然な方法で体を整えるセルフケアです。
毎月の不快な症状を和らげ、穏やかな月経期を過ごすために、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。
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