鍼灸の小さな話 #29

医聖 張仲景と「傷寒論」「金匱要略方論」

張仲景とは

張仲景は、古代中国の医師です。後漢期に古代から伝わる医学の知識と自らの経験をもとに「傷寒雑病論」を著し、後々まで漢方医学の最も重要な文献となった。傷寒雑病論は後に「傷寒論」と「金匱要略方論」に分割された。現在の、東洋医学、鍼灸漢方医学の基礎となっております。張仲景は医聖と称えられています。

「傷寒論」: 中国医学の宝庫

「傷寒論」は、張仲景が古代中国で大流行した感染症である「傷寒」について綴った重要な文献です。この著書は、感染症の病態と治療法について詳細に説明しており、医学の発展に革命をもたらしました。張仲景は、体内の陰陽のバランスを調整し、薬物療法を使用する方法を提案し、そのアプローチは中国医学の基本原則として受け継がれました。

  • 病態の分析: 「傷寒論」では、傷寒の病態を詳細に分析し、異なる段階や症状に応じて異なる治療法を提案しています。これは、古代中国医学における初期の個別化医療の一例です。
  • 陰陽調和: 張仲景は、体内の陰陽のバランスが崩れた場合に病気が発生すると考えました。そのため、治療の中心には陰陽の調和を取り戻すことが含まれています。
  • 薬物療法: 「傷寒論」では、多くの漢方薬を使用して症状を緩和し、病気を治療する方法が詳細に説明されています。これらの漢方薬は、古代から現代まで使用されています。

現代鍼灸医学への影響:

張仲景と「傷寒論」「金匱要略方論」は、中国医学の基盤を築く大きな役割を果たし、後の時代においても多くの医師や学者によって研究され、発展しました。その結果、張仲景の医学的アプローチは、現代の東洋医学だけでなく世界の医学にも影響を与えています。中医学の基本原則として今日まで受け継がれ、多くの患者に健康と治療を提供しています。現代日本の鍼灸漢方医学を学ぶ際も、学ばれています。

本日の言葉

人生最大の冒険は、自分の夢を追い求めて生きることだ。
ヘレン・ケラー(作家 講演家)

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