手足が冷える、布団に入っても足先が温まらないといった冷えの悩みから、お灸を試したいと考える人もいるでしょう。
お灸は温かさを感じるセルフケアの一つですが、冷え性を治すと断定することはできません。冷えには生活環境や運動量だけでなく、貧血、甲状腺の病気、血流の問題などが関係する場合もあります。症状が続くときは、原因を確認することが大切です。
冷え性と低体温は同じですか?
冷え性は、手足や腰などに冷えを感じてつらい状態を指すことが多く、病名ではありません。一方、低体温は体温が低い状態を指しますが、測定する時間帯、体温計の種類、測り方でも数値は変わります。
寒い場所に長時間いて体温が大きく下がる「低体温症」は、意識がもうろうとする、震えが止まる、ろれつが回らないなどの症状を伴う危険な状態です。この場合はお灸などのセルフケアをせず、救急要請や医療機関への相談を優先してください。
冷えを感じる原因には何がありますか?
冷えを感じる背景には、次のようなことが関係する場合があります。
- 薄着、冷房、寒い環境などによる体の冷え
- 運動不足や長時間同じ姿勢でいること
- 食事量の不足や過度なダイエット
- 睡眠不足、ストレス、生活リズムの乱れ
- 貧血、甲状腺の病気、血管や神経に関する病気
- 服用している薬の影響
冷えだけで原因を決めることはできません。ほかの症状もある場合は、医療機関で相談しましょう。
お灸は冷え性に使えますか?
市販のお灸は、熱さを利用したセルフケアの一つです。心地よい温かさを感じる場合がありますが、冷え性の原因そのものを治療する方法とはいえません。
初めて使う場合は、熱さが比較的穏やかな台座灸などを選び、説明書をよく読んでください。熱いと感じたら我慢せず、すぐに外しましょう。お灸の火によるやけどや火災には注意が必要です。
お灸を使わない方がよい場合は?
次のような場合は、自己判断でお灸を行わず、医師や薬剤師、鍼灸師へ相談してください。
- 皮膚に傷、炎症、発疹、感覚の低下がある
- 糖尿病などで足の感覚や血流に問題がある
- 出血しやすい病気がある、または治療中である
- 妊娠中、授乳中である
- 子どもや高齢者で、熱さを十分に伝えにくい
- 発熱、強いだるさ、急な体調不良がある
お灸の跡が強く赤くなる、水ぶくれができる、痛みが続く場合は使用を中止し、必要に応じて皮膚科などへ相談してください。
冷えを感じるときに見直せる生活習慣
冷えの悩みでは、お灸だけに頼らず、日常の過ごし方を見直すことも大切です。
- 食事を極端に減らさず、必要な栄養をとる
- 歩く、ストレッチをするなど、無理のない範囲で体を動かす
- 入浴や衣服で、寒さを我慢しすぎない
- 座り続ける時間を減らし、こまめに体勢を変える
- 睡眠時間と起床時刻を整える
体を温めても冷えが強い、または悪化している場合は、セルフケアを続ける前に相談してください。
医療機関へ相談する目安
次のような症状がある場合は、内科などの医療機関へ相談しましょう。
- 冷えに加えて、強い疲れ、息切れ、動悸、めまいがある
- 体重が急に増減した、むくみがある
- 手足の色が白や紫に変わる、痛みやしびれが強い
- 月経の量や周期が大きく変わった
- 冷えが急に強くなった、日常生活に支障がある
- 寒冷環境のあとに震えが止まる、意識がはっきりしない
原因に応じた治療が必要なこともあります。お灸を始める前に、症状全体を確認してもらうことが安心につながります。
よくある質問
冷え性におすすめのツボはありますか?
冷えに関するツボとして三陰交や足三里などが紹介されることがありますが、ツボへの刺激で冷え性が改善すると断定することはできません。自分でお灸をする場合は、位置や使い方を鍼灸師に確認し、熱さを我慢しないことが大切です。
お灸は毎日してもよいですか?
製品ごとに使用方法が異なります。説明書に従い、皮膚の状態を確認しながら使用してください。赤み、痛み、水ぶくれがある部位には続けて使用しないでください。
冷えがあれば婦人科を受診した方がよいですか?
月経不順、月経量の変化、強い月経痛、妊娠に関する悩みなどがある場合は、婦人科への相談も選択肢です。症状に応じて、かかりつけ医へまず相談しても構いません。
まとめ
お灸は冷えを感じるときのセルフケアの一つですが、冷え性を治すと断定できるものではありません。やけどに注意し、体調や皮膚の状態に不安がある場合は自己判断で使わないようにしましょう。
冷えに加えて疲れや息切れ、しびれ、月経の変化などがある場合は、病気が隠れていることもあります。症状が続くときは、医療機関へ相談してください。






