高麗手指鍼(こうらいしゅしん)は、手の部位を身体全体に対応させる考え方に基づき、手を刺激する韓国の施術体系です。英語ではKorean hand acupunctureやKoryo Hand Therapyと呼ばれます。
この対応関係は施術体系上の考え方であり、手の特定の場所を刺激すれば内臓の病気が治る、という医学的な証明と同じではありません。症状がある場合は、必要な診察や治療を優先してください。
手を身体の縮図と考える理論
高麗手指鍼では、身体の部位に対応するとされる場所を手に設定し、その部位を刺激します。手を身体全体の縮図として捉える理論が特徴です。
こうした対応図を、臓器そのものが手に存在するという意味や、手の痛い場所から病気を診断できるという意味に受け取らないことが大切です。理論の説明と、病気の診断・治療の根拠は分けて考えます。
針を使う方法と、針を使わない方法
手に鍼を用いる方法のほか、粒などによって皮膚の上から圧迫する方法も研究されています。お灸による温熱など、刺激の方法が異なる場合もあります。
針による施術と、皮膚を貫かない圧迫では、方法とリスクが異なります。ある方法の研究結果を、同じ名前で呼ばれるすべての施術に当てはめないようにしましょう。器具の太さや刺激の量だけで、安全性や効果が決まるわけではありません。
効果の研究は、対象と方法を確認する
2002年の小規模な無作為化比較試験では、婦人科の腹腔鏡手術を受ける女性80人を対象に、手の特定の部位を粒で圧迫する方法が検討されました。比較群より術後の吐き気・嘔吐が少ない結果でした。
ただし、これは針を刺す施術ではなく、手術前後の特定の条件で行った研究です。この結果だけで、慢性痛、喘息、胃腸の病気、ホルモンの問題などに広く有効だとは判断できません。「免疫力が上がる」「全身が整う」という広い表現も、何を測った研究なのかを確かめる必要があります。
痛み・感染・やけどなどの注意
手への施術でも「痛みがない」「副作用がない」とは保証できません。鍼では出血や感染などへの対策が必要で、お灸を使う場合はやけどにも注意します。皮膚の傷、感染、薬の使用など、施術に関係する情報を施術者へ伝えてください。
記事の対応図や動画を見て、自分で鍼を刺さないでください。施術を受ける場合は、使用する器具、衛生管理、予想される不利益、体調が悪化したときの対応について説明を受けましょう。鍼灸全般の研究と安全性は、鍼灸の基礎知識と研究の考え方も参考になります。
日本で受けるときは資格と相談先を確認
日本では、医師以外の人が「はり」を業として行うには、はり師免許が必要です。民間講座の修了証や海外の資格名だけで、日本のはり師免許を持っているとは判断しないでください。
手の刺激だけで病気を自己診断したり、処方薬や通院をやめたりしないことが大切です。症状が続く、悪化する、日常生活に支障がある場合は医療機関に相談してください。






