1. 鍼灸セルフケアとは? ― 東洋医学で整える“自分の健康”
鍼灸セルフケアとは、東洋医学の知恵を日常に取り入れ、自分の手で心身のバランスを整える方法です。
鍼灸では「気(エネルギー)」と「血(栄養)」の流れを整えることが健康の基本とされ、
セルフケアとしてツボ押しやお灸を行うことで、以下のような効果が期待できます。
🌿セルフ鍼灸の主なメリット
- ストレスや不安の軽減
- 免疫力の向上
- 睡眠の質改善
- 冷えや疲労の回復
- 精神的リラックス・集中力アップ
「未病(みびょう)」=病気になる前の段階でケアを行うことが、東洋医学の基本です。
2. 鍼灸セルフケアの基本:ツボ押し(指圧)
📍① 合谷(ごうこく)|ストレスと痛みに効く万能ツボ
- 位置:親指と人差し指の骨が交わるくぼみ(手の甲側)
- 効果:ストレス緩和、頭痛・肩こり・眼精疲労の改善
- 押し方:親指で5秒押して離すを5回繰り返す。やや強めの圧で「気持ちよい痛み」が理想。
💡デスクワーク中やスマホ疲れにもおすすめ。呼吸を整えながら行うとリラックス効果が倍増します。
📍② 足三里(あしさんり)|疲労回復と胃腸の働きを整えるツボ
- 位置:膝の皿の下から指4本分下、すねの外側のくぼみ
- 効果:消化促進、疲労回復、免疫力アップ
- 押し方:親指で円を描くように3〜5分刺激。呼吸をゆっくり整えながら行うのがコツ。
💡*「足三里」は“長寿のツボ”として古くから知られ、日々の体調管理に最適です。*
📍③ 中脘(ちゅうかん)|胃もたれ・ストレス性の食欲不振に
- 位置:みぞおちとおへその中間
- 効果:胃腸の不調・ストレス性胃痛・食欲不振
- 押し方:両手の指を重ねてゆっくり押し、3〜5分ほど刺激します。
💡食後30分以上あけてから行うのが安全です。胃腸の働きを優しく整えます。
3. お灸を使ったセルフケア ― “温める力”で心身を調える
お灸は「温熱刺激」によって血流と気の巡りを改善し、体の内側からウェルビーイングを高める伝統的な方法です。
🔥 お灸セルフケアの手順
1️⃣ 準備
市販の台座灸や温灸タイプを用意。使用前にツボの位置を確認し、皮膚を清潔にします。
2️⃣ 設置と点火
ツボにお灸を置き、火をつけて温まるのを待ちます。
「熱い」と感じたらすぐに取り外してください。
3️⃣ 時間と頻度
1回あたり5〜10分を目安に、1日1回程度行いましょう。
4️⃣ 注意点
- 火傷防止のため、直接皮膚に触れないタイプを推奨
- 皮膚に異常を感じた場合は中止
- 妊娠中や持病がある場合は鍼灸師に相談を
💡おすすめのお灸ポイント
| ツボ | 主な効果 | 季節のおすすめ |
|---|---|---|
| 三陰交(さんいんこう) | 冷え性・月経痛・自律神経の安定 | 秋・冬 |
| 気海(きかい) | 免疫力・エネルギー補充 | 一年中 |
| 足三里(あしさんり) | 胃腸・疲労回復 | 春・夏 |
4. セルフケアを効果的に行うためのポイント
- 深呼吸をしながら行う:呼吸に合わせてツボを刺激するとリラックス効果が高まります。
- 毎日少しずつ続ける:短時間でも毎日続けることで、気血の巡りが安定します。
- 体調に合わせて調整:疲れている日は軽めに、元気な日は少し長めに行うなど柔軟に対応。
- 入浴後のケアが効果的:体が温まっている状態はツボ刺激が伝わりやすくなります。
5. 鍼灸セルフケアで高まるウェルビーイング
鍼灸のセルフケアは、「体の声を聞く時間」でもあります。
日常生活に取り入れることで、次のようなウェルビーイング効果が期待できます。
| ウェルビーイング領域 | 鍼灸セルフケアの効果 |
|---|---|
| 身体的(Physical) | 疲労回復、免疫力向上、血行促進 |
| 精神的(Emotional) | ストレス緩和、心の安定 |
| 社会的(Social) | 自分に余裕ができ、人との関係が良好に |
| 自己成長(Purpose) | 健康意識の向上、自己管理能力の向上 |
“自分を整えること”は、“まわりにも優しくなれること”。
東洋医学的セルフケアは、まさに現代のウェルビーイング実践法です。
関連:「ウエルビーイング」 鍼灸師が知るべき基礎知識
関連:鍼灸師と助産師の他職種連携は可能か?
関連:産後の体調回復に効果的なツボ
関連:睡眠の質を高めるツボ4選
関連:生理痛に効果的なツボとお灸
関連:ことわざ「お灸をすえる」とは?意味や使い方





