トイレの悩み|便秘がなぜ起きるのか?
便秘は、日本人の多くが経験する消化器系のトラブルのひとつです。
排便が困難であったり、便が硬くて出にくい状態を指し、女性や高齢者に多く見られます。
便秘は単なる不快感ではなく、体の内側からのサインです。
放っておくと、肌荒れ・冷え・免疫力低下など、全身の不調につながることもあります。
ここでは、便秘がなぜ起きるのかを「西洋医学」と「東洋医学」の両面から解説します。
1. 食事の影響
食物繊維の不足
食物繊維は、腸の動きをサポートし、便の量を増やして排出を促す働きがあります。
しかし現代の食生活では、パンや加工食品が中心になり、野菜・海藻・豆類の摂取量が減少傾向。
その結果、便が硬くなり排出しづらくなる「慢性便秘」が増えています。
💡 ポイント
- 野菜・海藻・きのこ・玄米などを意識的に摂取
- 水溶性食物繊維(わかめ・オクラ・納豆)を意識すると腸の動きがよりスムーズに
水分不足
便は水分を含んで柔らかく保たれることで、腸内をスムーズに通過します。
水分が不足すると便が硬くなり、排出に時間がかかります。
💧 理想的な水分摂取量:1日1.5〜2L程度(カフェインを除く水・白湯など)
2. 生活習慣の影響
運動不足
腸の蠕動(ぜんどう)運動は、筋肉の動きによって支えられています。
デスクワークや運動不足の状態が続くと、腸の動きが鈍くなり、便秘を引き起こします。
✅ おすすめ習慣
- 朝起きてコップ1杯の水+軽いストレッチ
- ウォーキングや腹筋運動など、腸を刺激する運動を習慣化
不規則な排便習慣
排便のリズムが乱れると、腸の働きも不安定になります。
特に「トイレを我慢する習慣」が続くと、直腸の感覚が鈍くなり、自然な便意を感じにくくなります。
💡 朝食後は「胃結腸反射」が起こりやすいため、毎朝決まった時間にトイレに行く習慣をつけましょう。
3. ストレスと心理的要因
ストレスは、自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスを乱し、腸の動きに大きく影響します。
特に「緊張型便秘」や「過敏性腸症候群(IBS)」は、精神的なストレスが引き金になることが多いです。
🧘♀️ 東洋医学の見方
東洋医学では、ストレスによる「気(エネルギー)」の滞りを“気滞(きたい)”と呼びます。
この気滞が腸の働きを抑え、便秘やお腹の張りにつながると考えられています。
✅ 深呼吸・瞑想・ツボ押し(特に「合谷」「足三里」)で気の巡りを整えることが効果的です。
4. 薬の影響
鎮痛薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、鉄剤などには、便秘の副作用があるものがあります。
薬の影響を感じたら、自己判断で中止せず、医師・薬剤師に相談しましょう。
💊 補足
鍼灸では、薬による便秘に対しても自律神経調整や胃腸の活性化を目的とした施術が行われることがあります。
5. 病気による影響
便秘はときに、重大な病気のサインであることもあります。
- 大腸がん
- 過敏性腸症候群(IBS)
- 甲状腺機能低下症
- 糖尿病 など
便秘が長引く、便に血が混じる、体重減少を伴う場合は、必ず医療機関での検査が必要です。
鍼灸でできる便秘改善アプローチ
鍼灸では、「気・血・水(き・けつ・すい)」のバランスを整えることで、腸の働きを根本から改善します。
特に次のようなツボがよく使われます。
- 天枢(てんすう):お腹の血流を促進し、腸の動きを活性化
- 足三里(あしさんり):胃腸の機能を高め、冷え・疲労も改善
- 合谷(ごうこく):自律神経を整え、ストレス性便秘に効果的
これらのツボはセルフケアとしても刺激できます(→ 関連記事:「便秘に効果的なツボ」)。
便秘かな?と思ったら医療従事者に相談を
便秘は、食事・生活習慣・ストレス・薬・病気など、複数の要因が絡み合って発生します。
根本から改善するには、
- 食生活の見直し
- 適度な運動
- 自律神経ケア(ツボ押し・お灸・深呼吸)
を組み合わせることが大切です。
また、長期間続く・腹痛を伴う・血便が出るなどの症状がある場合は、医師・薬剤師・鍼灸師に相談してください。
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