鍼灸の小さな話 #19

鍼灸師の読み方と鍼灸師の役割

鍼灸師とは

「鍼灸師」という言葉は、鍼灸・漢方・薬膳などの理論を体系化し、日本の伝統的な東洋医学分野で活躍する国家資格を保持した専門家を指します。主に、大学・専門学校を卒業後に国家試験に受験し合格したモノに与えられる資格です。

鍼灸師の読み方

「鍼灸師」は、日本語の漢字で表記される言葉で、一般的な読み方は「しんきゅうし」です。この言葉は、2つの主要な要素から構成されています。「鍼」は「はり」と読み、「灸」は「きゅう」と読みます。「師」は日本の医療系国家資格では開業権を保持している事を意味します。また、あん摩マッサージ指圧を同時に所持している場合は、鍼灸あん摩マッサージ指圧師と呼称します。なお鍼灸師は「はりきゅうし」と呼称しても問題ありません。

鍼灸師の仕事と役割

鍼灸師は、鍼灸院だけでなく病院医院・介護施設・訪問鍼灸・エステティックなど活躍の場所によって役割は多岐にわたります。以下のようなことを行います。

  • 鍼治療: 鍼灸師は特定の経絡や経穴を通して、筋肉や神経にアプローチします。体内の気、血、津液といわれる一種のエネルギーの流れを調整します。これにより、痛みの軽減や身体の不調の改善を促します。
  • お灸療法: お灸と呼ばれるよもぎを原料に使った温熱療法を行います。お灸使った温熱刺激を加えることで、体のバランスを調整し、健康をサポートします。
  • 体調の評価: 鍼灸師は患者の体調を評価し、症状や健康問題に基づいて治療計画を立てます。継続的な治療とアドバイスを提供し、患者の健康を管理します。
  • 予防医学: 鍼灸師は、病気や不調を予防するための健康アドバイスやライフスタイルの変更についても指導します。昨今、睡眠障害など健康経営やウェルビーイングにより注目されてきています。

主に上記の4つの技術・視点を組み合わせ活用して、多種多様なフィールドや要望に対応するのが鍼灸師です。

本日の言葉

危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ
岡本太郎(芸術家 1911年-1996年)

この記事を書いた人

アバター

日本鍼灸大学

日本鍼灸大学は「世間と鍼灸を学問する」をコンセプトに有志の鍼灸師とセイリン株式会社が立ち上げたWebとYouTubeチャンネルです。普段、世間話と鍼灸学のお話しを井戸端会議的に気軽に楽しめる内容に仕立て日本鍼灸の奥深さを鍼灸学生に向けて提供します。
※当サイトは学校教育法に則った大学施設ではありません。文部科学省の指導の元、名称を使用しています。

2023年より鍼灸柔整キャリアラボを試験的にスタート!鍼灸柔整キャリアラボは『詳細はこちら』ボタンからアクセス。