鍼灸師が介護分野を学ぶなら、まず「介護の仕事をしたい」「介護福祉士を目指したい」「ケアマネジャーを目指したい」のどれに近いかを決めましょう。介護職員初任者研修と実務者研修は研修の修了、介護福祉士は国家資格、介護支援専門員(ケアマネジャー)は試験・研修・登録を経て専門員証の交付を受ける制度です。はり師・きゅう師の免許だけで、介護福祉士やケアマネジャーになれるわけではありません。
鍼灸師が検討できる介護分野の四つの学び方
介護職員初任者研修:介護の基礎を学ぶ
介護の基本、生活支援、認知症の理解などを学ぶ130時間の研修です。介護の仕事を初めて検討する人には、仕事内容を知る入口になります。受講日程や費用、修了評価の方法は実施機関で確認してください。
介護福祉士実務者研修:介護福祉士への実務経験ルートで必要
介護過程や医療的ケアなどを含む研修で、標準の受講時間は450時間です。初任者研修を修了している場合は、相当する130時間分を差し引いた320時間が目安です。初任者研修を先に修了していなければ実務者研修を受けられない、という順番ではありません。受講前に、既修了研修による科目の扱いを実施機関へ確認しましょう。
介護福祉士:介護の国家資格
資格取得には複数のルートがあります。鍼灸師が介護の仕事をしながら実務経験ルートで国家試験を受ける場合は、対象となる介護等の業務について従業期間3年以上(1,095日以上)と従事日数540日以上の両方に加え、原則として実務者研修の修了が必要です。はり師・きゅう師として施術した期間が、そのまま介護福祉士試験の実務経験になるとは判断できません。就職前に、勤務先の施設・事業と担当職種が対象に含まれるか、試験センターの案内で確認してください。
介護支援専門員:相談やケアプラン作成を担う
ケアマネジャーは、本人や家族の相談を受け、介護サービスの利用に向けて関係者と調整する専門職です。はり師・きゅう師は試験の対象となる法定資格に含まれますが、免許だけでは受験できません。対象となる資格に基づく業務に通算5年以上、かつ実際に従事した日数900日以上などの要件があります。試験合格後も実務研修、登録、介護支援専門員証の交付が必要です。実務経験の数え方と証明は、鍼灸師のケアマネ受験資格と実務経験5年・900日の確認方法で詳しく説明しています。
目的から選ぶと、不要な受講を避けやすい
- 介護の現場を知りたい:初任者研修や職場見学で、担当したい業務を具体化する。
- 介護福祉士を目指す:実務者研修に加え、対象業務の従業期間・従事日数を記録する。
- ケアマネジャーを目指す:はり師・きゅう師の免許登録日、対象業務、5年・900日の経験、証明方法を受験先に確認する。
資格や研修を増やすだけで、特定の職場への採用や収入の増加が決まるわけではありません。鍼灸の施術と介護職の業務は資格・役割が異なります。希望する職場で担当する仕事を確認し、それに必要な学びを選びましょう。
よくある質問
鍼灸師なら介護福祉士試験の実務経験が免除されますか?
実務経験ルートで受験する場合、はり師・きゅう師免許による免除はありません。対象となる介護等の業務について、従業期間と従事日数などの条件を確認します。
初任者研修を受けずに実務者研修へ進めますか?
初任者研修は、実務者研修の必須の前提ではありません。ただし、修了済みの研修によって受講する科目・時間が変わるため、申込先に確認してください。
鍼灸師免許があればケアマネジャーとして働けますか?
免許だけでは働けません。受験に必要な業務経験を満たし、試験合格後の実務研修・登録・専門員証の交付まで進む必要があります。詳細は鍼灸師のケアマネ受験資格を参照してください。
参考情報
- 石川労働局:介護職員初任者研修・実務者研修の案内
- 社会福祉振興・試験センター:介護福祉士国家試験の実務経験ルート
- 同:実務経験の対象範囲
- 島根県:介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格
- 厚生労働省 job tag:介護支援専門員
資格・試験制度の確認日:2026年9月24日。申込時は、その年度の試験実施機関・都道府県の案内を確認してください。






