合谷(ごうこく)とは?
合谷(ごうこく)は、東洋医学で最も使用頻度の高いツボの一つです。
「万能のツボ」と呼ばれ、痛みの緩和や自律神経の調整、ストレスケア、免疫機能の向上など、幅広い症状に用いられます。
経絡の分類では、手の陽明大腸経に属し、全身の「気」の流れを整える要となる「原穴」にあたります。
また、「四総穴(しそうけつ)」の一つとして、顔・頭の症状に特に効果的なツボです。
合谷の位置と正しい取り方
合谷は、手の甲側の親指と人差し指の骨(第1・第2中手骨)が交わる部分にあります。
📍取り方のポイント
- 親指と人差し指を軽く広げる。
- 2本の骨が交わる部分の**くぼみ(人差し指寄り)**を探します。
- 押すと「ズーン」と響くような感覚がある箇所が合谷です。
💡ツボの名前の由来:「合」は交わる、「谷」はくぼみを意味します。
この部分が「虎の口(ここう)」に似ていることから、別名「虎口(ここう)」とも呼ばれています。
合谷の効果
合谷は「万能のツボ」と呼ばれるほど、多彩な効果を持ちます。
🔸1. 痛みの緩和
- 頭痛(緊張型・片頭痛)
- 歯痛、顎関節症
- 肩こり、腰痛、筋肉痛
➡️ 「鎮痛のツボ」として、痛みの原因となる気血の滞りを整えます。
🔸2. ストレス・自律神経の安定
- 精神的な緊張、不安、イライラ
- 睡眠の質の低下
➡️ 合谷を刺激すると副交感神経が優位になり、リラックス効果が得られます。
🔸3. 消化器系の不調
- 胃の不快感、便秘、食欲不振
➡️ 気の流れを整え、内臓機能の働きをサポートします。
🔸4. 風邪や免疫力の低下
- 鼻づまり、発熱、喉の痛み
➡️ 「手の陽明大腸経」は顔・鼻・喉に通じており、風邪の初期症状にも効果的です。
🔸5. 美容・血行促進
- 顔のむくみ・くすみ改善
- 肌のターンオーバー促進
➡️ 顔周囲の血流を良くし、美容鍼灸の補助にも使われます。
合谷の刺激方法
合谷はセルフケアでも手軽に刺激できるツボです。
🔹1. 指圧(セルフケア向け)
- 反対の親指で合谷を押さえ、残りの指で手のひら側を支えます。
- 「痛気持ちいい」程度の力で5秒押し、5秒離す。
- これを10回程度繰り返します。
💡おすすめのタイミング:
- 肩や首のこりを感じたとき
- ストレスを感じたとき
- 寝る前やデスクワーク中のリラックスタイム
🔹2. お灸による温熱刺激
合谷はお灸との相性が非常に良いツボです。
温めることで血流と代謝が促進され、リラックス効果が高まります。
✅ おすすめのお灸タイプ
- セイリンの「台座灸ヨモニコ」
- 山正の「せんねん灸」
✅ 方法
- ツボの位置にお灸を置き、火をつける。
- 熱く感じたらすぐに外す(低温やけど防止)。
- 1回5分程度を目安に、1日1回まで。
🔹3. 鍼(はり)刺激
鍼灸院では、合谷に細い鍼を打ち、全身の気血の巡りを整えます。
頭痛や肩こりなどでは、風池・太衝・三陰交など他のツボと組み合わせると効果的です。
合谷の注意点
- 妊娠中の方は注意:
合谷は分娩促進のツボとしても知られており、妊娠初期・中期の強い刺激は避けましょう。 - 高熱・体調不良時・飲酒後は刺激を控える。
- 強く押しすぎない。青あざや痛みが残る場合は中止してください。
合谷のまとめ
合谷(ごうこく)は、痛みやストレス、風邪、不調など全身のバランスを整える万能ツボです。
「押すだけ」「温めるだけ」で手軽にケアできるため、日常の健康維持やセルフメンテナンスにもおすすめです。
📍覚えておきたいポイント:
- 場所:親指と人差し指の骨の交わるくぼみ
- 効果:痛み緩和・リラックス・免疫調整
- 方法:指圧 or お灸をやさしく・継続的に
- 注意:妊娠中の強い刺激は避ける
正しい位置を理解して、合谷を日々のセルフケアに取り入れてみましょう。
より専門的な施術を希望する場合は、鍼灸師などの専門家に相談するのが安心です。
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