頭痛と低気圧の関係を東洋医学で読み解く
天気が悪くなる前に「頭が重い」「こめかみがズキズキする」と感じることはありませんか?
それは、低気圧による気圧変化が体に影響を与えている可能性があります。
特に、気圧の変化に敏感な体質の人や自律神経が乱れやすい人は、低気圧の影響を受けて頭痛を感じやすくなります。
この記事では、東洋医学の観点から頭痛と低気圧の関係を紐解き、鍼灸やツボ押しを活用した自然な対処法を紹介します。
頭痛と低気圧の関連性とは?
低気圧でなぜ頭が痛くなるのか
低気圧が近づくと、外気圧が下がることで血管が拡張しやすくなり、周囲の神経を刺激して痛みを感じます。
また、気圧の変動は自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスを乱し、頭痛・倦怠感・めまいなどを引き起こす要因になります。
東洋医学では、この状態を「気(き)・血(けつ)・水(すい)のバランスの乱れ」と捉えます。
特に低気圧による不調は、
- 気の滞り(気鬱)
- 水分代謝の停滞(水滞・痰湿)
が関係していると考えられています。
「天気痛」とは?
「天気痛」とは、気圧・温度・湿度などの気象変化が原因で起こる体調不良の総称です。
頭痛・関節痛・古傷の痛み・だるさなどが主な症状で、気圧の低下時に悪化することが多く見られます。
鍼灸では、気圧変化に影響されにくい体を作るために、
- 自律神経の調整
- 血行促進
- 気血の巡りの改善
を目的とした施術を行います。
鍼灸師がすすめる低気圧頭痛の対処法
① ツボ押しで自律神経を整える
低気圧による頭痛におすすめのツボは、以下の2つです。
- 合谷(ごうこく):手の甲側、親指と人差し指の骨が交わる部分にある万能のツボ。気の巡りを整え、緊張性頭痛に効果的。
- 風池(ふうち):後頭部の髪の生え際、首筋のくぼみにあるツボ。首や肩のこりを緩め、気圧変化に伴う頭痛を和らげます。
👉 指の腹でゆっくり押し込み、5秒キープして離す。これを3〜5回繰り返すと効果的です。
② お灸で冷えと滞りを改善
低気圧が近づくと、体が「冷え」に傾きやすくなります。
温熱効果のあるお灸は、血流を促進し、自律神経の乱れを整えるのに最適です。
特におすすめのツボは「百会(ひゃくえ)」や「風池」。
温めることで頭部の血流が改善され、重だるい痛みが緩和されます。
⚠️ 自宅でお灸を行う場合は、火傷防止のために台座灸(温灸タイプ)を使いましょう。
③ 規則正しい生活で“気象変化に負けない体”を作る
低気圧に負けない体をつくるためには、
- 睡眠リズムを整える
- 適度な運動で血流を促す
- 水分をしっかり摂る(体内循環の維持)
といった日常ケアが重要です。
また、鍼灸施術を定期的に受けることで、気象変化に強い体質づくりが期待できます。
鍼灸でできる低気圧頭痛ケア
低気圧性の頭痛には、鍼灸によって次のような効果が期待できます。
- 自律神経のバランスを整える
- 血流・リンパの循環を促進する
- 筋肉の緊張を緩和する
- 免疫機能・自然治癒力を高める
これにより、気圧変化による不調を根本から整えることができます。
施術では、風池・百会・太陽・合谷・内関などを中心に、体全体の気血の流れを改善します。
まとめ:低気圧頭痛は「気の乱れ」から整える
低気圧による頭痛は、気圧の変化・自律神経の乱れ・血行不良など、複数の要因が重なって起こります。
一時的な対処だけでなく、東洋医学的なアプローチで体質から整えることが重要です。
- ツボ押し・お灸でセルフケア
- 定期的な鍼灸施術で根本改善
- 生活習慣の見直しで再発予防
自然な方法で、薬に頼らず頭痛を和らげ、気圧の変化にも負けない体を目指しましょう。
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