鍼灸の小さな話 #30

冷えの初期症状とお灸

冷えの原因と低体温とは

低体温とは身体内部の体温が低い状態のことをさします。明確な定義はありませんが、熱を測ったときに35.5~36.0℃以下だと低体温の可能性があります。

低体温の原因には、ストレスによる自律神経の乱れ、体重の減少、運動不足や加齢による筋肉量の低下、低温環境に長時間身を置くことなどがあります。

低体温の初期症状には身体の震えや動きの鈍化、皮膚の感覚の麻痺などが挙げられます。症状が進むと震えすら止まり、歩けなくなったり意識を失ったりして命の危険が生じます。これらの症状はゆっくりと現れるため、少しでも異変を感じたら体を温め、医療機関を受診しましょう。

また、日頃から食生活や運動、入浴の習慣で体温を上げる対策を行うことが大切です。

低体温の対処法

低体温の症状がみられたら、迅速な対応が大切です。シバリング(震え)が始まり低体温を自覚したら、冷えた身体を温めて対処します。次のような方法で身体を温めるといいでしょう。

  • 温かい場所に移動する
  • 暖房で室温を上げる
  • 衣類や電気毛布で体を保温する
  • 食事や飲み物で栄養と水分を補給する
  • お灸やカイロをする

体温を上げるエネルギーとして食事の摂取もおすすめです。甘いものや白米などの炭水化物は体温アップにより効果的です。また、体内に十分な水分を補給することで、血流が良くなり、体温も上昇します。温かい飲み物やカロリーのある飲み物がベストです。身体が濡れている場合は、濡れた服を脱ぎ身体を拭いてから温めることが大切です。帽子やマフラーなどで保温するのもいいです。

三首を温める:

三首とは首、手首、足首のこと。いずれの箇所も皮膚の表面近くに太い血管があるので、ここを温めることで血流がよくなり全身が温まる。また、東洋医学では首の後ろに風邪を予防するツボがあるとされ、首の後ろを温めると風邪をひきにくくなると言われている。この周辺にお灸やカイロで温める事をおすすめします。

本日の言葉

大好きなことに情熱のすべてを注ぎなさい
ジム・ロジャーズ(投資家)

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